「畏怖の念」の意味・読み方・使い方を紹介!「畏敬の念」との違いも解説!

恐れおののく気持ち・心情は、しばしば「畏怖の念」と表現されます。

場合によっては畏まる・敬う気持ちが含まれる場合もあり、いわゆる恐怖・ホラーのニュアンスとは区別されるのがポイントです。

当記事では「畏怖の念」の正しい意味・使い方・組み合わせフレーズを紹介します。

この記事の内容

「畏怖の念」の意味を紹介!

「畏怖の念」の意味を紹介!

はじめに、「畏怖の念」に関する基礎知識を整理しましょう。

語句の意味・読み方などを紹介します。

「畏怖の念」の意味・読み方

「畏怖の念(いふのねん)」の意味は、圧倒的なものに恐れおののく気持ちです。

いわゆる危機・脅威に際して怯えるような怖さではなく、スケールの大きなものに圧倒され、恐れおおののくようなニュアンスが該当します。

恐怖以外の意味もある

「畏怖の念」は恐れ・恐怖のほかに、畏まる・敬意といった意味合いも含む表現です。

先述したように、怯えるような恐怖よりも圧倒されるニュアンスが強く、気圧される・恐れおののくような心情を表します。

自分の力量が到底及ばない存在に対し、畏れと敬意を抱くイメージです。

「畏怖の念」と「畏敬の念」の違いは?

「畏怖の念」とよく似た語句として、「畏敬の念」が挙げられます。

まず品詞上の特徴として、「畏怖」が名詞・動詞の両方に使えるのに対し、「畏敬」は名詞での用法が一般的。

「畏敬する」のような表現は行わず、「畏敬の念を抱く」といった形で運用します。

また「畏敬」は「畏怖」よりも尊敬・敬意のニュアンスが強く、必ずしも恐怖のニュアンスを含むとは限りません。

以上を踏まえると、「畏敬の念」は「畏怖の念」よりも恐怖のニュアンスが弱い一方、より強い尊敬・敬意を含みます。

「畏怖の念」の使い方を解説!

「畏怖の念」の使い方を解説!

「畏怖の念」はひと続きの名詞として扱うのが一般的です。

「畏怖」は単体でも動詞として運用できるものの、「畏怖の念を抱く」のように動詞と組み合わせる用例が多く見られます。

「畏怖の念に打たれる・畏怖の念を禁じ得ない」のように、「畏怖する・畏怖した」と比べて複雑で文学的な表現も可能です。

「畏怖の念」を使った組み合わせフレーズをチェック!

紹介した意味・使い方に基づき、「畏怖の念」を使った組み合わせフレーズを紹介します。

主なフレーズは以下の4つです。

畏怖の念を抱く

「畏怖の念を抱く」は、心情に関する文学的な表現技法である「〇〇の念を抱く」を利用した言い回し。

シンプルに「畏怖する」と表現するよりも格調高く、書き言葉に適しています。

「畏怖の念」と組み合わせて使われるフレーズの中でも最もポピュラーな表現です。

畏怖の念を感じる

「畏怖の念を感じる」は、「畏怖の念を抱く」とほぼ同義の表現。

「抱く」よりも直接的な表現のため、読み手から見て明快です。

一方、書き言葉としては味気ない印象を与える可能性があります。

話し言葉であれば問題ありません。

畏怖の念に打たれる

「畏怖の念に打たれる」は、心の内に生じた畏怖の気持ちに打たれる・打ちのめされるといった意味合い。

簡単にいえば畏怖による心理的な衝撃・ショックを受けることであり、心に直接響くような衝撃を受ける分、大きなインパクトであると考えられます。

畏怖の念を禁じ得ない

「畏怖の念を禁じ得ない」は、畏怖の念を抱かざるを得ない・無意識のうちに畏怖するといった意味合い。

抗しがたい畏怖の念が生じるさまを表す言い回しであり、予想だにしないほどのインパクトを受けた状況を示唆します。

「畏怖の念」の類語・言い換え表現を紹介!

紹介した基礎知識に基づき、「畏怖の念」の類語・言い換え表現をチェックしましょう。

主な表現は以下の4つです。

畏敬の念

「畏敬の念」とは、先述したように「畏怖の念」とは似て非なる概念。

自分よりもスケールの大きいものに対する尊敬・敬意の気持ちを表します。

「畏敬」は「畏怖」よりも強い尊敬・敬意のニュアンスを含む一方、恐怖のニュアンスは弱め。

「自然に対する畏敬の念」といった言い回しが典型的です。

恐怖心

「恐怖心」とは、恐怖を覚える心情のこと。

「畏怖の念」のうち、恐るべき・怖いといったネガティブな要素に近い心情です。

怯え・たじろぎといったニュアンスも含むため、必ずしも「畏怖の念」と同義ではありません。

物怖じ

「物怖じ」とは、怖れてたじろぐ・尻込みすること。

いわゆる口語の「ビビる」さまです。

怖れの心情によって、本来とるべき行動を控える意味合いも表します。

必然的に「畏怖の念」よりも精神的な位置づけの低い語句であり、同義ではありません。

戦慄

「戦慄」とは、怖れて震えること。

ひとかたならぬショックを受けるさまであり、状況によっては「畏敬の念」に近い心情を表します。

必ずしも恐怖を表すわけではなく、良質ながら大きな衝撃を伴うような事象に対して使う場合もしばしばです。

「畏怖の念」の例文2選!

紹介した情報を元に、「畏怖の念」を実際の文章に組み込んでみましょう。

例文を2つピックアップします。

例文

グランドキャニオンから臨む圧巻の眺望により、自然に対する畏怖の念を抱いた。

例文

他人や機械に頼らず、自分の足で全国行脚して日本地図を作り上げた伊能忠敬の偉業には、畏怖の念を禁じ得ない。

「畏怖の念」の英語表現

最後に、「畏怖の念」の英語表現を紹介します。

・awe
(畏怖)

・fear
(恐怖・怖れ)

まとめ

「畏怖の念」は直接的・直感的な表現よりも、文学的な言い回しに適した言葉です。

「畏怖の念を覚える」「畏怖の念を禁じ得ない」のように、組み合わせによっては一言で表しにくい複雑な心情を表現できます。

当記事の内容を参考に、「畏怖の念」を上手に活用しましょう。

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