「努めてまいります」の意味・使い方を解説!履歴書・謝罪など場面別の用例も紹介!

所信照明・就任挨拶・謝罪会見といった場面で、当事者が「努めてまいります」と述べる場合がありますよね。

意味そのものは難しくないものの、表記・使い方には注意が必要。場合によっては悪い印象を与えてしまう可能性もあります。

「努めてまいります」の意味・使い方を解説!履歴書・謝罪など場面別の用例も紹介!

当記事では「努めてまいります」の正しい意味・使い方・組み合わせフレーズ・言い換え表現などを解説しますので、ぜひ最後までお読みください。

この記事の内容

「努めてまいります」の意味を紹介!

「努めてまいります」の意味を紹介!

はじめに「努めてまいります」の意味と、同音異語「務めて」との違いについて解説します。詳細は以下の通りです。

「努めてまいります」とは

「努めてまいります」とは、努力する・前向きに取り組むといった意思を表す一言。

原型は動詞「努める」であり、謙譲の補助動詞「まいる」+丁寧の補助動詞「ます」を組み合わせたフレーズです。

以上を踏まえ「努めてまいります」には、目上の人物に対して自らの姿勢を明らかにする・意思表示するニュアンスが含まれます。

「努めて」と「務めて」の違い

「努めて」は動詞「努める」の活用形です。一方、「務めて」は動詞「務める」の活用形に当たります。

「務める」とは、役務・任務・責務といった責任・役割などを担う行為。

「努める」が自発的に取り組む行為であるのに対し、「務める」は義務・責任を果たすための行為です。

「努めてまいります」の使い方を解説!

「努めてまいります」の使い方を解説!

紹介した意味を踏まえ、「努めてまいります」の使い方をチェックしましょう。詳細は以下の通りです。

履歴書の場合

履歴書の場合は志望動機や、職種・業務などに対する姿勢・意欲を述べる際に「努めてまいります」を使います。

たとえば、学生時代に身につけた資格・経験などを活かして取り組みたいといった趣旨のアピールをする場合、「~の経験を活かして努めてまいります」と結べばOKです。

ビジネスの場合

ビジネスシーンでは、就任挨拶・所信表明の際に「努めてまいります」と一言添える用法が一般的。

どのように取り組むか・どうやって貢献するかといった意思や意欲を表す機会であり、ポジティブで積極的な姿勢を表すのがスタンダードです。

謝罪・お詫びの場合

「努めてまいります」はいわゆる謝罪会見のような、謝罪・お詫びの場面でも有用です。

不祥事・ミスなどについてお詫びの言葉の述べつつ、「再発防止に努めてまいります」と結ぶくだりは半ば定型化しています。

「努めてまいります」の誤表記・誤用に注意!

「努めてまいります」には誤表記・誤用の例が少なくありません。注意すべき点をピックアップします。

「努めて参ります」の漢字表記はNG?

「努めて参ります」の漢字表記はマナー違反・失礼といった扱いではないものの、好ましくありません。

具体的には「参ります」の部分が該当し、理由としては文部科学省による定めが挙げられます。

具体的には、同音で動詞・補助動詞の用法がある語句については、動詞を漢字表記・補助動詞をひらがな表記にする必要があるというもの。

「参ります」を動詞として使用する場合は問題ないものの、補助動詞として扱う場合はひらがな表記する必要があります。

「努めて参りたいと思います」がNGの理由

「努めて参りたいと思います」の表現は二重の意味でNGです。

「参りたい」は補助動詞であるため、漢字でなくひらがなで表記するべき。「と思います」の表現は非主体的で、無責任な印象を与えてしまいます。

代替表現として「努めてまいります」もしくは「努める所存です」のように言い換えるとスマートです。

「努めてまいります」の組み合わせフレーズを紹介!

紹介した意味・使い方に基づき、「努めてまいります」の組み合わせフレーズを考えてみましょう。主な表現は以下の6つです。

精一杯努めてまいります

「精一杯努めてまいります」は就任挨拶・所信表明などの場面に適しています。

努力するだけでなく全力で取り組む姿勢も打ち出しており、非常に積極的な表現です。

一方で自らに課すハードルも上げる形になるため、プレッシャーを感じたくない場合は「努めてまいります」の表現に留めても構いません。

改善に努めてまいります

「改善に努めてまいります」はミス・不具合といったトラブル発覚・報告のタイミングで、再発防止に取り組む姿勢を表すための表現です。

問題の程度はミス・不具合に留まるレベルで、不正・不祥事といった大問題には適していません。

社内・社外のどちらに対しても使用可能です。

信頼回復に努めてまいります

「信頼回復に努めてまいります」は主に、企業・組織としての信頼を損なうような大問題が発覚した後、外部に向けて行う決意表明です。

多くの場合は不正・不祥事によるもので、品質管理・会計方法・企業統治などにおける重大な問題が該当します。

社内向けとして使う場合は事業所・部門といった大きな規模が前提であり、経営に直結するような事案が中心。

部署内の小さなミスや問題に対する表現としては、やや大げさです。

体調管理に努めてまいります

「体調管理に努めてまいります」は、健康上の深刻な問題・長期療養といった事案が生じた場合に適した表現。

職場復帰を果たした後、全体に向けて挨拶するような場面の一言として適しています。一方、風邪のように軽微な事案であれば不要です。

多くの職場において従業員が1~2日休む程度の事案は想定内であり、「体調管理に努めてまいります」と挨拶するには及びません。

お力になれるよう努めてまいります

「お力になれるよう努めてまいります」は所信表明・挨拶の一言です。

組織を牽引する責任者としては心許ない言い回しであるため、新入社員・派遣社員として配属されるような場合に適しています。

努めてまいりますのでよろしくお願いいたします

「努めてまいりますのでよろしくお願いいたします」は、「努めてまいります」につなげる形で挨拶を締めくくる一言です。

基本的には就任挨拶・所信表明の場面が該当し、謝罪・お詫びの場面には適していません。

前向きな姿勢を打ち出しつつ、挨拶を終えたい場合に使いましょう。

「努めてまいります」の言い換え表現もチェック!

「努めてまいります」の代表的な言い換え表現は以下の4つです。少しずつニュアンスが異なるため、順番に解説します。

精進してまいります

「精進してまいります」とは、雑念を捨てて一心不乱に取り組もうとする意思表示の言葉。

「精進」は元々仏道修行を指す語句ですが、仕事や勉学などに打ち込む姿勢としても使われます。

「努めてまいります」と比べると、自分自身を追い込むようなプレッシャーの強い表現です。

励んでまいります

「励んでまいります」は「努めてまいります」に近いニュアンスの言葉。

「励む」は鋭意取り組む・積極的に取り組むといった意味合いであり、「励行」とも言い換えられます。

どちらかといえば社内・身内に向けた挨拶の言葉に適しており、外部向けの場合は「努めてまいります」の方が適切です。

尽力いたします

「尽力いたします」は、力を尽くす旨を表すフレーズ。「尽力」とは力を尽くすという意味です。

新入社員のようにフレッシュな立場よりも、管理職・経営者といった責任の重い役職に就く際の挨拶として適しています。

謝罪・お詫びの場面でも使える表現です。

邁進いたします

「邁進」とは、目的に向かってひたすら突き進むこと。「邁進いたします」は決意表明・所信表明に適しています。

「邁進」の意味を踏まえると業務・責務・勉学の目標を達成するための姿勢として相応しく、謝罪・お詫びに関する表現としては不向きです。

主に責任者・役職者の就任挨拶として使われます。

「努めてまいります」の例文3選!

紹介した知識に基づき、「努めてまいります」を実際の文章に組み込んでみましょう。例文を3つ紹介します。

例文

この度、支店長の大役を任された竹田でございます。重責に負けず、皆さんから頼っていただけるように努めてまいります。

例文

〇月△日22時頃~21日5時頃までの間、当社サーバーがダウンしデータの送受信を行えない不具合が生じておりました。ユーザーの皆様にはご迷惑をおかけし、深くお詫び申し上げます。再発防止に努めてまいります。

例文

前職ではシステム開発業務に5年間携わっておりました。身につけたノウハウを活かし、御社の事業に貢献できるよう努めてまいります。

まとめ

「努めてまいります」は決意・意欲を表明するための一言です。使い方が不適切だと、聞き手の不安や不信感を招いてしまいます。

ぜひ当記事の内容を参考に、「努めてまいります」を正しく運用しましょう。

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