会社の来客対応でお客様をご案内したら、お茶の準備をしますが、意外とお茶出しのタイミングは難しいものです。
お茶出しのベストタイミングは、お客様と自社の担当者の挨拶が終わって商談に入る直前くらいです。
お茶を出す順番も、お客様側の上座から下座の順番、次に自社の役職順です。
また、お茶を出す際には相手の右側からお出しします。書類など重要なものの近くには置かないようにしましょう。
おもてなしの基本は笑顔と思いやりです。お茶出しの基本を学び、明るくお客様に接してください。
お茶出しの基本は明るく軽やかに!
お客様にお出しするお茶は、お茶そのものも大切ですが、おもてなしの印としてその場を柔らかく和やかにするという役割もあります。
あまりにもぎこちない感じでは逆効果になることもあり得ます。礼儀作法を守ろうとそればかりに集中してしまうと、かえって緊張してしまいます。
明るくにこやかに笑顔で接することが一番です。
煎茶の淹れ方
一般的には煎茶をお出しすると思います。まずは煎茶の基本的な煎れ方を解説していきます。
- 最初に人数分のお湯を湯飲みに入れます
- そのままにして、次に急須に茶葉を入れます
- 茶葉は大さじ1杯分を1人前として人数分です
- 湯飲みのお湯を急須に入れて約1分ほど待つとちょうど良い温度になります
濃すぎたり薄すぎたりしないように、少しずつ順番に注いでいきます。
コーヒー・紅茶の出し方
コーヒーを煎れたら、カップをソーサーの上に持つ手を右側にしておきます。
これはお客様がコーヒーカップを持ちやすいようにするためです。同じくソーサーの手前にスプーンの柄を右側にしておきます。
砂糖とミルクは、ソーサーの手前に置いても良いですが、人数ぶんをまとめて、入れ物に入れて出しても大丈夫です。
お茶の出し方の手順
お茶を煎れたら、次にお客様にお出しします。
このときにも作法がありますので、きちんと覚えておきましょう。
まずは人数分のお茶を煎れます。 準備ができれば、応接室に運びますが、途中でお茶が零れて茶たくをぬらしてしまうことのないように、お盆には湯飲みと茶たくを別々に置きましょう。
また、その際ふきんも忘れずに一緒に持って行ってください。
応接室についたら、まずはドアをノックします。 入室の時には「失礼しますます」と挨拶をしてください。また、その際には、お客様に向かって会釈するようにしましょう。
入室したら、お盆をサイドテーブルに置きます。サイドテーブルが無い場合にはかテーブルの下手(入口側)にお盆を置きます。
湯飲みの底をふきんで軽く拭いてから茶たくの上に載せましょう。湯飲みや茶たくに柄があるものは、お客様にその柄が見えるように正面へ向けてください。茶たくを持つときには両手で持ちます。
お茶を出す時には上座にいるお客様からお出しします。お客様の右側から出してください。お客様にお出しした後に、自社の役職順に出します。
テーブルの上には書類などがある場合も多いので、十分に気をつけてください。
お出ししたら退室しますが、その際には「失礼いたしました」とひと言かけるのが望ましいです。
夏場などは冷たい飲み物をお出しするときがあるでしょうが、その場合は湯飲みと茶たくをグラスとコースターに変換して覚えてください。
お茶出しの悩み こんなときどうする?
お客様へのお茶出しは、基本マナーさえきちんとマスターすればそれほど難しくは無いと思います。
しかし、時々困る場面に遭遇するのもよくあることです。
お茶出しのよくある悩みとその対処法をお伝えしますので、参考にしてください。
数が足りなかった・・
応接室にお茶をお持ちしたら、お茶の数が足りなかったということも時々あります。あれ?と困ってオロオロするのも良くありません。そのような時には、落ち着いて上座のお客様から順番にお茶をお出しします。
お客様に出し終わったら自社の役職の上のものへ出して、一旦退席し改めて残りの人へ出せば大丈夫です。その際には、「ただいまお持ちします」とひと言伝えましょう。
自社の末席の社員が「不要です」と言えば、その後はお茶を出さなくてもOKです。いずれにしろ、大問題ではないですから落ち着いて対応してください。
2杯目を出すタイミングは?
打ち合わせや商談が長引いた際には、どのタイミングで2杯目のお茶を出すのか迷ってしまいます。基本的に2杯目は、最初のお茶出しより30分後くらいと言われています。
しかし、打ち合わせや商談が長引けば、テーブルの上は、書類や資料でいっぱいかもしれません。そんなタイミングでお茶をお持ちすれば、スペースを作ったり話の腰を折ってしまったりということがあるかもしれません。
肝心なのは、その場の邪魔にならないタイミングでお茶出しすることです。状況をよく理解して、タイミングを見てお茶を出す臨機応変さも必要になってきます。
お茶を入れ直すときは?
お茶を入れ直す際に、湯飲みだけを引き取るのか、茶たくも一緒に引き取るのか迷いませんか?
基本的には茶たくごと下げて新規の湯飲みと茶たくをお出しします。打ち合わせや商談を止めないようにさりげなく交換するのがベストでしょう。
まとめ
このように、たかがお茶出しと言っても意外と深いものです。お客様の失礼になるようなことがあってはビジネスにも影響しかねませんので、気を抜かずに心を込めて明るく振る舞ってください。