ビジネスで個人宅を訪問するということもあるかと思います。個人宅は、お客様の私的空間ですから、より心配りをしなくてはいけません。
一般的な常識とは少し違って、個人宅はあまり早めに訪ねると迷惑に思われるケースもありますので、クレームの際の訪問でない限り約束の2~3分後のやや遅れる感じで到着するのがマナーです。
また、玄関先で所用がすむという心づもりだったのに招き入れられることとなったという場合も多いです。靴を脱ぐことも想定し、靴や靴下もきちんとしておいてください。
個人宅への訪問は、会社同士の訪問と若干違うマナーもありますので確認しておきましょう。
個人宅訪問のマナー
ビジネスとして個人宅を訪問する際には、一般的な他社訪問などとは違ったルールがあります。
この違いをきちんと理解しておかないと失礼になることもありますので、個人宅訪問のマナーをマスターしておきましょう。
時間帯に注意
個人宅訪問の際にも、もちろんアボイントとりが必要です。当然ながら相手に合わせるのが基本ですが、一般的な会社と忙しそうな時間帯が違ってきます。
食事時は避けなければいけませんが、その準備など家事に追われている時間帯も避けたほうが賢明です。
小さなお子さんがいらっしゃる家庭なら、お昼寝の時間帯も避けた方が喜ばれると思います。日時が決めてあっても、前日にはあいさつを兼ねて確認の電話を入れた方が安心ですね。
また、一般の会社同士の面会と違って、個人宅への訪問の場合は、約束の時刻から2~3分ほど遅れて伺うのがマナーとされています。
意外と盲点なのですが、玄関先で用件は済むだろうと考えていたのに、家の中へ招き入れられるというパターンも少なくありません。
一般的なビジネスの場では靴を脱ぐことはほぼありませんので、靴や靴下は気配りを忘れがちです。個人宅訪問では、靴や靴下にも十分注意しましょう。
手土産を用意して置いた場合は、渡すタイミングは玄関先であいさつした後です。室内に招き入れられた場合には室内で渡してくださいね。
個人宅訪問の注意事項
個人宅を訪問する際には、とにかく印象を悪くしないことが一番大事です。まず、タクシーを利用すのであれば、訪問先の前ではなくて少し離れた場所で降車してください。
また、夏場などは汗をきちんと拭いて、身支度を整えてからチャイムを鳴らしましょう。
和室に通されるという可能性も低くはありません。和室でも大丈夫なように、女性はミニスカートではないほうがいいでしょう。
靴下やストッキングに破れがないか、汚れていないかなどは事前によく確認するのもポイントです。
和室のマナー
和室は、洋室と違っていろいろと細かいマナーがあります。
まず、敷居は内部と外部を区別する境界線になっていますので、踏むのはいけません。ふすまの開け閉めは立ったままではなく座って行います。
また、畳の縁は本来であれば家紋が入る部分です。ですので、踏むのは失礼にあたりますから注意してください。
座布団に座る際には、最初に畳に座ってから、膝よりにじり上がるように座ります。
立つときには座るときの逆で考えてください。くれぐれも座布団の上に直接立たないようにしましょう。最後の挨拶は座布団を下りてから行います。
個人宅訪問の流れ
個人宅への訪問は、ある意味会社へ訪問するよりも緊張するかもしれません。
個人宅への訪問の際の流れを理解しておくと安心ですね。
個人宅訪問は、他社への訪問などと違って約束の2~3分後くらいに到着するようにします。
玄関先では、コートやマフラーなどを脱ぎ身なりを整えてからチャイムを押しましょう。
玄関先であいさつをして、社名とあなたの名前を伝えて名刺を渡します。
「〇〇社営業部の○○と申します」などの言葉がいいでしょう。
用件的に玄関先で済むようなケースでは、上がるよう推されても固辞するのがマナーです。再度すすめられたら、感謝しつつ応じます。
上がる場合は、そのまま家の内部の方を向いて靴を脱いで上がってください。上がった後に、片ひざをついて靴をそろえ直します。上がる場合の挨拶は「失礼いたします」がいいでしょう。
部屋では座布団には座らないで下座で正座して待つのが正しいマナーです。
相手が来たら挨拶とともに手土産を渡します。すすめられてから座布団に座るようにしましょう。
用件が終わったら長居せずにおいとましましょう。
「本日はお時間をいただきまして、まことにありがとうございました」と挨拶をします。
コート類は玄関を出てから着用しますが、玄関で「どうぞ着てください」とすすめられたら、お礼を言いつつ着ても良いでしょう。靴を履いたら「おじゃまいたしました」 と挨拶します。
こんなときどうする
個人宅の訪問でも、イレギュラーなパターンがあります。
食事をすすめられるパターン
個人宅ですので、たまに食事をすすめられる場合があります。これは、基本的には固辞するのがマナーなのは当然です。
しかし、相手先ですでに準備をしてくれていた場合などでは、お断りするのも逆に失礼になります。
再度のすすめで「では、お言葉に甘えまして」と、ご厚意を受けた方がいいでしょう。
クレームで訪問するパターン
クレーム訪問では、一般的な個人宅訪問のように2~3分遅れての訪問ではなく、約束の時間ぴったりに伺ってください。
たとえば、あなたの権限では判断できないことや思っている以上の要求がくる場合も想定されますので、上司に同行してもらう方が良いでしょう。もちろん、手土産や交換品などは必ず持参してくださいね。
まとめ
個人宅への訪問は、一般的な他社への訪問の際の常識とは若干違っています。
他社訪問の基本を理解していれば、個人宅訪問も簡単に理解できると思います。
いろんなパターンをマスターしておくことは、できるビジネスマンになるためには必須です。