電話をかけて来た相手は、最初に必ず会社名と自分の名前を名乗るのが礼儀です。
でも、中には名前を名乗りたがらない人や自分の名前ぐらい知っていて当然と考える人がいます。
また、名前を聞くタイミングを間違えるとクレームになる場合もあるので一言に名前を尋ねると言っても油断してはなりません。それぞれの場面に適した対応をいくつか考えてみましょう。
相手の名前が聞き取れない時
最近は、カタカナ表記で長い会社名も増えて来たので、初めて聞く名前であれば一度では聞き取れない事があるかもしれません。
もう一度名前を聞きたい場合は、「恐れ入りますが、もう一度お名前をお伺いしてもよろしいでしょうか?」と述べます。
2回目で聞き取れた場合は、「ありがとうございます。○○の○○様ですね。」と復唱しましょう。ポイントはまず「ありがとうございます。」とお礼を述べるということです。
2回も教えてもらったのに、お礼も言わず保留にしてはいけません。必ずお手数をおかけしたことに対して感謝しましょう。
では、恐ろしいことに2回目もさっぱり聞き取れなかった場合どうしたらいいのでしょうか。その時は、「ありがとうございます。少々お待ちくださいませ。」と言って一旦保留にするのが良いでしょう。
聞き取りながらメモしている単語をつなげて、取り次ぐ担当者に伝えてみます。日頃から取引のある会社なら、分かってもらえる可能性は高いでしょう。
名前を聞かなくてもよい場合
例えば、「今そちらに向かっているのですが、詳しい場所を教えてもらえますか?」などの問い合わせの時に、「失礼ですが、どちら様でしょうか?」と返すのは、本当に失礼だと思われるかもしれません。
そちらに向かっていると相手が言っているのであれば、特に名前を聞くことなく伝えることができます。
他にも、「○○さん宛てにFAXを送りたいのだけど、番号教えてもらえます?」というように明らかに取引先からだと思われる内容の場合も、名前を聞かずに番号を伝えることができます。
もし心配ならこの場合は、「私○○と申しますが、責任持って受信を確認し担当者へ渡しますので、よろしければお名前とご連絡先をお伺いできますか?」と述べるならスマートに名前を聞くことができます。
最近はセキュリティ上、メールやFAXも、テスト送信後にやりとりするルールになっている会社も増えているので、その点は事前に確認しておきましょう。
このように、名前を聞くかどうかそのものを判断しなければならない場面もあります。
名乗らない人もいる
「○○さんいる?」から始まる電話は意外とよくあります。電話の相手は、取引先のいつもかけてくる人や得意先の社長さんかもしれません。
その第一声が良いか悪いかは別として、人によっては名前を尋ねると気分を害してしまうことがあります。いつも電話しているのに失礼だ!とか、俺の声ぐらい覚えとけ!と思うのです。
もし、名前を尋ねた後に叱られてしまったら、「配属された(異動してきた)ばかりで、大変失礼いたしました。」とお詫びしましょう。
失敗してしまうことはあるかもしれませんが、次に同じことをしないように声や雰囲気をメモしておきましょう。
もし、担当者が離席や外出中、電話中であれば、先にすぐに電話に出られない理由を伝え、折り返しや伝言を頼まれた時に名前を聞くことができます。
すぐに出られそうな場合は、一旦保留にし、担当者に確認します。名前が分からなければ出ないと担当者が言う場合は、折り返しの連絡にしてしまうのも一つの方法です。保留を開けて「どちら様でしょうか?」とは尋ねにくいものです。
担当者が離席している等の理由を言って折り返しの連絡にすれば、名前と連絡先を正確に確認することができます。
クレームの電話の場合
とても腹の立つことがあって、一言文句を言ってやりたいけど、名前は知られたくないということがあります。
その場合、その人の求めているのは1つ。それは、とりあえず話を聞いて欲しいということです。名前を聞くのは後回しにして、ひたすら相手の話を聞きましょう。
何か踏み込んだ対応が必要な場合以外は、名前や連絡先を聞く必要はありません。
まとめ
名前の確認は、電話応対において重要ですが、名前を聞くタイミングはもっと重要と言ってもいいでしょう。
あらゆる場面に適した対応を心がけてください。