「アイドルタイム」の由来や意味を解説!サービス業では対策・コントロールできるかがポイント

ビジネス用語として使われるアイドルタイム。「アイドル」「アイドリング」など、これに近い言葉は日常生活の中でもよく聞かれます。

そしていずれもアイドルタイムと無関係ではありません。

要となっている英単語“idle”を糸口として、アイドルタイムの詳細を紐解いていきましょう。

この記事の内容

アイドルタイムの意味とは

まずは「アイドルタイム」の意味をチェックしましょう。

アイドルタイムとは「稼働時間外・遊休時間」のことで、端的にいうとオンタイムでありながらも仕事や作業をしていない時間帯のことです。

ひと昔前の言い回しだと「開店休業」の状態だといえばわかりやすいかもしれません。

英語のidleがアイドルタイムの由来

アイドルタイムの本質を理解するには、由来である英単語“idle”(アイドル)を紐解くのが一番の早道です。

“idle”とは自動車のエンジンなどを始動させてはいるものの、動力を伝えずに空回りで遊ばせている状態のことです。

「アイドリング」の由来にもなっている

“idle”の内容は日本語表現の「アイドリング」と同じです。

つまり、自動車などがアイドル状態にある様をアイドリングと呼ぶようになったのです。

なみに「アイドリングストップ」はアイドリングの派生語で、文字通りアイドリングをやめるという意味です。

併せて覚えておくとよいでしょう。

idle richという言葉もある

英語表現には“idle rich”という言葉もあります。

“idle rich”の日本語訳は「有閑階級」といったもので「遊んで暮らす富裕層」という意味合いです。

ただし蔑んだりけなしたりといったニュアンスが若干含まれるため、使用する際には注意が必要です。

総じて口語表現の言葉であり、ビジネス用語として積極的に使うことは避ける方がよいでしょう。

「アイドルタイム」の対義語は「ピークタイム」

アイドルタイムの対義語は繁忙期を意味する「ピークタイム」です。

ピークは英語単語“peak”のカタカナ語で、頂点・最高潮という意味があります。

ピークタイムとはお店や作業現場などの最も忙しい時間帯、すなわちフル稼働時間やかきいれ時を表すといえるでしょう。

「アイドルタイム」の類語・関連語

続いてアイドルタイムの類語・関連語をご紹介します。

まず類語ですが、日本語表現の「無作業時間」「遊休時間」が当てはまります。

次に関連語ですが、冒頭で述べた「アイドリング」が筆頭格といえるでしょう。

類語や関連語でも、アイドルタイムの持つ元々のニュアンスがぶれないのも特徴といえそうです。

アイドルタイムの使い方・会話例

アイドルタイムを実際に運用する場面を想定してみましょう。

例文をいくつかご紹介します。

例文

客商売の悩みとして、雨の日は客足が遠のきアイドルタイムが多くなる。

例文

アイドルタイムを有効活用し、従業員の教育にあてることにした。

例文

アイドルタイムを無駄な時間と捉えるか、それとも仕込みを行うための生産的な時間と捉えるかでピークタイムの結果が変わってくる。アイドルタイムを軽視してはならない。

よく使われる飲食店でのアイドルタイム対策

今度は飲食店におけるアイドルタイム対策を取り上げます。

上記の例文は正に飲食店にも当てはまる内容であり、ちょっとしたストーリーのような流れがあります。

そこで先の例文を踏まえ、飲食店におけるアイドルタイムを有効活用する状況をイメージしてみましょう。

飲食店で「アイドルタイム」はなくせない?!

大前提として、残念ながら飲食店において「アイドルタイム」を完全になくすことはできません。

お客さんのプライベートに関わる生活の都合やスケジュールをコントロールすることは不可能ですし、天候や交通事情などの外部要因も大いに作用します。

一方でアイドルタイムが一切なく、一日中接客や販売活動一辺倒という営業態勢だとどうなるでしょうか。

その場合、中長期的な計画を立てたり従業員の教育や新商品の開発を行ったりといった、成長戦略を描く時間を確保することができなくなってしまいます。

店舗運営者はアイドルタイムを単に敵視するのでなく、必要なコストと考えて有効活用するように発想を転換するのが望ましいでしょう。

「アイドルタイム」に「ピークタイム」の仕事をすませる

アイドルタイムを有効活用する方向で作戦を練ることにしましょう。

まずはピークタイムを万全の態勢で迎えるべく準備を整えることが肝心です。

具体的には備品・消耗品の類を補充したり、メニューの材料在庫をチェックしたりといった基本作業をきっちり済ませておくことが重要です。

特に人気メニューや新メニューに関しては多くの注文が予想されるため、手持ちの材料で何人前提供できるかといった見通しを立てておくことは必須でしょう。

そしてピークタイムに備えて、オススメの新メニューを売り込むためのセールストークを用意しても良いでしょう。

「アイドルタイム」に販促活動

アイドルタイムに販促活動を行うのも有効な手段です。

販促活動の方法は正に無限大で、シンプルなビラ配りから雑誌広告を出したりネット広告を出したりといった手もあります。

スタンプカードを作成してピークタイムに配布してもよいでしょう。

また、スーパーなどでは「雨の日セール」と称した限定セールがあります。

通常アイドルタイムに相当する時間帯に限定して価格のディスカウントや特典を付けるといった工夫をするのも有効でしょう。

「アイドルタイム」で新人教育をする

アイドルタイムはお客さんが少ない時なので、新人教育をするにはうってつけのタイミングです。

実際にフロアに立って基本業務や接客応対のシミュレーションを行う良い機会ですし、注意が必要な時もお客さんの目がなければその場で済ませてもよいでしょう。

戦力増強の好機として、アイドルタイムでの新人教育を活用しましょう。

「アイドルタイム」で清掃を徹底

ごくシンプルな方策ですが、アイドルタイムに清掃を行うのは非常に有効な活用法です。

当然ながらピークタイムに清掃を行うことはできませんし、ピークタイムでなくともある程度お客さんがいる時間帯であればお客さんの邪魔をすることはマナー違反となってしまいます。

タイミングによってはそもそも清掃のための人員を割くことも難しいでしょう。

飲食業および接客業において、お店の清潔感は極めて重要です。

お店を磨き上げることは評判の向上につながると考え、アイドルタイムでの清掃を徹底しましょう。

まとめ

アイドルタイムはサービス業全般につきものです。アイドルタイムをどのように活用していくかという課題は経営者としての腕の見せどころといえるでしょう。

一見ムダに見える時間をいかにうまく使うかという点はビジネスシーンにおける仕事術の根幹に関わるポイントです。

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