機知に富む・機転が利くさまを「ウィットに富む」と表現しますよね。
「ウィットに富む」は元々、英語を取り入れた言い回し。
皮肉・悪口といったニュアンスもあるため、褒め言葉のつもりでもネガティブに捉えられる場合もあります。
当記事では「ウィットに富む」の意味・語源・使い方などを解説しますので、ぜひ最後までお読みください。
「ウィットに富む」の意味・読み方を紹介!
そもそも「ウィットに富む」とはどのような意味か、どう読むのかを紹介します。
詳細は以下の通りです。
「ウィット」の語源
「ウィット」はカタカナ語であり、元々は英語“wit”に由来します。
“wit”の意味は「機知」であり、状況に応じてとっさに働く知恵・とんちといったものです。
ちなみに関連語の“witness”は、現代英語では「目撃者」の意味を表すため、区別して使うようにしましょう。
「ウィットに富む」の意味・読み方
「ウィットに富む」は機知に富む・機転が利くといった意味合い。
「富む」は「とむ」と発音します。
主な事例は、いわゆる大喜利のように人の発言に対してとっさの切り返しを見せたり、アイデアや工夫でピンチを乗り切ったりといったものが代表的です。
「ウィットに富む」の使い方を解説!
紹介した意味に基づき、「ウィットに富む」の使い方もチェックしましょう。
詳細は以下の通りです。
相手の機知・機転などを褒める
「ウィットに富む」は、相手の機知・機転などを褒める場合に使います。
問いかけに対するとっさの切り返し・とんちなどが的確で、窮地を脱したような場合にぴったりです。
切り返し以外の場面では、ひねりの利いた会話・文章などを作り出すような場合が該当します。
ジョーク・ユーモアのセンスを褒める
「ウィットに富む」は、ジョーク・ユーモアのセンスを褒める場合にも使われます。
特に風刺・皮肉などが利いた冗談は「ウィットに富んだジョーク」とみなされ、漫才・コントなどでも称賛の対象です。
一方で、冗談を好まない人に向けて「ウィットに富む」と評するのはおすすめできません。
「ウィット」には皮肉・ブラックジョークの意味があるため、好ましくない印象を与えてしまいます。
「ウィットに富む」の類語・言い換え表現をチェック!
「ウィットに富む」の代表的な類語・言い換え表現は以下の4つです。
各表現について詳しく解説します。
機知に富む
「機知に富む」は、「ウィットに富む」の言い換え表現の中でも代表的なもの。
改まった内容の文書・メールなど、カタカナ語が相応しくない媒体で使いたい場合に適しています。
「ウィットに富む」との違いとしては、皮肉・ブラックジョークのニュアンスを含みません。
機転の利く
「機転の利く」は、とっさの判断・切り返しなどを強調した言い回し。
「機知に富む」よりもスピード感にあふれ、臨機応変の印象を与えます。
「機知に富む」と同様に「ウィット」ではないため、皮肉・ブラックジョークのニュアンスは含みません。
エスプリの効いた
「エスプリ(esprit)」とは、フランス語で精神・機知・叡智を意味する語句。
「エスプリの効いた」は「機知に富む」と同義です。
注意点として動詞部分「効いた」については、「機転の利く」のような「利く」とは区別する必要があります。
効能・効果を表す「効く」を組み合わせましょう。
ユーモラスな
「ユーモラスな」は、ユーモアにあふれる・おかしみがあるといった意味の形容表現。
語源の英語“humorous”は元々形容詞ですが、日本語の文法に合わせるために形容動詞として扱われます。
主に笑いの要素にフォーカスした表現であり、必ずしも機転・機知とイコールではありません。
ウィットに富んだ会話のコツは?
ウィットに富んだ会話を楽しむためには、相手との円滑なキャッチボールを成立させる必要があります。
具体的には相手の嗜好・ニーズに合った話題・テーマを選び、まず相手の気分を乗せるのがポイントです。
次に自己アピールは極力控え、あくまで相手の個性や持ち味を活かすように会話を盛り上げる姿勢が欠かせません。
たとえばバーの店主は、上記のような会話術を自然に実践しています。
売れっ子のホステスも同様で、ウィットに富んだ女性が多いです。
「ウィットに富む」の例文3選!
紹介した基礎知識に基づき、「ウィットに富む」を文章の中に組み込んでみましょう。
例文を3つピックアップします。
例文
新任の係長は仕事の要領がいいだけでなく、ウィットに富む話術があり質問しやすい。
何かと参考になりそうだ。
例文
話題の新刊はウィットに富む内容で、ちょっとブラックな要素もあり刺激的。
気分転換におすすめだ。
例文
ウィットに富む会話術のコツは、当意即妙に尽きる。
大喜利のように条件・要件を満たしつつ、オリジナリティも加味できれば理想的である。
「ウィットに富む」の英語表現
最後に、「ウィットに富む」の英語表現を紹介します。
参考にお役立てください。
・“It is witty.”(機知にあふれている)
・“show a sharp wit.”(機知を発揮する)
まとめ
「ウィットに富む」は基本的に褒め言葉であるものの、常用するには不向きです。
たとえばビジネスシーンでは使いにくいほか、皮肉やブラックジョークだとみなされる場合もあります。
当記事の内容を参考に、「ウィットに富む」を適切に運用しましょう。