間違ったことは言っていないのに、どうして受け入れてもらえないんだろう。まじめにやっているのに、どうしてうまくいかないんだろう・・・と思ったことはありませんか?
仕事をする上で、周りの人とうまくいくためには、円滑なコミュニケーションが大事です。
それを可能にするのが、クッション言葉です。クッション言葉とは、直接的で強い言い方にならないよう、クッションのような柔らかさを作りだす言葉です。
言葉の使い方ひとつで、円滑なコミュニケーションになる
クッション言葉を使うことで、魔法を使ったような変化をおこすため、マジックフレーズとも言われます。
クッション言葉とは
クッション言葉は、相手を気遣い、尊重する思いを表す言葉です。相手にお願いするときや、相手の意に反するときに、言葉の前にそえて使います。クッション言葉を使うことで、丁寧でやさしい印象を与えられます。
また、相手を気遣いながら話すことになるので、言葉の伝わり方が柔らかくなり、相手があなたの言うことを受け止めやすくなります。
話す内容も大事ですが、言い方で伝わり方が随分変わってしまいますので、言い方はとても大事です。クッション言葉は対面での応対や電話応対、メールなどビジネスにおいては、さまざまな場面で使用します。
たとえ話す内容が良くても、正しくても、言い方が良くないと自分の意図したようには相手に伝わらないので、クッション言葉を上手に使えるようになりましょう。
クッション言葉の使い方
様々なシーンでのクッション言葉の使い方をご紹介します。
電話応対
「〇〇さんはいらっしゃいますか?」と聞かれたが、〇〇さんは外出して不在の場合。
例文
A:「〇〇は外出しています。」
B:「申し訳ございません。あいにく、〇〇はただいま外出しております。」
Aの答えは間違ったことは言っていませんが、〇〇さんと話したかった相手の気持ちは無視されていますので、冷たい印象になります。
一方、Bの答えであれば、「申し訳ございません」とクッション言葉を入れることにより、連絡がとれず残念に思う相手の気持ちを汲み取りお詫びすることで、相手を尊重し、丁寧に応対されていると感じられるでしょう。
メール
メールで資料を送ってほしいとお願いする場合
例文
A:「資料をお送りください。宜しくお願いします。」
B:「資料をお送りいただけませんでしょうか。お忙しいところ誠に恐縮でございますが、宜しくお願い致します。」
Aの言い方ですと、上から目線で命令しているような印象になります。
Bの言い方であれば、「お忙しいところ誠に恐縮でございますが」とクッション言葉を入れて相手を気遣い、文末も「~いただけませんでしょうか」とすることで、丁寧にお願いをしている印象となります。
よく使われるクッション言葉の使用例
お願いをするとき
「恐れ入りますが」→ 恐れ入りますが、3日以内にご返答いただけませんでしょうか。
「申し訳ございませんが」→ 申し訳ございませんが、少々お待ちください
「お差し支えなければ」→ お差し支えなければ、お名前をお聞かせください。
「もし、よろしければ」→ もしよろしければ、こちらにご記入いただけますか。
お断りするとき
「せっかくですが」→ せっかくですが、その日は予定が入っております。
「あいにくですが」→ あいにくですが、〇〇は只今外出しております。
「申し訳ございませんが」→ 申し訳ございませんが、こちらではご対応いたしかねます。
クッション言葉一覧
- 恐れ入りますが
- 申し訳ございませんが
- お差し支えなければ
- もし、よろしければ
- お手数おかけしますが
- 失礼ですが
- 可能であれば
- ご足労をおかけしますが
- ご面倒ですが
- お忙しいところ申し訳ございませんが
- 勝手を申しまして、恐縮ですが
- 申し上げにくいことなのですが
- せっかくですが
- 残念ですが
- お気持ちはありがたいのですが
まとめ
円滑なコミュニケーションのために大事なことは、相手を尊重し、気遣う心で、丁寧に対応することです。
なぜかうまくいかないと感じたら、日頃、相手を思いやる言い方をしているかどうか、自分を見つめ直してみてください。
自分が正しいかどうかという視点ではなく、このような言い方をしたら、相手はどのように感じるだろうかという視点で振り返ってみるとよいでしょう。
また、クッション言葉も使いすぎたり、同じ言葉を何度も使うなど、不自然な使い方をすると効果がなくなってしまいますので、状況に応じて上手に活用しましょう。