頼まれていた書類が出来ていない、次の予定が詰まっていて電話に出られない等、担当者が自席にいてもいないことにする、つまり居留守を使うということも電話応対においてよくある光景です。
言うまでもなく、居留守自体は良いことではありませんが、そのような場面でも、電話を取り次ぐ者として最善を尽くせるよう心がけましょう。
相手の要望を叶える努力をする
いるものをいないと言うのは、少し気が引けますが、せめて相手が居留守を使われていると気づかないように最新の注意を払って落ち着いて対応しましょう。
まず留守の理由ですが、担当者には保留中に前もって、いつまでの留守にするのかを尋ねます。
もし、あと30分あれば、資料を準備して相手に折り返し連絡ができるのであれば、「席を外しております。」で十分です。
夕方にしか準備できないようであれば、「外出中です。」の方が良いでしょう。「夕方までには戻る予定です。」と伝えます。これは、すでに相手の用件がわかった上で居留守を使う場合です。
では、相手の用件がわからない状態で、居留守を使う場合はどうでしょうか。
「申し訳ございません。○○はただ今外出中です。戻りの時間がわかりかねておりますので、もしよろしければ私がお話をお伺いいたします。(どのようなご用件でしょうか?)」と伝えて、用件を聞いてしまいましょう。
内容によっては、わざわざ担当者でなくても分かることかもしれません。電話をかけた方からすれば、取引先の会社に何かを尋ねたい場合、担当者宛にかけるのがマナーだと思うのは当然です。
担当者が電話に出られず、電話に出た人に用件を聞かれて初めて、別の人に内容を話すという選択肢が生まれます。担当者でなくても問い合わせた件が解決すれば、相手はきっと感謝するでしょう。
自分では分からない内容であった場合、相手が急いでいなければ折り返しの連絡にします。
その際、居留守を使っている担当者が必ずかけ直すとは限らないので、念のために、「その件につきましては、お調べしまして私か○○より折り返しご連絡させていただきます。」と言っておき、担当者が自分で折り返し連絡できない場合に、自分でも連絡することができるようにしておきます。
“担当者からの折り返し”とすると、頼まれて自分が掛け直した時に、「どうして担当者からではないんだ!」とトラブルになってしまうかもしれません。
その後、問い合わせの内容について、すぐに担当者へ確認します。その際、折り返した時に、追加で質問されるかもしれない、関連する内容はいくつか担当者に聞いておくなら、新しい問い合わせを受けるたびに折り返しにする手間を省けます。
余談ですが、時々、居留守を使っているのに大きな声で別の電話に出る担当者もいます。受話器にその人の声が入ってしまえば、居留守を使ったことに気づき、相手に不快感を与えかねません。
こちらが話していない時には受話器の口を塞いでおくなど、周囲の状況にも気を配り、冷静に対応しましょう。
まとめ
居留守というイレギュラーな事態でも、相手の立場になって、またさらに言えば担当者の立場にも身を置いて考え行動することで、気の利いた対応をすることができます。
電話の相手の要望は何か?担当者と話すことか?用件が解決すれば誰と話しても構わないのか?これらの点を上手に引き出して、自分にできる限りのことをし、相手に満足してもらうのです。
一方、担当者については、手が離せない、電話に出てもすぐに回答できない、長電話になりそうで困るなど、居留守を使おうとする動機はさまざまでしょう。
その都度、その理由や留守にする時間の設定などを考慮に入れて、臨機応変に対応するなら、絶妙なサポートを評価され、職場のチームワークの向上にも貢献できます。
居留守を頼まれたら、はなから面倒と決めつけず、一つ一つ丁寧に対応しましょう。