ビジネスシーンで取引相手と対話する場合、相手の所属する企業を指す言葉として「御社」を使いますよね。
取引相手が銀行の場合は「御社」ではなく、「御行」と呼ぶのが正解です。
当記事では「御行」の意味・使い方・例文などを紹介します。古文で使われる同音異義語についても解説しますので、ぜひ最後までお読みください。
「御行」の意味を紹介!
最初に「御行」の意味を確認しましょう。以下では「御行」の意味・読み方などの基礎知識を紹介します。
「御行」の意味・読み方は?
現代語の「御行」は「貴方の銀行」という意味。一般的にビジネスシーンで使われる語句として定着しています。
「御行」の読み方は「おんこう」です。「みゆき」と発音すると古語の意味を表すため、正しい読み方で覚えましょう。
「御行」と「貴行」の違いは?
「御行」と「貴行」は話し言葉・書き言葉の関係です。
「御社」「貴社」の関係と同様に、「御行」は話し言葉・「貴社」は書き言葉。
メール・文書の中で相手先を呼ぶ場合は書き言葉である「貴行」を使いましょう。
「御行」の使い方を解説!
紹介した意味を踏まえ、「御行」の使い方を紹介します。主なポイントは下記の2つです。
対話の場面で使う
「御行」は主に面接・商談といった対話・接客応対の場面で使う語句です。
「御行」は敬称であり、目上の相手に使うのが前提。話し言葉のトーンも敬語で統一する必要があります。
ちなみに銀行-企業間の力関係は資本関係に左右される場合が多く、資金の貸し借りによって上下関係が生まれるわけではありません。
あくまでも双方目上の相手として接するのがビジネスマナーです。
電話でも有効
「御行」は電話による対話でも有効です。
融資・返済などの込み入った内容でなくとも、企業訪問のアポイントメント・スケジュール調整といった用件で電話を利用する機会は珍しくありません。
「御行」を使った例文3選!
紹介した基礎知識を踏まえ、実際の文章に「御行」を組み込んでみましょう。例文を3つピックアップします。
例文
この度は格別のお心遣いを賜り、厚く御礼申し上げます。御行の益々のご発展をお祈り申し上げます。
例文
以上が御行への志望理由です。何卒ご検討のほどよろしくお願いいたします。
例文
御行からの融資は本プロジェクトに欠かせない要件でした。この度のプロジェクト成功の機に、改めて厚く感謝申し上げる次第です。
古語「御行」もチェック!
「御行」には古語としての用法もあります。同音異義語のため、予備知識がなければ違いを理解しづらいです。
以上を踏まえ、最後に古語「御行」についてもチェックしておきましょう。
古語「御行」の意味・読み方は?
古語「御行」の読み方は「みゆき」です。現在では「御幸」の表記が一般的ですが、「御行」の表記も誤りではありません。
古語「御行」「御幸」とは平安時代に生まれた言葉で、身分の高い人物が自ら出向くさまを指します。
古語としての用法の場合は予備知識があれば文脈から判読できるため、前後関係に注目しましょう。
古語「御行」はどんな場面で使われる?
平安期の古文によると、貴族の中でも天皇・皇后・上皇といった最上位の身分の人物が出かける場面で「御行」の表現が使われています。
特に天皇が外出する際には「大御行」「大行幸」(おおみゆき)と表記し、「御行」「行幸」とも区別する形で表現していたようです。
まとめ
「御行」は、銀行とのやり取りがある方にとっての必須ワードです。
せっかく丁寧な言葉遣いを心がけていても「そちら様」「御社」などといった表現を使えば、失礼なだけでなく無知を晒すことになってしまいます。
古語としての意味も含めて「御行」の正しい使い方を身に付けましょう。