「来られる」の意味・使い方を紹介!可能形・受身形の用法もわかりやすく解説!

「来る」の活用形「来られる」は、敬語・可能・受身といくつもの意味を持つ言葉です。

人によっては敬語以外での使い方を知らなかったり、他の表現で言い換えていたりする場合もあります。

以上を踏まえ、当記事では「来られる」の意味・使い方・注意点のほか、適切な言い換え表現についても解説します。ぜひ最後までお読みください。

この記事の内容

「来られる」の意味を紹介!

「来られる」の意味を紹介!

先述したように、「来られる」には敬語表現・可能形・受身形と3つの意味があります。詳細は以下の通りです。

敬語表現の場合

敬語表現の「来られる」は、目上の人物がやって来るさまを丁寧に表す意味合い。

敬語分類は尊敬語で、「お見えになる・お越しになる」などと同義です。

可能形の場合

可能形の「来られる」は、「来ることができる」の意味合いです。

「来ることができる」だと字数が多く間延びした印象を与えるため、場合によっては「来られる」の方がスマートな印象を与えられます。

一方で尊敬語の「来られる」と区別しづらい場面もあるため、状況に応じて別の表現に言い換えましょう。

受身形の場合

受身形の「来られる」は、主に来客の受け入れ・不意な訪問を受ける場合などに使われる表現。
第三者がやって来るため、迎える形になるさまです。

「やって来られる・やって来られた」のように補足するとわかりやすくなる場合があります。

敬語「来られる」と「参る」の違いは?

敬語「来られる」と「参る」の違いは?

動詞「来る」を原型とする敬語表現の1つ、「参る」があります。

「参る」は謙譲語であり、目上の相手がいるところへ参じる・参上するといった意味を表す言葉です。

「参る」はあくまで自分が主体であり、へりくだる性質を含む語句。一方、尊敬語の「来られる」は目上の相手がやってくるさまを丁寧に表します。

「来られる」の使い方を解説!

紹介した意味を踏まえ、「来られる」の具体的な使い方・注意点を確認しましょう。詳細は以下の通りです。

「来られる」の主な使い方

先述の通り、「来られる」には敬語表現・可能形・受身形と、全3つの用法があります。

敬語表現は可能形・受身形と比べて使われやすく、ビジネスシーンでの使用も珍しくありません。

同じ尊敬語でも「おいでになる・お越しになる」といった表現と比べて平易な響きがあり、聞く側も堅苦しく感じにくいです。

一方、可能形・受身形の用法は敬語表現と比べてややとっつきにくく、特に若年層ほど使わない傾向があります。

「来られる」の注意点

「来られる」の可能形・受身形は使われにくい分、誤用しやすいため要注意です。主な誤用例・対策をあわせて紹介します。

●「来れる」は間違い?
「来る」の可能形を「来れる」だと解釈する例がありますが、日本語表現として正しくありません。
いわゆる「ら抜き言葉」の典型例であり、「起きられる・食べられる」を「起きれる・食べれる」などと誤用するのと同様です。

●言い換え表現を活用しよう
「来れる」のような誤用が起きる理由として、敬語表現以外に「来られる」を使う機会が少ない点が挙げられます。
そもそも「来られる」に複数の意味用法がある点は、多くの方に意識されているとは言えません。

上記を踏まえ、「来る」の活用形として可能・受身の意を伝えたい場合は、同義の言い換え表現で対応するのも効果的です。

「来られる」の類義語・言い換え表現もチェック!

「来られる」の代わりに類義語・言い換え表現を使うと、時として「来られる」よりも通じやすい場合があります。

敬語表現・可能形・受身形に分けて紹介しますので、参考にお役立てください。

敬語表現の場合

敬語としての「来られる」の主な類義語・言い換え表現は、以下の4つです。

●「お越しになる」
「お越しになる」は「来る」の尊敬語。山を越す・川を越すといった足労の意味を込めた表現です。
外部の相手を客人として受け入れる場面が一般的で、目上でも社内の身近な人物がやってくるような場合には使いません。

●「お見えになる」
「お見えになる」は、目上の人物が姿を現すさまを述べる一言です。
言葉通りだと自分が視認するさまのように思われるものの、あくまで「来る」の尊敬語に当たります。
「お~になる」で一組の尊敬表現であり、「お見えになられる」のような二重敬語には注意が必要。
ちなみに、「お越しになる」とは異なり社内の相手に対して使うのも問題ありません。

●「おいでになる」
「おいでになる」は、「来る」「居る」の尊敬表現。「来られる」の意味に近く、外部・内部の相手ともに使えます。
「お見えになる」と同様に、「お~になる」で一組の尊敬表現です。

●「いらっしゃる」
「いらっしゃる」は「来る」「居る」の尊敬表現です。
「お~になる」の言い回しを使わない分、回りくどくなくシンプルな印象を与えられます。また一言で済む分、誤用のリスクも少ないです。

可能形の場合

「来られる」の可能形は、場所や状況に合わせて適切に言い換えると効果的です。

たとえば社屋・店舗などを前提とする場合は、「来社できる・来店できる」といった表現が可能。

アルバイトのシフト・ヘルプなどを前提とする場合は、「出勤できる」のように言い換えてもOKです。

特にビジネスシーンにおいては「来る」行為が何を指すか不明瞭な場合もあるため、場合によっては具体性を伴う表現に言い換える方が親切と考えられます。

受身形の場合

「来られる」の受身形についても、可能形の対応法と同様に具体性を伴う表現に置き換えましょう。

たとえば「来客予定」「緊急の来客」といった言い方なら、来客に伴ってスケジュールが埋まった状況が明らかになります。

「来られる」の例文3選!

紹介した知識を元に、「来られる」を使った文章を考えてみましょう。例文を3つ紹介します。

例文

15時にOBの吉田さんが来られる予定です。

例文

「アポなしで急に来られても困るよ」
「とっともお得なイベントですよ」
「いや、セールスでしょ。要らないって」

例文

「今度の日曜日、家に来られるかい?」
「はい、OKですがどうされましたか?」
「ちょっとネット回線接続の設定をお願いしたいんだよ」
「なるほど。お任せください」

「来られる」の英語表現

最後に「来られる」の英語表現を2つ紹介します。

・come
“I’m glad to hear that you will be able to come.”
(あなたが来られる旨をお聞きし、とても嬉しいです)

・be coming
“If you are coming over, let me know.”
(来られる場合は、お知らせください)

まとめ

「来られる」は尊敬語としての用法が広く知られている一方、可能形・受身形の使い方でつまづきがちです。

聴き取り時には前後関係から判断したり、話す際には言い換え表現を使ったりして適切に対応しましょう。

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