「レジュメ」の意味と意義とは?サマリーやアジェンダとの違いで見えてくる正しい使い方

要約やまとめの資料といえば、似たものがいくつか思い浮かびますよね。サマリー、アジェンダ、そしてレジュメ。当記事ではレジュメに焦点を絞ります。

レジュメといえば、真っ先に思い浮かぶのが教育機関における講義の資料ではないでしょうか。

実は教育現場以外でも、レジュメが使われる場面は存在します。

レジュメの意味や用法、場面ごとの用例などをみていきながら、正しい使い方をマスターしましょう。

この記事の内容

レジュメの日本語の意味とは?シーンによって使い方が違ってくる

レジュメは教育機関のほか、ビジネスや転職の分野でも利用されています。

それぞれの分野において、レジュメとはどういう意味の媒体なのでしょうか。

ビジネスシーンでのレジュメの意味

ビジネスシーンにおけるレジュメとは、発表内容の要約資料を指します。ビジネスシーンにおけるレジュメは主として文書の形態で、紙ベースであるのが特徴。

会議やプレゼンテーションの場で参加者に配布するケースが多く、要点を箇条書きにしつつ、目立つ形で結論を提示する要領が一般的でしょう。

要約資料といえばサマリーも同系統ですが、ビジネスシーンのサマリーとは主に図表を利用し、数値データや相関関係などを一目瞭然にまとめた資料を指す場合が一般的。

資料の形態もWebやプロジェクターを利用する場合があり、紙ベースとは限りません。

大学など教育や研究分野でのレジュメの意味

大学などの教育や研究分野におけるレジュメは、一言でいえば主題と結論を網羅したまとめ資料です。

サマリーが概況や概要を説明することに重きを置くのに対し、レジュメの場合はテーマについての主張や研究結果を簡潔にまとめることに重きを置きます。

レジュメは出席者や参加者に配布する場合がほとんどなので、必然的に紙媒体であるのも特徴です。

就職や転職でのレジュメの意味

就職や転職におけるレジュメとは履歴書・職務経歴書といった、職業人としてのキャリアを網羅した資料のことです。

転職支援サービス企業によっては履歴書・職務経歴書を統合して、キャリアシートと呼んでいる場合もありますよね。

就職や転職におけるレジュメとは、いわばキャリアシートに相当すると考えればよいでしょう。

シーン別レジュメの正しい使い方を例文でチェック

分野ごとのレジュメの意味や特徴を踏まえ、文章形式でレジュメを運用してみましょう。

ビジネスシーンの例文

「新企画のプレゼンはどんな風にやるつもり?」
「上層部に提案することを考えると、レジュメを配って説明するのがいいんじゃないかと思ってるんだ」
「サマリーじゃなくてレジュメ?」
「確かにサマリーは概況説明をするには最適なツールだよね。でも今回は企画を通すための場なので、箇条書きにして、二段論法ないし三段論法の形で結論に持っていく方が説得力が高いはずだ」

大学など教育や研究分野の例文

学会発表用の論文を書き上げたが、あまりに長大なので別途レジュメを作成した。論旨、骨子についてはレジュメに網羅済みだ。しかし骨子に関する数値データや根拠といった肉付けの部分は、論文の詳細を参照する必要がある。

就職や転職の例文

「転職エージェントに相談したら、転職活動を始める前にレジュメを作る必要があるっていわれたんだよ。」
「それって履歴書や職務経歴書を書けっていわれているのと同じだよ。それに転職エージェントだったら電子データでレジュメを作れるシステムを整備しているだろうし、作成したレジュメは使い回せるはずだから、応募案件ごとに紙ベースで書類を書かなくても済むんだよ」

レジュメの意味と間違えやすい2つの言葉

レジュメとよく似た意味を持つ言葉として、アジェンダとサマリーが挙げられます。

2つの類語について、レジュメとの違いに注目しながら見てみましょう。

レジュメとアジェンダ

アジェンダとは政策や大綱といった意味。大規模な政策や計画のほか、ビジネスであれば議事日程もしくは進行表・予定表などが当てはまります。

アジェンダの特徴として、未来志向であることが挙げられるでしょう。

レジュメが結論や結果が定まったものをまとめるのに対して、アジェンダの場合は結論や結果が不確定なものについて、ベストな道筋を描こうとします。

予定表を作り、スケジュールを組むという単純なプロセスさえも、未来に向けて課題解決を図るためのアプローチであるとみなせるのです。

アジェンダには「結論や結果が不明瞭であるからこそ、より良い成果を生み出すために最善の取り組みをしていこう」という性質が内在しているのです。

未来志向とは単に未知の領域に触れるということではなく、より良い未来を積極的に開拓していこうという意味が含まれているわけですね。

レジュメとサマリー

サマリーとは情報やデータに関する要約・まとめのことです。主に発表者が第三者に対して概況や概要を説明するためのもので、図表や数値との親和性が高いといえます。

サマリーはアジェンダよりもレジュメの性質に近いといえますが、レジュメはテーマについての自分の主張や研究結果を簡潔にまとめることがメインです。

一方サマリーの場合は客観的な情報やデータを網羅し、まとめることがポイントとなります。

サマリー情報を駆使して、なおかつ自分の主張も盛り込んだ要約資料を「サマリーレジュメ」という場合がありますが、サマリーレジュメにおいてもサマリーの位置づけは変わりません。

サマリーの最も肝心なポイントは、客観的なデータや情報をコンパクトに要約することに尽きるのです。

レジュメの上手な書き方とは?わかりやすい目次や資料のまとめ方

レジュメ作りで最も肝心なことは、主張や訴求内容をわかりやすく伝えることです。

まず第一に主題を設定し、次に骨子を構築していくとよいでしょう。肉付けは後回しで構いません。分野は違ってもレジュメ作りのコツは共通といえます。

ビジネスシーンであれば、レジュメはプレゼンテーションを成功させるためのツールです。

自分の主張やアイデアが妥当であることを裏付けるため、現状分析を踏まえてロジックを何段かに分けて構築することがポイントになります。

大学や研究といった学術の分野のレジュメであれば、主題に対して考察・仮説・検証・結論といったプロセスを辿るのがセオリー。

就職や転職におけるレジュメであれば、志望に至る経緯や理由が肝心ですよね。単に個人情報を羅列するのでなく、自身のキャリアや実績が志望企業にマッチしており、企業にとっても有益な人材であることをアピールするアプローチが大事です。

以上を踏まえ、レジュメ作りにおいては主題を設定し、次いて主題に対応した骨子を組み立てていくという手順で取り組むとよいでしょう。

ちょうど記事作成におけるテーマと見出しのようなもので、テーマと見出しが決まれば目次が出来上がります。

目次が出来上がれば、後は肉付けしていくだけ。必要な資料やデータについても、適宜追加していけばよいわけです。

レジュメ作りとは、決して難しいものではないことがおわかりいただけたでしょう。

転職先にレジュメの提出を求められたら履歴書だけで十分なの?

就職・転職の分野におけるレジュメとは、履歴書や職務経歴書のことだと述べました。

実際に転職活動をする中で、応募先の企業からレジュメの提出を求められる場面を考えてみましょう。

仮に「レジュメとは、履歴書のことだな」と解釈し、履歴書だけを提出したらどのような結果が待っているでしょうか。

おそらく、高確率でNGになるでしょう。なぜなら履歴書からは個人情報、学歴、職歴といった骨子の情報は得られるものの、具体的な仕事の経験や実績に関する詳細情報が得られないからです。

自分の職業人としてのキャリアをアピールするには、骨子たる履歴書だけでは不十分です。

各職場で経験した実務内容や実績・功績に関する説明を行い、骨子に肉付けしていくには、やはり職務経歴書が必要でしょう。特別なエピソードがある場合は尚更ですね。

転職時におけるレジュメとは「履歴書+職務経歴書」のセットを指すと考えるべきです。

先の節で、転職支援サービス企業によってはレジュメを「キャリアシート」と呼んでいると説明しました。

呼称こそ違うものの、キャリアシートとレジュメ、いずれも本質は同じ。履歴書と職務経歴書、双方の内容を網羅している必要があります。

レジメでもいい?レジュメの語源は英語orフランス語?!「resume」の意味

レジュメの別称として「レジメ」も知られています。呼び方の問題だけで内容的には全く同じですが、一般的にはレジュメの方が浸透していますよね。

せっかく話題に出たので、レジュメとレジメの語源についても触れましょう。

レジュメの語源はフランス語、レジメの語源は英語にあり、いずれも原形は“resume”です。

“resume”の意味は「要約したもの・要約されたもの」というもので、やはりフランス語・英語ともに同じ。違いはあくまで呼び方だけ、というわけですね。

実際、大学教授が講義開始時に「レジメを配布します」という言い方をするケースはしばしば見られます。

現状としてはレジュメとレジメ、どちらも使用可であり、特段「呼び方を統一すべし」というような強い意見もないものと覚えておきましょう。

まとめ

大学生の中には「レジュメとは講義ノートの代わりだ」とみなす人がいるかもしれません。

全くの間違いとも言い切れませんが、各講義の中には必ずテーマがあり、テーマの下に骨子や各論があります。

講義におけるレジュメとは、教授が講義を円滑に行うとともに、出席者の理解を手助けするためのものなのです。

レジュメを単なるテスト対策や単位取得のための配布資料とみなすのは、あまりに勿体ないでしょう。

話は大学の講義に限りません。レジュメを当てにして、会議のやり取りやプレゼンテーションを上の空で聞いているようではいけないですよね。

レジュメを通して議題やテーマを理解し、発表者や担当者の意図を汲みとってからが本番なのです。

レジュメは作る側、読む側ともにセンスが要求される媒体。シンプルでいて奥深い、レジュメの魅力を再確認することをおすすめします。

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