「バジェット」には2つの意味がある!?語源から使い方まで詳しく解説します

聞く機会が多くなったカタカナ語の1つとして、バジェットを挙げる人もいるはずです。バジェットは元々、ビジネスシーンでは比較的ポピュラーな言葉でした。

しかし旅行業界を中心として、近年急速に浸透が進んでいます。

正しい意味や用法を掴み、上手に使いこなせるようにしていきましょう。

この記事の内容

バジェットが持つ2つの意味の使い方を解説

バジェットの意味は1つだけではありません。

名詞としての意味と、形容詞としての意味があるのです。

名詞、形容詞それぞれの意味を見ていきましょう。

名詞での使い方「予算」「経費」

バジェットを名詞として使う用法を説明します。名詞としてのバジェットは、予算もしくは経費という意味です。

ビジネスシーンでバジェットといえば、売上や仕入など様々な予算を指すことが一般的。

しかし日常生活で予算といえば、主に支出に関することになりますよね。すなわち「見込みの経費」といった意味で使われます。

つまりバジェットの経費とは、単純なコストではありません。同じ経費でも、見込みや予測の意味合いが含まれるというわけです。

形容詞での使い方「格安の」「低予算の」

バジェットには形容詞としての用法もあります。形容詞としてのバジェットは、格安の・低予算のという意味です。

格安や低予算、つまり安上がりという表現はビジネスシーンだと相応しくありません。

また格安・低予算のどちらも、一般的に物の値段を指す際に使う表現です。

つまり、消費財の購入が前提になっていることがわかります。

バジェットを形容詞として使う機会は、ビジネスではなく日常生活がメインといえるでしょう。

ビジネス用語としてのバジェットの意味は?

ビジネス用語としてのバジェットは、予算という意味。日常生活の場合とは異なり、ビジネスシーンの予算は経費に限定されません。

例えば売上や仕入の予算であったり、あるいは経常利益や当期純利益に関する予算であったりしてもおかしくないということです。

旅行サイトで見かけるバジェットホテルとはどんな意味?

ホテル業界において、近年台頭してきた新業態があります。

バジェットホテルと呼ばれるもので、若年層を中心に人気を集めていますね。

低価格ホテルのこと

バジェットホテルとは低価格ホテルのこと。低価格なホテルといえば、長らくの間ビジネスホテルが受け皿になっていました。

ビジネスホテルといえば、男性の単身者が出張先で利用するイメージが先行しがちです。

やはり女性やカップルが利用するには不向きですよね。そこで新たな受け皿になったのが、話題のバジェットホテルというわけです。

バジェットシングルルーム(ダブルルーム)の意味

バジェットシングルルーム(ダブルルーム)とは低価格で提供されるシングルルーム、もしくはダブルルームのことです。

ユニークな点として、特にバジェットホテルと謳っていない施設であってもバジェットルームを提供する場合があります。

格安の理由は他の部屋と比べて設備が不足していたり狭かったりというケースですが、これも立派なバジェットルームです。

つまり通常料金の部屋とは別に提供される、格安の部屋がバジェットルームだと考えればよいでしょう。

仮に設備や広さの面では見劣りしても、割安の部屋を選びたいといったニーズは少なからず存在するのです。

バジェットホテルを予約するときの注意点

バジェットホテルを予約する際には注意点があります。

ホテルの価格とは、部屋の広さや設備の品質だけで決まるものではありません。

例えば交通の便や、食事の有無なども関係します。バジェットホテルの場合、仮に間取りが十分で設備も申し分ないとしても、何らかのデメリットがついて回ります。

つまり、バジェットホテルには低価格を実現している理由があるのです。

利用者は低価格の理由を理解し、その上でバジェットホテルを利用すべきということですね。

「バジェットトラベル」や「バジェットエアライン」も関連で使われる

同じく旅行業界の話題であれば、バジェットトラベルという概念や、バジェットエアラインという業態も登場しています。

バジェットトラベルとは、低予算で実施する旅行のことです。大筋では貧乏旅行、節約旅行と同系統の言葉といえます。

ただしネットなどの情報を有効活用し、限られた時間と予算の中で最大限の成果をあげようとする点が特徴です。

つまり単に予算を抑えるだけでなく、効率性や満足度も最大化させようとするというわけです。

一種の経済学的なアプローチを採り入れるのが、バジェットトラベルの魅力ということですね。

またバジェットエアラインとは、ジェットスターやスターフライヤーに代表される格安航空便を指します。

つまりバジェットエアラインは、いわゆるLCC(Low Cost Carrier)と同義です。

低価格を実現するため徹底的なコストダウンを図る代わりに、オプションで有料サービスを提供するというアプローチをとっています。

実のところ、英語圏ではLCCというフレーズは一般的ではありません。バジェットエアライン、すなわち“Budjet Airlines”が適切なのです。

他のバジェットの付く言葉の意味をまとめてみました

バジェットの付く言葉は他にも沢山あります。

カジュアルなものを中心に5つ紹介します。

バジェットレンタカー

バジェットレンタカーは汎用的なサービスの名称ではなく、企業が提供するレンタカーサービスです。

福岡県に本社を置く、イデックスオート・ジャパンバジェットレンタカー社が展開しています。

なお「低価格のレンタカー」という意味の用語は、今のところ特に定まってはいないようです。

バジェットトラベラー

バジェットトラベラーは、低予算の旅行者を指します。バジェットトラベラーは基本的に飛行機や特急列車を使わず、自動車と徒歩を中心に細かい移動を繰り返します。

移動に適したバックパック(リュックサック)を背負うことが多いため、バックパッカーと呼ばれることもしばしばです。

バジェットガエル

バジェットガエルはカエルの一種です。マルメタピオカガエルの別名であり、「低予算のカエル」という意味ではありません。

バジェットガエルの風貌は全体的にコミカルで、まるで漫画やアニメのキャラクターを思わせます。

しかし性格は攻撃的で、叫ぶような鳴き声も手伝って意外に怖い生き物だそうです。

ビッグ(ロー)バジェット

ビッグバジェットとは映画業界の用語です。映画業界では、製作費の規模をバジェットと組み合わせて表現するのが通例とされています。

ビッグバジェットといえば、製作費1億ドル以上の超大作を指します。

ちなみに2,000万ドル前後という低予算であればローバジェット、5,000万ドル程度の規模であればブルーチップというそうです。

バジェット商品

バジェット商品とは、割安の品という意味。「チープな商品」とほぼ同義ですが、より優しい表現といえます。

相手の立場などがあってチープな商品という言い回しが相応しくない場合、バジェット商品という方がよいでしょう。

アパレル業界で使われるバジェット企画とはどんな意味 ?

バジェット企画とは、いわゆるお値打ち企画という意味です。通常価格より安かったり、期間限定品を扱ったりします。

同じお値打ち企画という意味でも、小売業では業界によって少しずつ表現が異なります。

例えば赤字セール、出血サービスといったフレーズはおなじみですよね。

一方、アパレル業界では赤字セール、出血サービスという表現をすることはほとんどありません。

というのもファッション性を売りにする以上、スタイリッシュであることが求められるからです。

つまり宣伝やキャッチコピー、店内POPに至るまでファッション性を反映させる必要があります。

同じお値打ち企画でも、より響きのスタイリッシュなフレーズが好まれるのです。

そこでバジェット企画という表現が選ばれたわけですね。

バジェットのフレーズの意味を例文でチェック

バジェットを他の言葉と組み合わせ、フレーズ単位で運用してみましょう。

フレーズごとの例文も紹介します。

バジェット不足

バジェット不足とは、予算が足りないということです。あくまで目的に対して予算が足りないという意味であり、会社全体の資金不足や赤字とイコールではありません。

つまりバジェット不足とは、必ずしも悪い意味ばかりではないということです。

例えば特定部門の業績が予想を超えて好調であるため、活動予算が追いつかないというケースもあり得るでしょう。

ただし会社全体がバジェット不足という場合もあり得ますので、状況を正しく把握することが肝心です。

例文

新商品の売れ行きが非常に好調で、販売促進費を中心とする活動費が早くも予算を超過しそうだ。上層部に状況を報告し、経費予算の拡充を申請しよう。

バジェット次第

バジェット次第とは、予算次第という意味です。つまり予算の動向によって未来が左右されるということです。

例えば営業部所属のセールスマンが新規取引先を開拓したり、海外の大規模な行事に製品を出展したりといった大きなプランを練るとしましょう。

プランに対して上長からのOKをもらうだけでなく、予算の割当が必要です。

いかに内容が良くとも、予算がつかなければプランは白紙になってしまいますよね。

つまり例の場合も、プランを実行できるかどうかはバジェット次第ということです。

例文

当社の製品をグローバルに認知してもらうため、国際的な展示会に出展したいと目論んでいる。製品のクオリティもプランも良いはずなので、後はバジェット次第だ。

カタカナ語「バジェット」の語源やスペルをチェック

最後に、バジェットの語源やスペルをチェックしておきましょう。

英語「budget」に由来

カタカナ語であるバジェットは、英単語“budget”に由来します。“budget”を紐解くと、真っ先に出てくる意味は予算です。

経費、低価格という意味は後から付いてきたものだといえます。

ちなみに“budget”の語源は、中世フランス語の“bougette”に遡ります。

「財布」という意味であり、転じて予算という意味になったことも頷けますよね。

「budget」を使った例文

英語の“budget”を使った場合、文章上ではどのように表現されるのでしょうか。

例文を2つ紹介します。

例文

“Avatar” is big budget film.
(映画「アバター」は製作費1億ドルを超える超大作だ。)

例文

He went on a trip within the budget.
(彼は予算内で旅行に出かけた。)

バジェットを便利ワードとして使うだけでなく、正しい知識で裏付けしておくことも大事ですね。

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