年始や別れといった区切りのタイミングに、「今後のご活躍を」と声がけする場合がありますよね。
相手の活躍を願う気持ちを込めた言い回しである一方、注意点もあります。使い方・場面によっては失礼にあたる場合があり、安易な気持ちでは使えません。
当記事では「今後のご活躍を」の意味・使い方・注意点のほか、言い換え表現なども紹介します。ぜひご一読ください。
「今後のご活躍を」の意味を解説!
そもそも、「今後のご活躍を」とはどのような意味のフレーズなのかを解説します。詳細は以下の通りです。
「ご活躍」は尊敬表現
「今後のご活躍を」は一部省略したような言い回しであるものの、敬語表現に該当します。
というのも、「ご活躍」は尊敬語であるため。名詞「活躍」に尊敬の接頭語「ご」を付けた表現です。
「今後のご活躍を」は短い一言であるものの、目上の相手を想定したフレーズだと結論付けられます。
目上の相手に向けて贈る言葉
先述したように、「今後のご活躍を」は目上の相手に向けて使う一言です。
別離を前提としたはなむけの言葉や、年始・年頭といった節目に合わせて贈る言葉として使われます。
「今後のご活躍を」の使い方を紹介!
紹介した意味を踏まえ、「今後のご活躍を」の使い方についてもチェックしましょう。
折目・節目といったタイミングのほか、組み合わせのフレーズとして使う場合の2通りに分けて紹介します。
折目・節目に使うのが一般的
「今後のご活躍を」の一般的な使い方は、先述したような別離・時節のタイミングに合わせる用法です。
退職・転勤といった別れ
前提として何らかの別離が予定されており、今後は活躍のさまを間近で見られなくなる状況が想定されます。主な用例を紹介します。
就任・昇進など
会社内での就任・昇進といった節目に合わせて「今後のご活躍を」と声がけする用例があります。
就任・昇進した相手に対し、新しいポジションでの活躍を願う一言です。
時候の挨拶
暑中見舞い・お歳暮といった時節の贈答を行う際には、挨拶の一言を添えるのがマナー。
いわゆる時候の挨拶であり、相手の近況・体調などを気遣う一言が必要です。「今後のご活躍を」と添えれば、結びの一言としてもまとまります。
挨拶状のような文書の場合は、省略せずに「今後のご活躍をお祈りします」のように文末まで整えましょう。
年始の挨拶
「今後のご活躍を」は年始の挨拶にも適しています。
年の初めであり、誰にとっても新たなスタートを切る節目のタイミングだからです。
年賀状の中で使いたい場合は、書き言葉として省略せず「今後のご活躍をお祈りします」のように文末まで整えましょう。
組み合わせフレーズにする場合が多い
書き言葉の用例で紹介したように、「今後のご活躍を」は組み合わせフレーズで運用する場合が多いです。
具体的には「今後のご活躍をお祈りしています」「今後のご活躍を期待しております」などが挙げられます。
「今後のご活躍を」の注意点をチェック!
「今後のご活躍を」は、場面・使い方次第で相手に悪い印象を与える場合があります。主な注意点は以下の通りです。
不自然なタイミングでは使わない
不自然なタイミングで「今後のご活躍を」と発言すると、相手の気分を害してしまう場合があります。
たとえば昇進・時節といった節目でもないタイミングで「今後のご活躍を」と伝えると、聞かされる側とすれば脈絡が感じられず困惑してしまいます。
場合によっては別れの挨拶と誤解されたり、努力不足を指摘したものと解釈されたりする可能性もあるため、要注意です。
組み合わせのフレーズに注意
「今後のご活躍を」と他の言葉と組み合わせて使う場合、尊大にならないように配慮する必要があります。
たとえば「今後のご活躍を期待しております」のような言い回しは、目上の相手には適していません。
「活躍を期待する」は上司・先輩などが目下の相手に対して使う表現であり、目上の人物に対する言い回しとしては不適切です。
病気・不調の相手には使わない
病気・不調の相手に向けて「今後のご活躍を」と声がけしてはいけません。
活躍できない状態を前提に発言したニュアンスがあるため、皮肉・嫌味だと解釈されてしまいます。
激励のつもりで声がけする場合でも、別の表現を選ぶようにしましょう。
「今後のご活躍を」の組み合わせフレーズを紹介!
基礎知識を踏まえ、「今後のご活躍を」の組み合わせフレーズをピックアップします。主なフレーズは以下の3つです。
今後のご活躍を陰ながら応援しております
「今後のご活躍を陰ながら応援しております」は、気持ちの上で応援しているといったニュアンスを表します。
直接的な支援を行えない状態が前提であり、住まいが遠い・引退しているといった立場の人物が使うのが一般的です。
今後のご活躍をお祈りしております
「今後のご活躍をお祈りしております」は、別れ・はなむけの言葉として使われるフレーズの1つ。
今後会う機会がないと予想されるため、最後に活躍を祈る旨を伝えようとする一言です。
今後のご活躍を心より祈念しております
「今後のご活躍を心より祈念しております」は、「今後のご活躍をお祈りしております」と同じニュアンスを表します。
トーンとしては「今後のご活躍をお祈りしております」よりも丁寧であり、より格式ばった場面に適した表現です。
「今後のご活躍を」の言い換え表現
紹介した知識を踏まえ、「今後のご活躍を」の言い換え表現を考えましょう。代表的な表現は以下の3つです。
これからのご活躍を
「これからのご活躍を」は、「今後のご活躍を」と同じトーンで使える表現です。
たとえば先輩を送り出す際、これからのご活躍をお祈りしています・応援していますといった言い回しをすれば、はなむけの言葉として喜ばれます。
いっそうのご活躍を
「いっそうのご活躍を」は、「今後のご活躍を」と同様に節目に合わせて使うフレーズです。
はなむけの言葉よりも年始・年頭の挨拶に相応しく、相手の飛躍を願う気持ちを伝えるのに適しています。
ますますのご発展を
「ますますのご発展を」は、「いっそうのご活躍を」と同義の表現です。
やや堅苦しい言い回しであり、書き言葉として使われるのが一般的。
口頭で使う場合は、行事・式典におけるスピーチのように儀礼的な場面に適しています。
「今後のご活躍を」の例文3選!
「今後のご活躍を」を実際の文章に組み込んで運用する場合を想定しましょう。例文を3つピックアップします。
例文
「先輩、お世話になりました。今後のご活躍をお祈りしています」
「おお、何だいかしこまって。まぁ、僕が抜けた分しっかりやりなよ!」
例文
「吉田さん、昇進おめでとうございます。今後のご活躍を期待しております」
「もったいないお言葉、ありがとうございます。いっそうお役に立てるように頑張ります」
例文
昨年は大変お世話になりました。なかなかお会いする機会がなくなるのは残念ですが、今後のご活躍を陰ながら応援しております。
「今後のご活躍を」の英語表現
「今後のご活躍を」の代表的な英語表現は以下の通りです。
“I wish you the best of luck.”
(今後のご活躍を願っています)
“We look forward to your continued success.”
(今後のご活躍を期待しています)
まとめ
「今後のご活躍を」は常用するものではありませんが、折に触れて使う必要のある一言です。
使い方によっては非礼に当たる場合もあるため、正しい知識に基づいて運用しましょう。