人間はマルチタスクに不向きです。必然的に、シングルタスクで1つずつ作業をこなすことになります。
そこで大事なのがプライオリティです。
プライオリティの意味や用法を把握し、さらにはタスク管理の向上にもつなげましょう。
「プライオリティ高めで!」と上司に言われたら?意味を解説
上司が指示を出す際、「プライオリティ高めで!」という場合があるでしょう。
プライオリティは常套句の1つです。
上司から指示を出された時、戸惑わずに済むよう意味を押さえておきましょう。
プライオリティの意味は「優先度」「優先順位」
プライオリティの意味は優先度・優先準備です。
上司から「プライオリティ高めで!」と指示を出されたならば、優先して進めてくれという意味なのです。
ビジネスにおけるプライオリティが高い(低い)とは?
ビジネスにおいてプライオリティが高い(低い)という場合は、優先度の高低を指します。
ビジネスシーンにおいて、全くの手持ち無沙汰という状況はないでしょう。
マニュアルにない事柄であっても、仕事はあらゆる所に潜在しています。
しかし、手当たり次第にあらゆる仕事に手を出していては非効率ですし、無駄も生じます。
そこでプライオリティの概念が必要なのです。
すなわちより緊急性が高く、より効果が大きい仕事を優先すべきということですね。
プライオリティは重要度ではない
プライオリティとは、重要度のことではありません。
言い換えると、優先度は重要度とイコールではないということです。
例えば、重要度が全く同等の仕事を複数引き受けたとします。しかし納期がバラバラであったらどうでしょうか。
自ずと期限の短い仕事から着手することになりますよね。やはり、重要度と優先度はイコールではないのです。
プライオリティの概念なくして、スマートな仕事はできないともいえるでしょう。
プライオリティが強い(弱い)は間違い!?
プライオリティの誤用例として、「プライオリティが強い(弱い)」という言い回しがあります。
プライオリティは優先度や優先順位であると述べました。
日本語の「優先度」を表現する際には、高い・低いというのが適切です。
強い・弱いという表現は不自然ですよね。
プライオリティの場合も、ロジックは同じです。
つまり、プライオリティが強い(弱い)という言い回しは間違いだということですね。
同様に、プライオリティが大きい(小さい)という表現も誤りといえます。
プライオリティの意味や正しい使い方を例文で確認
プライオリティの基本的用法はご理解いただけましたね。
次に、実際にプライオリティを使う場面を想定してみましょう。
場面ごとの意味や、例文も併せて紹介します。
プライオリティが高い
プライオリティが高いとは、優先度が高いという意味。
重要だという意味ではなく、他と比べて優先する必要があることを表します。
例文
課長から指示された仕事は急ぎの用件だ。来月の資金繰りに関する事案であり、極めてプライオリティが高い。
プライオリティを置く
プライオリティを置くとは、優先度を設定するということです。日本語として優先度を「置く」という表現は存在しません。
しかし、「設定する」という風に言い換えると明快になるはずです。別の表現をするなら、比重やウエイトを置くといってもよいでしょう。
注力する対象として、より優先度の高いものに比重を置くというニュアンスですね。
例文
A社とB社より、スポットの取引事案が舞い込んできた。緊急性・重要度ともに甲乙つけがたく、またリソースとタイミングの問題でどちらかを優先しなければならない。会社判断として、A社にプライオリティを置くことにした。
プライオリティをつける
プライオリティをつけるとは、優先順位をつけるということです。
「プライオリティを置く」と比べて、対象の順位を明確にするニュアンスが強いといえます。つまり、どれか一つだけを最優先と位置づける行為ではありません。
複数ある対象の位置づけを相対化し、それぞれの優先順位を決定する行為ということですね。
例文
決算報告を兼ねて、銀行向けの挨拶回りをする必要がある。四行回る予定だが動きに無駄がないようにしたい。経路と親密度を考慮しつつ、プライオリティをつけるべきだ。
プライオリティシート
プライオリティシートは日本語の優先席と同義です。主に鉄道車両やバスなどにおいて、一般席と区別して設置されています。
プライオリティシートの利用については高齢者や障がい者、妊婦や乳幼児連れの着席を優先するのがマナーとなっています。
例文
混雑時になると、席が足りないという理由だけでプライオリティシートに座る乗客が散見される。混雑すると気持ちに余裕がなくなりがちだが、他者をいたわる心遣いを忘れないで欲しい。
ビジネス以外のプライオリティの使い方に注目
プライオリティはビジネスシーン以外でも使われます。
代表的な例として3つのシーンを紹介します。
飛行機や空港におけるプライオリティの意味
航空業界でプライオリティといえば、主に搭乗手続きやラウンジ利用における優遇措置を指します。
簡単に説明すると、一般利用者とは別にプライオリティ専用の対応がなされます。
具体的にはチェックインやボディチェック、手荷物のやり取りといった手続きを短時間で素早く行えるというものです。
なおプライオリティの待遇を受けるためには、プライオリティパスと呼ばれる有料会員カードを入手するのが一般的です。
PCやITにおけるプライオリティの意味
PCやITの分野におけるプライオリティとは、マルチタスクにおける優先順位を表します。
マルチタスクで複数のプログラムを起動している場合、通常PCが行う処理(演算)速度はプログラムごとに均等です。
しかしプライオリティを変更すれば、特定のプログラムを優先して実行することも可能ということですね。
サーフィンにおけるプライオリティ
サーフィンにおけるプライオリティとは、波に乗る優先権を指します。
つまり試合で競技をする際のルールであり、趣味でサーフィンをする際には特に縛られる必要はありません。
なお試合でプライオリティを持ったサーファーのライディングを妨害した場合は、ペナルティを課されてしまいます。
プライオリティの関連語の意味をチェック
続いて、プライオリティの関連語を紹介します。
意味についても触れますので是非チェックしてみましょう。
トッププライオリティ
トッププライオリティとは頂点の優先順位、すなわち最優先事項を指します。
ファーストプライオリティ
ファーストプライオリティは第一の優先順位、つまり最優先事項です。
トッププライオリティと同義ですが、特にどちらの方が一般的といった区別はありません。
プライオリティの類語や反対語をまとめてチェック
プライオリティには類語、反対語ともに存在します。
それぞれ代表的なものをチェックしましょう。
<類語>
・優先度
優先度とは、優先すべき度合いを指します。
優先度を表現する際は高・中・低のように、度合いを高さで示して運用するのが一般的です。
・優先順位
優先順位とは、優先の度合いを相対化したものです。
優先度の表現方法とは異なり、順位を数値で表現します。
<反対語>
・劣後順位
劣後順位は、優先順位と真逆の意味です。
そもそも、劣後とは順番や順序を後に回すことをいいます。
案件や作業をペンディングしたり、省いたりする行程が想像できますよね。
つまり劣後順位とは、後回しにする対象を相対的に順位づけたものということです。
プライオリティの英語「priority」の意味や例文
プライオリティは外来のカタカナ語であり、元々は英語に由来します。プライオリティの由来となった英単語は“priority”です。
“priority”の意味は優先度・優先順位などで、いわゆる「優先性」を示します。
日本語表現になっても意味が変わらないという点で、比較的親しみやすい英単語といえるでしょう。
最後に“priority”を含む例文を3つ紹介します。
例文
My highest priority is to work.
(私にとって、労働は最優先事項です)
例文
My section chief said that I should give priority to taskA over taskB.
(課長から、タスクBよりもタスクAを優先するように言われた)
例文
Our company’s first priority is to satisfy customer needs.
(当社の最優先事項は、顧客満足である)
まとめ
ビジネスシーンにおいてプライオリティは必須の概念です。優秀な人材は恰もマルチタスクをこなしているかのように見えますよね。
しかし実際のところは、プライオリティをつけながら沢山のシングルタスクを順番にこなしているのです。
また反対語で紹介した、劣後順位の発想も有効です。プライオリティの概念を理解して上手に運用すれば、仕事の効率は格段に向上するでしょう。