作家でなくても、文章を上手に組み立てなければならない場面は多々あります。
例えば、プレゼンの資料作成を任された、同僚の結婚式でスピーチを頼まれたといった場合です。
文章が苦手だという人にぜひオススメしたいのが、それを作文と思わずメモの組み合わせと考えて取り組むことです。
ここでは、文章を組み立てる際の上手なメモの使い方について考えます。
伝えたいことをメモに箇条書きする
パソコンに向かってソフトを立ち上げ、とにかく書き始めるというのも一つの方法ではあります。
しかしそうすると、作成の途中で行き詰まり、段落ごとに順序を変えるため切り貼りを繰り返したり、入力と削除を繰り返してしまいがちです。
その点、早く書き始めたい気持ちをグッと抑えて、書きたいことを箇条書きにするつまりリストアップすることは、かえって早く書き上げるための近道になります。
メモを元に構成を考える
小学校の頃から教えられる作文。夏休みの読書感想文、参観日に読むために保護者について書く作文、弁論大会の原稿など、成長するに連れてより長く、そして重いテーマで書くよう求められてきました。
そしてその際、起承転結を意識して書くよう教えられたのではないでしょうか。
起承転結とは中国の漢詩の構成のことですが、日本の中学校までの教育では、作文を書く際のベースとしてよく馴染んでいるようです。
中には、起承転結で文章を書くことはできないという意見もありますが、ここで大切なのは構成を考えるということです。
リストのメモから、書き出し、途中、結論の最低3つを取り出して組み立てることで文章を作流ことができます。
最初に何を書くか
文章の最初に何を書くかはとても重要です。わかりやすく簡単に書きたいなら、結論から書きましょう。
リストアップしたメモから結論を抜き出して最初に書きます。読む人を引き付けるような文章を書きたいなら、最初に問題を提起すると好奇心を煽ることができます。
他にも、最近の出来事や現在の実情などを書いて、次の段落で発展させる方法もあります。
のびのびと書く
文章の途中部分は、のびのびと書きましょう。添削という言葉があります。
これは他人が作った文章を読んで、書き加えたり削ったりする作業のことを言いますが、自分で作った文章にも自分で添削を施すことができます。
テーマに沿っていれば、思う存分書いてその後、自分で添削をすれば良いのです。最初から形式に囚われていると、書くことを十分楽しむことはできません。
書きたいだけたくさん書いて、後で見直した時に、突拍子もないものや無駄な表現などを間引き、必要な説明を追加することで、オリジナルの文章を完成させることができます。
結論はしっかりと
最後に取り出すメモは結論です。文章を書く上で一番大切なのは、書きたいことが伝わること。
この文章を通して自分は何を伝えたいのか、もし最初に結論から書いている場合も、最後の段落に必ず含めましょう。
結論を書くときには、「これらのことから」とか「これまで考えたように」と結論の文章に繋げることができます。
また、文章全体の途中で何度か結論や要点を述べるという方法もあります。
例えば、同僚の結婚式のスピーチなら、その同僚の優しい人柄を伝えるために、エピソードをいくつか紹介し、その都度、スピーチの要点である「同僚は優しい人だ」ということを述べます。
結婚式のスピーチの場合、最後はお祝いの言葉で締めるので、この方法が良いでしょう。
文章をしっかりと結論まで導くためにも、最初に作ったリストのメモが役立ちます。話が逸れそうになったらリストを見直し、適度な場所で軌道修正しましょう。
まとめ
文章を書くことを難しく感じている人も、まず書きたいことをメモに箇条書きにし、構成を考え、テーマに沿ってメモを組み合わせる作業を行うことで、上手に仕上げることができます。
まるで会社の仕事のように段取り良く作業することができれば、成果としてスピーチやプレゼン資料が出来上がるというわけです。
それでも、文章を書くことは根気のいる作業でもあります。煮詰まった状態でさらに煮詰めてしまうと、良いものはできません。そんな時はひと休みして、全く別のことをしたり、続きは翌日にするなどして、客観的な視点を取り戻しましょう。
仕事だけでなくプライベートでも私たちの身近にあるメモ。自分の気持ちや考えを上手に伝えながら人生を歩めるよう、根気強く書く事に取り組みましょう。