「エンドユーザー」の意味を解説!業界によって意味が変わる!?類語や対義語は?

小売業に従事する人なら誰もが知っているであろう「エンドユーザー」という言葉ですが、一方で法人営業や事務職などに従事しており個人を相手に商売をする機会のない人には馴染みが薄いかもしれません。

「エンドユーザー」の意味を解説!業界によって意味が変わる!?類語や対義語は?

また、エンドユーザーには2つの意味があるということも広くは知られていないでしょう。

改めてエンドユーザーという言葉の詳細に触れていきます。

この記事の内容

エンドユーザーの2つの意味に注目!消費者と顧客で違う?

実はエンドユーザーには「消費者」と「顧客」という2つの意味があります。

両者は似て非なるものであり、一致する場合もありますがその逆もあり得ます。

英語では「end user」

エンドユーザーは英語の“end user”をカタカナ語化したものです。

エンドユーザーとは末端にいるユーザーのことで、様々な流通経路や販売経路を通過し最終的に商品やサービスを手にとって使ったり恩恵を享受したりという層を指します。

末端利用者と末端消費者の意味合い

エンドユーザーという言葉には「消費者」と「顧客」という2つの意味があります。

おそらく一般的に広く浸透しているのは消費者としての意味で、例えば食品であれば消費者はスーパーに卸された生鮮食品等を購入します。

この際の商品購入者が食品流通における「末端消費者」、すなわちエンドユーザーということになります。

これとは別に、実際に商品やサービスを利用する人を「末端利用者」としてエンドユーザーに位置づける考え方もあります。

これがエンドユーザーのもう一つの意味です。例えば学習机や教科書、ノートなどは親が店頭で購入したとしても、実際に使用するのはその子どもであるというケースは多いはずです。この場合は子どもがエンドユーザーといえます。

また目に見えないサービスを提供する業界もあり、これを利用するエンドユーザーは「消費者」というよりも「顧客」です。

この場合は末端消費者というよりも「末端利用者」という方が相応しいでしょう。

エンドユーザーが末端消費者・末端利用者のどちらの意味で用いられているかを判断するためにも、前後関係や文脈から判断できるよう常に意識しましょう。

エンドユーザーは「eu」と略されることもあり

エンドユーザーは英語“end user”の頭文字をとって「eu」と略される場合があります。

日常生活およびニュースや紙面で使われることは稀ですが、ビジネスシーンでは時折登場する表現方法です。

エンドユーザーの使い方や例文は?分野によって意味が違う

エンドユーザーの使い方や例文は?分野によって意味が違う

続いてエンドユーザーの具体的な使い方や例文をご紹介します。業界や分野によって、エンドユーザーが指す意味は異なります。

そこで代表的な分野におけるエンドユーザーと、よりわかりやすくするための例文をご紹介します。

不動産や建築分野のエンドユーザー

不動産や建築分野におけるエンドユーザーは主に入居者や訪問客を指します。

居住者のように「定住する人」と限定してしまうと、テナント利用の入居者や訪問客を除外することになる点に注意しましょう。

なお、投資や仲介目的で土地建物を取引するユーザーはエンドユーザーの対象外とされます。

ITやシステム分野のエンドユーザー

ITやシステム分野におけるエンドユーザーはソフトウェアやアプリを利用する一般利用者のことを指します。

自分でプログラムを開発や改変せずあくまで利用する側のユーザーのことです。

システムの管理者や開発者は複数のソフトウェアを組み合わせて運用するため、1つのソフトウェアのみを純粋に利用する立場に回れないという理由から区別されています。

消費分野のエンドユーザー

消費分野におけるエンドユーザーは、正にスーパーなど小売業に代表される一般家庭層の客を指します。

もちろん小売業に限らず車や住宅の販売業などでも同様ですが、主として対象が個人であるという点がポイントです。

ユーザーとエンドユーザーの違いを解説

改めて、ユーザーとエンドユーザーの違いは何かを考えてみましょう。

ユーザーの持つ意味は非常に範囲が広く、商品やサービスを利用する全ての人を示します。

使用者という表現だと目に見えないサービスを受ける際に少し相違がありますし、消費者というと何かを購入して消費することが前提となってしまいます。

日本語のニュアンスとしては「利用者」という表現が最も相応しいでしょう。

またエンドユーザーは、末端の利用者、つまり一般層の個人であることが前提です。一方ユーザーは利用者全般を指すため、場合によっては企業や法人など大規模なものも当てはまります。

エンドユーザーに関する言葉をピックアップ

ここでエンドユーザーに関する派生語、関係語をチェックしておきましょう。

主にIT・PC関連用語である2語をご紹介します。

エンドユーザーライセンス契約

エンドユーザーライセンス契約とはエンドユーザーがコンピュータ上でソフトウェアを使用開始する際、承諾する必要のある契約のことです。

主に不正利用を防止するためのもので、知的所有権は開発者側にありエンドユーザーは当該ソフトウェアを不正に複製したり、悪用したりしてはいけないといった基本的な約束事が記載されているのが一般的です。

エンドユーザーコンピューティング(EUC)

エンドユーザーコンピューティングとは、主に企業の情報システム構築や開発を外部委託したり専門要員に任せたりするのではなく、現場の人員にソフトウェアを開発・運用させるという方法論のことです。

具体的には、システムの基幹部分が完成しているものを受け継ぎ、部門の業務内容やルールに応じて必要部分をカスタムしていく要領で、条件に合わせてマクロ機能やスクリプト機能を追加していくという方法が多いとされています。

なお、“End User Computing”の頭文字をとってEUCと略される場合もあります。

エンドユーザーの類語や対義語をチェック

最後にエンドユーザーの類語や対義語をチェックして締めくくりましょう。

まず、エンドユーザーの類語として挙げられるのは先に述べた「末端消費者」と「末端利用者」の2つです。

この両者は相互にイコールではないため、場面や文脈によって使い分ける必要があります。

次にエンドユーザーの対義語ですが、店頭で売買される一般的な商品に関するエンドユーザーを想定する場合、対義語として「販売者」や「生産者」が当てはまるでしょう。

またIT・システムの分野におけるエンドユーザーの対義語は「開発者」や「デベロッパー」が当てはまります。

まとめ

ユーザーという言葉を突き詰めたり、日本語でエンドユーザーの類語・対義語を当てはめようとしたりすると様々な場合分けが必要となります。

便利な言葉であるがゆえに、無意識のうちについエンドユーザーと言ってしまったりあるいはエンドユーザーの意味を尋ねられたりという場合もあるでしょう。

その場で的確に説明や受け答えができるようにしておきましょう。

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