「過分な」の意味・使い方を解説!組み合わせフレーズ・類語・言い換え表現も紹介

過ぎたるもの・身に余るといった意味合いで「過分な」と表現する場合があります。

「過分な」を使う状況は、主にかしこまった場面が前提です。使い方次第では悪い印象を与える場合もあり、正しい知識が欠かせません。

当記事では「過分な」の意味・使い方・類語などについて解説します。ぜひ最後までお読みください。

この記事の内容

「過分な」の意味を紹介!

「過分な」の意味を紹介!

「過分な」を文字通り解釈すると、過度な・オーバーなといったようなネガティブな意味だと思いがち。実際のニュアンスは少し異なります。

具体的な意味について紹介しますので、以下をご参照ください。

「過分」の意味は「ひとかたならぬ・身に余る」

「過分」とは、「ひとかたならぬ・身に余る・もったいない」といった意味合い。身分不相応の報い・扱いに対して恐縮する気持ちが含まれます。

「過分」の語句自体は敬語ではないものの、目上の相手とのやり取りを前提とする状況で使われるのが一般的。

品詞は名詞・形容動詞の2種類です。

「過分な」は形容動詞としての活用形

「過分な」は形容動詞の活用形。

「過分なお言葉・過分なお心遣い」といったように、、目上の人物から与えられたものを言葉として表す使い方が一般的です。

「過分な」と「過分なる」の違いは?

「過分な」と同じ意味を表す表現として、「過分なる」が挙げられます。

「過分なる」は「過分な」よりもやや古めかしい言い回し。文書・挨拶・スピーチなど、改まった場面で使われるのが一般的です。

「過分な」の使い方を解説!

「過分な」の使い方を解説!

紹介した意味を踏まえ、「過分な」の具体的な使い方についても解説します。詳細は以下の通りです。

「過分な」はお礼や感謝の気持ちを伝える時に使う

「過分な」を使うのは、主に目上の人物に対してお礼・感謝の気持ちを伝える場面です。

先述した通り「過分」には過ぎたるもの・身に余るといった意味があり、恐縮する気持ちが含まれます。

というのも、目上の人物からの厚意を受け取る状況があるからです。大事なポイントなので必ずチェックしましょう。

「過分な」の使い方と注意点

「過分な」を使えるのは、好意的なニュアンスを表す場面のみです。

たとえば「過分な光栄」は身に余る光栄と同義であり、不相応なほどありがたい報いを得た意味を表します。

反対に、「過分な指導」「過分な叱責」のような否定的な意味合いでの使い方は避けましょう。

「余計な・余分な・おせっかいな」といったネガティブな意味として扱われるため、本意でなくとも相手に不快な印象を与えてしまいます。

「過分」と組み合わせて使うフレーズを紹介!

紹介した意味・使い方を踏まえ、「過分」と組み合わせて使うフレーズをチェックしましょう。代表的なフレーズは以下の3つです。

過分なお心遣いをいただき恐縮です

「過分なお心遣いをいただき恐縮です」とは、身に余るほどの配慮に恐縮する気持ちを表す言い回し。

たとえば予想外の贈り物・想定を上回るほどの報酬などを受け取った場合に適合します。

過分なお言葉を賜り

「過分なお言葉を賜り」は、身分の高い人物から身に余る言葉をかけられたといった意味合いです。

「お言葉を賜る」は一般的な先輩・上司に対して使う表現ではなく、皇族・王侯貴族のような身分の高い人物を前提とします。

まとめると、普段接する機会のない高位の人物から、直接ありがたい言葉を投げかけられたといったニュアンスです。

過分なお祝いを頂戴し

「過分なお祝いを頂戴し」は、身の丈に合わないような祝いの品を受け取り、恐縮している気持ちを表すフレーズです。

業務遂行・任期満了・記録更新といった節目・成果に対し、不相応なほどに価値の高い報奨金・贈呈品などが供される場合が該当します。

「過分な」の類語・言い換え表現は?

基礎知識を踏まえ、「過分な」の代表的な類語・言い換え表現を考えましょう。代表的なものは以下の通りです。

身に余る

「身に余る」は身分・立場を上回るほどの、といった意味合い。

「自分のような身分のものにはもったいない」のように、相手に対してへりくだった気持ちが含まれます。

ひとかたならぬ

「ひとかたならぬ」はただならぬ・並でないといった、特別であるさまを表す一言です。

やや古めかしい言い回しであり、主にかしこまった場面や文書で使われます。

本来は否定的な意味でも使える語句であるものの、「過分な」と同様に好意的な意味での用法が一般的です。

もったいない

「もったいない」は、目上の人物からの厚意に対して恐縮するさまを表す一言。浪費を控える・節約する意味での用法とは区別します。

「もったいないお言葉」のような組み合わせで使のが一般的です。

分不相応

「分不相応」とは、身分相応でない・身の丈に合わないといった意味合い。「分相応」の反対語です。

感謝を表す気持ちとしては適切でない場合があるため、対面ではなく客観的に表現する際に使いましょう。

僭越な

「僭越」とは、身分・立場を越える・出過ぎた振る舞いをするといった意味合い。

「過分な」と同様、「僭越な」は形容動詞の活用形として使われます。

書き言葉よりも話し言葉として使われるものの、やや堅苦しい表現であり特別な場面以外には不向きです。

「過分な」を使った例文3選!

紹介した基礎知識を踏まえ、最後に例文を3つピックアップします。参考にお役立てください。

例文

過分なお誘いをいただき、まことにありがとうございます。喜んで出席させていただきます。

例文

先日は過分なおもてなしをいただき、まことにありがとうございました。

例文

過分なお心遣いを賜り、厚く御礼申し上げます。気持ちばかりの品をお返しさせていただきますので、ご笑納ください。

まとめ

「過分な」は注意点こそあるものの、日本語らしい機微に富んだフレーズです。

特に人と接する機会の多い方は、正しく運用できると好印象を与えられます。

当記事を参考に、「過分な」を適切に活用しましょう。

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