「アポイントメント」は、浸透の度合いでいえば外来語の中でも筆頭格の言葉です。
もはやビジネスシーンだけでなく、日常生活でも定着したと言い切ってよいでしょう。
しかし「アポ」や「アポイント」などの言い回しもあり、違いについても不明瞭なまま使っている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、アポイントメントに関する情報を網羅しました。
アポイントメントの日本語の意味!アポやアポイントは類語?
まずはアポイントメントの意味を押さえましょう。
また、関連する言葉としてアポやアポイントについても併せて紹介します。
アポイントメントは約束をとること
アポイントメントは英語の“appointment”に由来します。
その意味は日本語表現のアポイントメントにおいても同様で、約束や予約を指します。よって、「約束や予約をとりつけること」と覚えておけば間違いないでしょう。
英語の「appointment」は任命や指名の意味も!
英語の“appointment”には上記以外の意味もあり、任命・指名・職位といった使い方をする場合があります。
しかし、これらは日本語表現におけるアポイントメントには含まれません。
日本語表現上は、あくまで約束や予約に関する言葉であることを押さえておきましょう。
アポやアポイントは類語なの?
アポやアポイントは、アポイントメントの類語というよりも同義語・略語に当たります。
アポイントメントを略して「アポ」や「アポイント」の呼称になったものです。
ただし注意点として、これらは完全に日本語表現独自の解釈であり英語圏では通用しません。
アポイントという言葉自体は“appoint”という動詞として存在しますが、任命・命令・職位に関するもので「任命する・命令する・職位を与える」という他動詞です。
英単語“appoint”に約束や予約をとるという意味合いは含まれません。
また、アポに関して述べると“appointment”を略した言葉は英語表現にありません。
アポイント及びアポという言い回しは日本語圏でのみ通用するものであることを覚えておきましょう。
ビジネスには欠かせないアポイントメントの持つ意味
アポイントメントという言い回しをするか否かは別として、この言葉の持つ意味そのものはビジネスシーンにおける必須事項の1つです。
約束や取り決め、予定が定まらない場合、担当者はプランもしくはスケジュール不明の状況で業務に取り組むことになります。
思わしくない状況の悪い例を挙げると、予定を前倒しして水面下で進行させていた業務が無駄になってしまったり、内々で準備していた会議資料の内容が無意味になってしまったりすることさえあります。
やはりアポイントメント、つまり約束事や取り決めはビジネスにおいて必須なのです。
ビジネスシーンでのアポイントメントの使い方と例文
例文
得意先A社との会合を開くに当たり窓口の関口部長と折衝した結果、4月30日14時でアポイントメントが取れた
例文
「田中君、例の件でB営業部長と打ち合わせをするから、7月1日の15時に会議室Aでアポ取っておいてくれ」
「7月1日15時、会議室Aでのアポイントメントですね。承知しました、早速手配いたします」
例文
「お客様、お約束はございますか?」
「ええと、アポイントは取っていません」
「申し訳ありません。お約束なしでしたら対応ができかねます」
ワンランクアップ間違いなし!アポイントメントの取説
ここまでの内容であれば、既に把握していたり実践されてたりする場合も多いでしょう。
そこでアポイントメントの応用編として、もう一段階ラックアップできる内容をまとめます。
アポ電が嫌われる理由
アポイントメントを取り付ける電話、いわゆる「アポ電」が嫌われる理由は複数ありますが、主なものとしては電話をかける側が一方的に自分の要求を伝えるケースが多いという点が挙げられるでしょう。
「自分自身のノルマを達成する目的で電話してきている」という思惑を容易に見抜かれてしまうのです。
しかし裏を返せば、これらをうまくクリアもしくはカバーできるだけのテクニックがあればアポイントメントに漕ぎ着けられる可能性はあるということです。
次の項目で詳しく述べていきます。
テレアポに必要なトークスクリプトとは?
テレアポ業務に必要な基本ポイントとして、次のようなものがあります。
- 相手に警戒心を抱かせない
- 一方的に要求を伝えるだけではダメ
- 相手にとってのメリットを訴求する
- 相互にメリットがある話であることを述べる
簡単に言えば「押し売りではなく、双方納得のいくビジネスをしましょう」という極めて合理的な考え方でよいのです。
そもそものニーズが合致しない相手も多いはずで、そういった場合は無理にこちらの都合を押し付けるのではなく話を早々に切り上げてもよいでしょう。
以上を踏まえて、テレアポに必要かつ効果的なトークスクリプトを考えてみましょう。
トークスクリプトに必要なものは、基本的な考え方と条件による分岐です。
- 相手の業態や業容を把握しており、自社のサービスが相手の事業に寄与できることを伝える
- 自社の実績や競合他社との差別化ポイントを伝える
- 相手に警戒心を与えず、責任者への橋渡しをスムーズにしてもらえるように話の流れや口調に気をつける
相手の反応や返し方で細分化されていきますので、必要に応じて補足すればよいでしょう。
図や文書の形にするのも効果的です。
相手に疑問を与えないメールでのアポイントメント
メールでのアポイントメント業務の場合、テレアポとは異なるメリット・デメリットが発生します。
事前にしっかり準備しこちらの提案や要求を最大限文面に盛り込むことができる一方、相手の反応をその場で直接感じ取ることはできません。
とはいえ、ビジネス上の目的は両者とも同じです。
相手にとってのメリットを訴求し、自社が提供するサービスによって相互の発展につながることをアピールできればよいわけです。
そのためメールの内容は冗長ではなく、コンパクトで訴求力の高いものでなければなりません。
訴えるべき要点を明確に絞り込み、件名やサマリーにしっかり落とし込みましょう。
不特定多数を対象にしたテンプレートではなく、あくまで特定の相手、つまり「我が社だけに送られた特別なメールだ」と認識してもらうことが大事なのです。
アポイントメントを使った単語をチェック
続いて「アポイントメント」を使った単語として、アポイントメントセールスとクロスアポイントメント制度の2つをご紹介します。
アポイントメントセールス
アポイントメントセールスとは、いわゆる呼び出し型販売方法です。
販売目的を明らかにしないまま相手を営業所や特定の場所に呼び出し、現地で消費者に高額な商品や不公平なサービスを契約させるというもので消費者トラブルにつながる例もあります。
クロスアポイントメント制度
クロスアポイントメント制度とは、研究者が公的研究機関や大学、企業など2つ以上の組織で雇用され、研究開発や教育に従事できるようにする制度です。
つまり、特定の一組織にのみ従属する制限が解除され、優秀な人材が産官学の垣根を超えて活躍できるように規制を緩和したということです。
2014年6月内閣府によって閣議決定されたものであり、国が推進している制度といえるでしょう。
アポイントメントを了承するときの正しい対応
最後に、アポイントメントを了承・承諾する場面での正しい対応法をチェックしましょう。
日本語で交わす約束や取り決めに対する要領と同じでよいのでしょうか。
一般的には「承知しました」英語はOKでよい?
日本語、カタカナ用語を問わずビジネスの場面で約束や取り決めを交わす際には、やはり「承知しました」「かしこまりました」といった敬語表現を使う方が望ましいでしょう。
つまり「OK」という英語での回答は避けた方が無難です。
その理由としてビジネスシーンにおいて、、受け手側としては相手に対して敬意を表する必要があるからです。
「OK」という返し方をしてよいのは日常生活でアポイントメントのやり取りをする場合か、ビジネスシーンであれば極めて親しい間柄に限られると考えるべきでしょう。
アポイントメントをキャンセルするときは?
上記と同様に、アポイントメントをキャンセルする場合もあくまで日本語表現上のマナーに従うべきです。
「NG」や「バッティング」「ビジー」などの英語やカタカナ用語でお断りを入れると誠意がなく軽薄な印象を与えますし、失礼に当たります。
また、単に都合が悪くなったという言い方をするだけでなく「こちらの都合で恐縮ですが~」「大変申し訳ありませんが~」といったように、丁寧な敬語表現を付け加えることでより良い印象を与えることができます。
まとめ
英語由来のカタカナ用語は英語と日本語双方の表現方法を把握して、初めて適切な使い方ができます。
場面に応じて最適な言葉を選ぶようにしましょう。