お客様からクレーム電話があった場合には、それがどのような内容であっても、一番大切なことは刺激することなく理解を示し共感することです。
クレーム電話は、お客様がその主張をひとまずすべて吐き出すという行為で、半分以上はスッキリしてしまったと言うことが多々あります。
ですので、話を遮ったり反論したりせずに、お客様の話を十分に聞き、理解して同調の応対をすることが重要です。
クレーム電話に対する同調の対応というのは以下の6項目が基本です。
その内容を整理しながら、いろいろな場面に応じて使い分けられるようになれば、クレーム電話も怖くありません。
フルに共感する場合
「本当におっしゃる通りです」という風に、 お客様の見解に全面的に同意するテクニック。
これは、お客様が電話口でかなり興奮してしまって収拾がつかない場合などの、高ぶった気持ちを静めるときに使うと効果があります。
「極めてそのとおりです」「お話されているとおりです」などのフレーズもあります。
ある程度共感する場合
「現時点で、 お客様がお話しなされたことについては理解できます」という風に、 お客様の見解に局所的に同調するテクニックです。
クレームの内容に、もっともな箇所とそうではない箇所が混在しているときに使います。
「という部分につきましてはよく理解できます」「今言われたことに対しては確かにその通りです」などのフレーズもあります。
推察的に共感する場合
「そのようなことが起こったとすれば、お話のとおりだと思います」という風に、お客様のクレームの内容が事実かどうか確認できていないときに「もしそうならば」と推察の上で同調するテクニックです。
お客様のクレームの内容のとおりであると断定は出来ないけれども、事実である可能性もある時に使います。
例文
「そのようなことが実際にあった場合は、その点はおっしゃるとおりです」
「そのことが現実だとすれば、まったくおっしゃる通りではないかと考えます」
状況的に共感する場合
「私自身がお客様の状況でしたら、そうなってしまうと想定します」という風にお客様の立場を考慮した上でクレームをお聞きする方法です。
お客様とクレーム内容を共有することで、相手に安心感を与えます。
例文
「自分自身がお客様の立場であったら、そうなってしまうと感じます」
「お客様ほどの体験がおありでしたら、そのようにお気持ちになるでしょうね 」
物理的に共感する場合
「そういった状況では、 当然そのようになると思います」という風に、ある条件の下においては、クレームの内容どおりになることに同調する方法です。
全面的な共感ではありませんが、お客様の話す内容のとおりなら、そうなってしまうと理解できる場合に使います。
例文
「そういう様な状況の下では、そのように想定されるのもご当然です」
「そのような場合には、正におっしゃる通りだと思います」
個人的共感
「個人的な考えとしては、お話のとおりと考えます」という風に、企業としてはっきりと結論を申し上げられないけれども、 個人的にはお客様の状況に共感していることを伝える方法です。
会社側としては結論をすぐに出せない、または要求に応えられないという場合に、それでも個人的にはお気持ちはわかります、というスタンスでいる場合に使います。
例文
「私の気持ち的には、お客様のお気持ちは理解できます」
「個人としては、お客様がお話しされているとおりだと考えます」
まとめ
クレーム電話の応対としては、まずはお客様の話をよく伺い共感することが重要と何度もお伝えしました。
しかし、一口で共感と言っても様々な共感があることはご理解いただけましたか?
全面的に共感して良いパターンもあれば部分的に共感したり、企業としてではなく個人的に共感したりと、いろいろな共感のパターンがあります。
細かくて最初はなかなか理解できないかもしれませんが、是非この6パターンの共感を身につけて、クレーム電話応対のスペシャリストになってください。