文書・メールなどの書き出しに、「お客様各位」と記述する場合があります。
「各位」は敬称である・「様」と重複した二重敬語だとの意見もあり、はたして使ってよいものか悩ましいですよね。
当記事では「お客様各位」の意味・使い方・敬語表現としての妥当性などを解説します。
「お客様各位」の意味を紹介!
「各位」は尊称の一種であり、「皆様」「おのおの方」などの意味合いを表します。
「お客様各位」の意味は、「お客様の方々」といったニュアンス。
「お客様の方々」だと敬称が重複していると考えられますが、現代語では許容されているのが実情です。
詳しくは後述します。
「お客様各位」は二重敬語?
文法上のルールに則ると、「お客様各位」は二重敬語です。
理由として尊称「様」+尊称「各位」が続いており、尊敬表現が重複している点が挙げられます。
一方で、「お客様各位」以外に適当な呼称がない点も見逃せません。
たとえば「お客各位」の呼称だと文法上はOKであるはずが、やや乱暴な印象を与えてしまいます。
次点では「お客様方」が考えられますが、宿泊施設以外では使われません。
以上の理由から、「お客様各位」の呼称は文法上二重敬語であるものの、問題ない表現として定着しています。
「お客様各位」の使い方を解説!
紹介した意味に基づき、「お客様各位」の使い方もチェックしましょう。詳細は以下の通りです。
店舗・掲示板などの張り紙
店舗・掲示板などの張り紙は、「お客様各位」が使われる代表的な媒体。
たとえば臨時休業日・営業時間の変更といった告知・お知らせは、人の目につきやすい場所に張り出されます。
張り紙でなく電子掲示板・モニター類の場合もありますが、基本的な位置づけとしては同じです。
メールの書き出し
「お客様各位」はメール文に使われる場合もあります。
具体例としてはECサイトや会員登録したショップのメールサービスが挙げられ、一括送信の形態が一般的です。
内容が割引・セールのようないわゆるお得情報の場合は例外ですが、重要なお知らせの際には「お客様各位」で始まる場合があります。
送付状・送り状
請求書類の送付状・贈答品類の送り状には、外部向けの改まったトーンで記述するのが一般的。
本来であれば送り先の個人名を記載するのがマナーですが、共通のフォーマットを利用して「お客様各位」で済ませる場合もあります。
「お客様各位」の誤用に注意!
「お客様各位」を使う際に注意すべき事項は以下の2点です。
①個人に対して使うのはNG
②役職者・特定の人物に宛てる場合には不向き
①について補足すると、「お客様各位」は複数名・大勢の対象を前提とする表記です。個人もしくは少人数の場合、「~様」の表記を選びましょう。
②のポイントは、「お客様各位」には不特定多数の意味がある点。悪い言い方をすれば、その他大勢のような響きがあります。
特に責任者・代表者といった要の人物を「お客様各位」に含めた場合、悪い印象を与える可能性があるため要注意です。
「お客様各位」の具体例・例文をピックアップ!
最後に「お客様各位」の具体例・例文をピックアップしますので、参考にお役立てください。
例文
お客様各位 いつも当店をご利用いただきありがとうございます。
店舗改装工事に伴い、下記の期間休業させていただきます。
何卒ご理解のほどお願いいたします。
例文
お客様各位 毎度お世話になっております。
ZZオンラインショップです。
11月1日より、毎年恒例のオータムフェアを開催いたします。
会員登録いただいている方にはフェア限定クーポンを配布しましたので、ぜひご利用ください。
例文
お客様各位 平素はお引き立ていただき、厚く御礼申し上げます。
この度、地域交流イベントとして納涼祭を開催いたします。
ご家族・ご友人をお誘いの上、ふるってご参加くださいますようお願い申し上げます。
まとめ
「お客様各位」は個人ではなく、企業・店舗といった団体が使用するフレーズです。
語句の性質上大勢を対象とする場合が多く、誤用は混乱を招きます。
当記事の内容を踏まえ、ぜひ「お客様各位」を正しく運用しましょう。