「オーソライズ」の意味や用法を解説!理解のポイントは「権限の有無」

オーソライズが取り沙汰される場面というのはある程度限られてきます。しかし、その意義や必要性は非常に大きく、企業や部門などの母体が大きくなるほど価値が高まる言葉です。

時としてオーソライズの有無は死活的な意味を持つ場合があるのです。

オーソライズの具体的な内容に踏み込んでいきましょう。

この記事の内容

オーソライズの意味とは?ビジネス用語やIT業界で活用

オーソライズの意味をチェックしていきましょう。

日常生活ではあまり馴染みのない言葉ですが、ビジネスシーンではしばしば登場することがあります。

オーソライズの英語「authorize」

オーソライズは英単語“authorize”に由来する言葉です。“authorize”は目的語に対して「権威を与える・権限を付与する・承認する・認可する」といった意味を持ちます。

つまりトップダウンの性質があり、上位者が下位の者に対して権限を与えるというニュアンスがある点を押さえておきましょう。

日本語では公認・許可・認証が一般的

オーソライズの語源を把握したところで、日本におけるビジネス用語としての用法をチェックしてみましょう。

日本語でオーソライズという時は一般的に、「公認・許可・認証」という意味で使われます。

一例を挙げると、社内稟議書のように権限を持った役職者による承認を伴う文書や資料等の回付・発行を行う際などに用いられます。

端的な例文で表すと「この稟議書は決裁担当の役員からオーソライズされたものであるか否か」という点が取り沙汰されるというわけです。

オーソライズの使い方を身近な例文でチェック

具体的な例文をご紹介します。

オーソライズを得る・取る・図るという3つの用例について、それぞれ一言ずつ解説します。

オーソライズを得る

例文

「私が進めていた新規商品の企画案が先程上層部からのオーソライズを得たため、正規に開発することになった」

新規商品の企画が権限のある役職者のオーソライズによって案から決定事項に格上げされたため、会社として正式に開発をスタートする運びになった状況を表現した例です。

オーソライズを取る

例文

「A君、例のプロジェクトについてだけど立案書はもうオーソライズ取れた?」
「すみません課長、まだです!」
「本当かい、急いでちょうだい!渾身の企画なんだよ!」

「オーソライズを取る」の大意は「オーソライズを得る」と同じですが、よりくだけた言い回しになります。

なお、ビジネスシーンにおいては「オーソライズを得る」と表現する方が丁寧といえます。

オーソライズを図る

例文

「従業員就労規程を改定し、4月1日より運用開始できるようオーソライズを図ろう」
「さっそく社員向けの告知が必要ですね」

「オーソライズを図る」とは、主に「共通認識を得る・決定事項として認識してもらう」といった意味合いです。

この用例は決裁や認可というよりも全社員に広く認識してもらうというニュアンスが強いため、解釈の仕方としては「認識の共有を図る」や「公認してもらう」というものが適切でしょう。

オーソライズとオーサライズ、コンセンサスの意味はそれぞれ違う?

オーソライズの他に「オーサライズ」や「コンセンサス」という言葉が使われる場合があります。

まず、オーサライズはオーソライズと同じ内容です。

元々の由来である“authorize”をカタカタ用語として輸入する際に発音を統一しなかった名残のようなもので、意味としては同じものを指しているという点を押さえておきましょう。

次に「コンセンサス」につきまして、こちらもオーソライズと同様で英単語“consensus”に由来するカタカナ用語です。

その意味は「意見の一致・総意・民意・合意」といったもので、一見するとオーソライズとよく似ています。

しかしコンセンサスはあくまで当該関係者の利害調整や意見の一致を図るのに対し、オーソライズの場合は、あくまで決裁権限のある責任者による承認・認可・決定の有無に争点が絞られます。

このためビジネスシーンにおいては、結果的にオーソライズと同じ状況が生まれることはあるにせよ、結果に至るプロセスには大きな違いがあるという点を押さえておきましょう。

またコンセンサスとの比較によって、オーソライズは必ずしも民主的な行為ばかりとは限らないという一面を知ることもできます。

オーソライズの類語や反対語

続いてオーソライズの類語や反対語をチェックしましょう。

ライセンスや特許は類語?

「ライセンス」とは、それがなければ違法の扱いになる行為を許可・合法化すること、もしくは許可を証する書面のことを指します。

ライセンスを単純に和訳すると「免許・許可・認可」といったオーソライズに近い言葉にまとめられますが、違法か否かを決定づけるものという点においてオーソライズとは本質的に異なることがわかります。

また、「特許」とは有用な発明に関して国が知的財産上の許可と管理を行うことを指します。

つまり、発明に関する許可を取り沙汰しない限りは使うことのない言葉ということがいえるでしょう。この点からもオーソライズとは意味が異なります。

「Unauthorized」の意味

オーソライズの反対語に当たる言葉は英単語“authorized”の対義語である“unauthorized”です。

「無許可の・認定されていない」などの意味ですが、実のところ日本語では特に「アンオーソライズド」といったカタカナ用語は流通していません。

このため同様の意味を表現する場合は「オーソライズされていない~」「オーソライズを得ていない~」といったように、否定の言葉を付加することによってオーソライズが未了の状態であることを表現するのが通例です。

オーソライズを用いた難関ワードをカンタン解説

最後に、オーソライズを用いた難関ワードを簡単に解説して締めくくります。

難関といっても元々は個別ワードの組み合わせなので、それぞれの単語を正確に理解できれば自ずと意味がつかめるはずです。順番に見ていきましょう。

オーソライズジェネリック(AG)

オーソライズジェネリックとは「許諾を受けたジェネリック医薬品」という意味です。

具体的には新薬を開発したメーカーからの許可を得て、製法等において新薬と同一の内容で製造したジェネリック医薬品を指します。

社内オーソライズ

社内オーソライズとは、社内で上司や責任者から権限を与えられている人間を指します。

1人の担当者ではなく、部門など組織を代表する人物か否かという行動責任を確認する際によく用いられます。

オーソライズド・ディーラー

オーソライズド・ディーラーとはいわゆる正規代理店のことです。

輸入商品を取り扱う代理店が、認可のもとで公明正大に商売をしていることをアピールする際に掲げられることが多いフレーズです。

まとめ

他のビジネス用語は日常使いでも流通することがしばしばありますが、オーソライズに関してはかなりビジネス色の強い言葉といえます。

やはりポイントは「権限の有無」という点に尽き、日常会話で使われる機会が少ない理由もここにあります。

オーソライズという言葉を運用する際には「権限」に注目するとわかりやすいかもしれません。

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