「ハレーション」の意味とは?英語圏では通じない!?レンズフレアとの違いも解説!

カタカナ語の魅力は、沢山説明が必要な内容をたった一言で済ませられることですよね。そんなカタカナ語の中でも、ハレーションはユニークな言葉といえるでしょう。

浸透の度合いこそ今ひとつですが、意味さえ理解できれば抜群の使い勝手です。

正しい意味と使い方をマスターし、スマートな運用を目指しましょう。

この記事の内容

ハレーションの意味とは?

ハレーションは元々、写真撮影における専門用語だったといわれています。

ルーツからしていかにもユニークですが、果たして意味はどのようなものでしょうか。

カメラ用語で強い光で白くぼやけること

カメラ用語としてのハレーションは、光が強すぎるために被写体の周辺が白くぼやけてしまう様を指します。

ビジネス用語は周りに悪影響を与えること

ハレーションによる作用のうち、妨げになる・干渉するというエッセンスを抜き出して使うことがあります。ビジネス用語としてハレーションと表現する場合が典型例です。

ビジネスシーンでハレーションという場合、主として周囲に悪い影響を与える様を指します。

例えば社内のルールを無視したり、協調性を乱したりといった振る舞いがハレーションに当てはまります。

様々な使われ方!デザイン・医療業界での意味

ビジネスシーンの用例で、ハレーションの有用性や使い勝手の良さをお伝えしました。

続いてデザインや医療の業界でハレーションを使うと、どんな意味になるのかチェックしていきます。

医療におけるハレーションの意味

医療においてハレーションという場合は、主に放射線科で使われます。

具体的にはX線写真撮影の際、光が強すぎると白くぼやけてしまう現象を指します。

つまり、カメラによる写真撮影での用例と全く同じ使い方といえます。

照明や光に関するハレーションの意味

デザインの分野でも、照明や光に関するハレーションは生じます。一口にデザインといっても、ピンとこないかもしれません。美術館や展示場を思い浮かべればわかりやすいでしょう。

絵画ギャラリーでお気に入りの作品が見つかったとします。せっかくだからベストの照明環境で鑑賞したいものです。

ところが一点に強いスポットライトを集中させ過ぎると、ぼやけて被写体が見えづらくなってしまいますよね。ただ光を集めればよいというものではないというわけです。

照明や光に関するハレーションも、写真撮影と同じ理屈が当てはまるのです。被写体に当てる光が強すぎると、白くぼやけてハレーションを起こしてしまうということです。

色に関するハレーションの意味

デザインの分野で他に起こるハレーションといえば、色の問題が代表的です。

明度が同じで、なおかつ彩度の高い色同士が隣接すると色の境目が相互に干渉します。つまり、色同士の干渉をハレーションというわけです。

強い色合いが多く配されたデザインを見た時、直感的に目がチカチカするような感覚を覚えた経験はありませんか。目がチカチカするような不快感は、ハレーションによるものかもしれません。

なおハレーション対策の1つとして、セパレーションカラーを入れるという方法があります。要領としては、隣り合う色の間に無彩色を挟み込むというものです。

無彩色が両隣の高彩色を中和し、ハレーションを抑えられるというわけです。

ハレーションの付いたフレーズを例文でチェック

応用編として、ハレーションの付いたフレーズを使ってみましょう。

例文も併せて紹介します。

ハレーションを起こす

何らかの動作・アクションによってハレーションが生じる場合は、直前の動作やアクションに因果関係があります。

特に人が関わって生じるものであれば、ハレーションを起こすと表現するのが適切でしょう。

例文

転職で中途入社したAさんは自己主張が強い。事あるごとに周囲のメンバーと衝突している。
良くも悪くもハレーションを起こしているといえるだろう。

ハレーションが起きる

ハレーションが起きるとは、意図的に起こしたものではないというニュアンスを含みます。

つまり自然発生的、もしくは偶発的にハレーションが起こるケースが当てはまります。

例文

美術館にアンティークの壺を寄贈した。後日陳列された壺を鑑賞しに行くと、その時たまたま採光の加減でハレーションが起きていた。そこで美術館のスタッフにカーテンを閉めるか、配置を変更するように促した。

ハレーション効果

写真撮影において、ハレーションの作用を逆手に取る方法があります。

ハレーションを利用し、出来上がった写真に白いモヤがかかったように見せる効果をハレーション効果といいます。

なお、デジタルカメラでは基本的にハレーションは起こりません。写真撮影でハレーションという場合、フィルムを使っての撮影が前提です。

例文

写真が趣味で、昔ながらのフィルム式カメラを使って撮影するのが好きだ。時折知らないうちに光が入り込んでいて、現像時に気づく場合もある。しかし、光が思わぬハレーション効果を生むことも珍しくない。白いモヤが薄くかかり、何とも渋い味わいになるのだ。

英語表現をチェック

ハレーションの意味や用法についてはOKですね。

英語表現もチェックしてみましょう。

カメラ用語「halation」

ハレーションは英単語“halation”に由来します。注意事項として、英語圏における“halation”はあくまでカメラの専門用語だというポイントがあります。

すなわち、本来は写真やカメラの分野以外で使われることのない言葉だということです。

しかしカタカナ語として日本に浸透したハレーションは、現在のように広い分野で使われています。つまり日本におけるハレーションは、いわばガラパゴス的に運用されているものなのです。

併せて、英語圏で“halation”を誤用しないように注意することも大事ですね。

ビジネス用語「bad influence」

“halation”はカメラ撮影に関する専門用語だと述べました。それでは人間関係におけるハレーションのニュアンスは、英語だとどのように表現されるのでしょうか。

日本だと人間関係におけるハレーションは悪い影響を与えるもの、という意味で使われていますね。悪影響を英訳すると“bad influence”という言い回しになります。つまり、ほぼ直訳でよいのです。

意味合いを正しく掴んでいれば、英訳も決して難しくないことがわかりますね。

類語や反対語をチェック

ハレーションにはいくつかの類語や反対語があります。

代表的なものを紹介します。

類語

光暈(こううん)

光暈とは輝きの周辺に見える淡い光のかさを指します。光の反射や屈折を受けて生じるとされ、写真撮影以外の場面でも使われるのが特徴です。

悪影響

悪影響とは、低質なものが悪い作用を及ぼすことです。日本においては写真撮影におけるハレーションから、好ましくない影響という意味が派生しました。転じて悪影響になったのは明らかですね。

反対語

好影響

悪影響と正反対の性質を持つ言葉が、好影響です。良質なものが、好ましい作用を及ぼすということですね。

レンズフレアとハレーション、意味の違いを解説

最後にもう一度、写真撮影の分野に戻って締めくくります。

ハレーションはフィルム式カメラだけで生じる現象です。しかし、デジタルカメラでもハレーションのような状態を見たという方もいるでしょう。

デジタルカメラにおけるハレーションのような状態は、レンズフレアと呼ばれる現象です。

レンズフレアとは撮影の際に光源がレンズに向けられていたり、あるいは画角内に光源があったりすると暗部に光が漏れたりする現象を指します。

なおハレーションの発生原理は、フィルムのベース面で反射した光線が、再び乳剤を感光させるというものです。

ハレーションとレンズフレアは、表面上似た結果に見えますよね。

しかし発生の原理がそれぞれ異なるため、やはり区別すべきだとされています。

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