思考中・思案中であるさまを説明する際、「考えています」と表現しますよね。
一方で「考えています」には意思表示の意味もあり、思考中・思案中である旨とは限りません。たとえば志望理由書・面接の中で「考えています」と述べれば、意思表示とみなされます。
当記事では「考えています」の意味・使い方・組み合わせフレーズなどを紹介しますので、ぜひご一読ください。
「考えています」の意味を解説!
最初に、「考えています」とはどんな意味の語句であるかを解説します。詳細は以下の通りです。
思考中・思案中である旨を伝える
ストレートに解釈すれば、「考えています」とは思考中・思案中である旨を述べる語句です。
考えを巡らせている最中であり、結論が出ていないさまを表します。
意思を表す
「考えています」には意思表示の意味もあります。胸中を表に出し、自分の志向・希望などを伝えるための表現です。
思考中・思案中である旨を表す使い方とは方向性が異なるため、要注意。
ちなみに志望理由書・面接といった就活における「考えています」は、意思表示の手段として認められています。
「考えています」の使い方を紹介!
紹介した意味を踏まえ、「考えています」の使い方を考えましょう。主な状況として、就活・ビジネス・疑問形の3つをピックアップします。
就活
先述したように、「考えています」は就活で使える表現です。具体的な場面として志望理由書・面接の2つに分けて解説します。
志望理由書
就活における書類選考には履歴書・ES(エントリーシート)以外に、志望理由書の提出が定められている場合があります。
志望理由書の中で自分の意思・希望を述べる際、には、最後に「考えています」と結ぶのが一般的です。
面接
面接では試験官からの質問に対して受け答えする際、最後に「考えています」と結ぶ使い方が認められています。
思考中・思案中であるさまを表すのでではなく、自分の考え・思いを伝えるための表現です。
「考えています」の言い回しが許容される理由として、面接の問答には断定できる定まった正解が存在しない点が挙げられます。
上記の前提で自分の意思・意見を伝えるためには、「考えています」の表現が妥当です。
ビジネス
ビジネスシーンで「考えています」を使うケースは、アイデアの発表・方向性の打ち出しといったものが代表的です。詳細を解説します。
アイデア・コンセプトの表現・発表
ビジネスシーンで「考えています」を使うケースとしては、試案段階のアイデアを表に出す・発表するといったものがあります。
たとえば商品コンセプトの策定や販売企画のプランニングを行うような場合は、アイデアを出しあうプロセスが欠かせません。
意思表示よりも、思案中・思考中の意味として「考えています」を使う場合に該当します。
方向性の打ち出し・ディレクション
「考えています」は、方向性の打ち出し・ディレクションに使われる言葉の1つです。
管理職・責任者といった指示・命令を出す立場
の人物が、部下に「考えています」と伝える状況を想定しましょう。
部下としては、上司の意向に沿ったアクションを起こすのがセオリー。
指示・言葉として不完全な内容であったとしても、上司による「考えています」は方向性を示す行為と考えられます。
疑問形で問いかけに使える
「考えています」は問いかけの言葉としても有用です。
たとえば「どのように考えていますか」と発言すれば、相手の意向を尋ねる質問として使えます。
面接における質問の様式としても一般的で、「当社の経営理念について、どのように考えていますか」といったような使い方が代表的です。
「考えています」の組み合わせフレーズをチェック!
紹介した意味・使い方を踏まえ、「考えています」と組み合わせて使われるフレーズをチェックしましょう。
3つの場合に分け、主なフレーズを紹介します。
意思・意向を表す場合
「考えています」は組み合わせ次第で、意思・意向を表します。主な表現は以下の3つです。
以上のように考えています
自分の意見・意向を述べた後、「以上のように考えています」と添えれば結びの一言として使えます。
話が長くなる場合・項目を分けて話す場合などには結びが不明瞭になりがち。
最後に「以上のように考えています」と添えると、話の終わりが明確化されます。
第一に考えています
「第一に考えています」は、優先事項・希望条件などを伝える一言。選択肢が与えられた場合の返答に使われます。
代表的な用例としては面接が挙げられますが、そのほか「安全第一」のような方針を打ち出す場合の一言としても有用です。
~したいと考えています
「~したいと考えています」は、意思・意向・希望などを表す一言。
思案中である旨を表すほか、希望・要望などを表す場合にも有用です。
責任者・管理職などが部下に対して発言した場合は、方向づけ・ディレクションの一言とみなされます。
思案中である旨を表す場合
「考えています」は、組み合わせによっては思案中の段階で結論が出ていない旨を表します。
具体的な組み合わせフレーズは以下の通りです。
~してよいものか考えています
「~してよいものか考えています」は、判断を決めかねる状況を伝えるための一言です。
具体的な行動・プランは描いているものの、実行に移すべきか悩んでいる場合に使います。
~すべきか考えています
「~すべきか考えています」は、「~してよいものか考えています」に近い感覚で使えるフレーズです。
「~してよいものか考えています」と比べると思案の段階で留まるニュアンスが含まれ、具体的なアクションを起こさずに終わる場合もあります。
質問・問いかけの場合
「考えています」を疑問形の言葉と組み合わせると、質問・問いかけのフレーズとして使えます。代表的なフレーズは以下の2つです。
どのように考えていますか
「どのように考えていますか」は、論点についての意見をうかがうための問いかけ。
インタビュアーによる使い方が代表的で、「~についてどのように考えていますか」と投げかける場合が多いです。
~と考えていますか
「~と考えていますか」は、主に質問者が論点を設定し、回答者からYESもしくはNOの答えを引き出すための質問です。
回答者の意見そのものを引き出すよりも手短に済む場合があるため、適切な論点を設定すれば合理的です。
「考えています」の言い換え表現は?
「考えています」にはいくつかの言い換え表現があります。代表的な言い換え表現は以下の4つです。
考えております
「考えております」は「考えています」よりも丁寧の度合いが高い敬語表現です。
補助動詞「おります」は、謙譲語「おる」+丁寧語「ます」の連続敬語。
非常に丁寧な言い回しであるため、面接のように目上の相手と話す場合に使うのが妥当です。
思案中です
「思案中です」は、結論が出ておらず考え中である旨を表す言い回し。
「考えています」は複数の使い方に分かれるため、状況によっては「思案中です」と伝える方が明快な場合もあります。
構想を練っています
「構想を練っています」は、アイデアを練っている最中であるさまを表す一言です。
「考えています」だけだとニュアンスが伝わりにくい場合、構想の作業に取り組んでいる旨を伝えられます。
検討中です
「検討中です」は、最終判断の前に検討しているさまを表す言い回しです。
既に検討の段階に入っているため、未着手ではない・進行中である旨を伝える意味合いも含まれます。
「考えています」の例文3選!
紹介した知識を踏まえ、「考えています」を文章の中に組み込んでみましょう。例文を3つ紹介します。
例文
部活動で培った協調性とバランス感覚を、人事の業務に役立てたいと考えています。
例文
「10年後、当社でどのように活躍したいと考えていますか」
「10年後には若手ではなくなっているので、若手社員と幹部の方々の橋渡しとして、どちらからも頼られる存在になりたいと考えています」
例文
「部長、先週面接した山田君については、どのように考えておられますか」
「うん、内定の方向で考えています」
「おお、やはり。感触良かったですよね」
「本人の意向が気になりますけどね」
「考えています」の英語表現
最後に、「考えています」の英語表現を2つ紹介します。
“I’m thinking about it.”
(考え中です)
“It is under consideration.”
(検討中です)
まとめ
「考えています」は、場面によってさまざまな意味で使われる一言です。
自分の意思・状況を伝えるだけでなく、質問・問いかけの言葉としても使えます。
当記事で紹介した内容を元に、「考えています」を正しく活用しましょう。