「マター」の使い方を把握しよう!多用は禁物!?英語とカタカナ語で意味が違う?

仕事の管轄や責任の所在について議論する際、マターという言葉をよく使いますよね。

「マター」の使い方を把握しよう!多用は禁物!?英語とカタカナ語で意味が違う?

慣例的にマターと言っているものの、正確な意味は把握していないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

便利で使いやすい言葉こそ、実は注意が必要です。マターの意味や用法について、改めてチェックしてみましょう。

この記事の内容

カタカナ語「マター」のビジネスシーンにおける意味

カタカナ語「マター」のビジネスシーンにおける意味

マターは主として、ビジネスシーンでよく使われる言葉。

まずはビジネスシーンにおける意味を確認していきましょう。

ビジネス用語で「案件」「管轄」「担当」「責任」の意味

マターはビジネス用語でいうと、案件・管轄・担当・責任といった意味が当てはまります。

取り扱いや責任の範囲を明確化するニュアンスがあることがわかりますね。

マターは英語の「matter」が語源?本来の意味や使い方

マターは元々、英語の“matter”に由来するカタカナ語です。“matter”の語源を辿ると、ラテン語で「母」を意味する“mehter”に由来することがわかります。

ちなみに“mehter”は、「物質」という意味である“material”の語源でもあります。

英語“matter”の意味は問題・事柄・事態・やっかいごと・物質といったもので、「やっかいごと」に象徴される通り、やや否定的なニュアンスが含まれる言葉といえるでしょう。

一方、日本語圏で使われるカタカナ語のマターは否定的でも肯定的でもなく、客観的な事実を述べるニュートラルな性質を持った言葉です。英語圏の用法とは異なる点に注意が必要ですね。

ビジネス用語マターの正しい使い方とは?注意が必要な場合もあり

ビジネス用語マターの正しい使い方とは?注意が必要な場合もあり

次に、ビジネス用語としてマターを使う場合を考えてみましょう。

ビジネス用語としての正しいマターの使い方とは、果たしてどのようなものでしょうか。

人名・役職・部署の後に付けて使用

ビジネスシーンではしばしば、「青木さんマター」や「課長マター」、あるいは「営業部マター」などといった言い回しをする場合がありますよね。

人名や役職、部署の後にマターを付ける場合は、業務の管轄や担当、責任の所在を表します。

正しいマターの例文を3つ紹介

具体例として、ビジネスシーンでマターを使う場合の例文を3つ紹介します。

例文

「売上概況ヒアリング用のデータはもう営業部に渡したの?」
「はい、既にボールは投げました」
「現況は営業部マターだね。ヒアリング回答までしばらく待とう」

例文

「B社の案件は誰が担当しているの?」
「あれは田中さんマターですね」

例文

「B社の案件は誰が担当しているの?」

「駐車場で車同士の軽い接触事故があったみたいです」
「駐車場でのトラブルには一切関知しないと告知しているからね。我々はタッチできないよ」
「となると、当店マターの話ではないということですね。」

注意1.多用すると責任逃れに聞こえがち

マターには管轄や責任という意味合いがあります。

特に自分の管轄ではない、もしくは担当しない物事に対してマターを多用すると、誰かの責任・自分以外の管轄だと訴える形になりますよね。

すると結果的に「自分はタッチしていない」というニュアンスが強調され、まるで責任逃れをしているかのように聞こえがちです。

マターを使う場合は多用を控え、必要最低限に留めておいた方がよいでしょう。

注意2.貴社マターは間違い?使用シーンや相手を選ぶ

ビジネスマナーの1つとして、上司や取引先に対して積極的にカタカナ語を使うべきではありません。

目上の相手に対し、本来日本で通じる内容を不必要にカタカナ語で代用すると敬意を欠き、マナーを軽視しているとみなされます。

貴社マターという言い回しも、相手先に対して使う表現としては相応しくありません。「貴社サイドで」「貴社のほうで」でも容認される場合はありますが、ギリギリの表現でしょう。

貴社マターに代わる表現としては、「貴社の側で」「貴社のご都合で」といった言い回しが妥当と考えられます。

細かいようですが、言い方ひとつで相手に与える印象は変化するため十分注意しましょう。

ビジネス以外にも!?マターの関連語の意味を調べてみました!

ビジネス以外にも!?マターの関連語の意味を調べてみました!

マターはビジネスシーン以外でも使われています。

事例を2つ紹介しましょう。

インフルエンサーデュオ「フィーカルマター」の意味

世間に大きな影響を与える存在、インフルセンサーの中でも異彩を放っているのが二人組のインフルエンサー「フィーカルマター」です。

フィーカルマターは英語名で“Fecal Matter”であり、直訳すると排泄物・糞便という意味になってしまいます。

フィーカルマターの二人は脱・人間ともいわれるほどに奇抜なメイク技術とファッションセンスを持ち、数々のユニークな映像と発言によって常に世間の話題をさらっています。

物質「ダークマター」の意味

物理化学の分野で有名なダークマター(dark matter)は、別名「暗黒物質」呼ばれる謎の物質です。

研究者によると宇宙全体の質量を計算した場合、現在認識されている物質の質量だけでは勘定が合わず、人間の目には見えない物質が存在するはずだと結論づけられています。

人間の目に見えない物質の質量は宇宙の約85%に相当し、不可視の暗黒物質という意味を込めてダークマターと呼ばれているのです。

マターとマスト意味の違いとは?

マターとマスト意味の違いとは?

マターとよく比較される言葉に、マストというものがあります。マストは英語“must”のカタカナ語で、「必須のもの」や「~する必要がある」といった意味を持ちます。

マターの場合、物事の結果については当事者の裁量に委ねられますが、マストの場合は絶対条件として結論が定まっています。

マストの用法が「必須のもの」であっても「~する必要がある」という意味であっても、結論や目的が変わることはありません。

マターとマストは、性質の面で大きな違いがあるといえるでしょう。

よく耳にするマターのフレーズをチェック

よく耳にするマターのフレーズをチェック

最後に、英語表現の中でマターを使ったフレーズを2つ紹介します。

どちらも洋楽を聴く人にとってはおなじみの表現ですね。

Doesn’t Really Matter(ダズントゥリアリーマター)の意味

“doesn’t really matter”とは、「全く大した問題ではない・へっちゃらだ」といった意味です。

“doesn’t matter”だけでも、問題ないというニュアンスは十分伝えられます。なおかつ“really”という副詞を挟むことにより、「全然」「全くもって」といったカジュアルな雰囲気が付加されるというわけです。

ちなみに米国歌手ジャネット・ジャクソンが2000年に発表した曲に、“Doesn’t Really Matter”のタイトルがつけられています。

歌詞の内容もタイトル通りストレートなので、フレーズの意味をつかむのにも適しているといえるでしょう。

Don’t Matter(ドントマター)の意味

“don’t matter”とは、「関係ない・重要ではない・どうでもいい」といった意味です。

“doesn’t matter”との違いは“It”を主語として文章を構成できるかどうかだけで、意味としては同じといえます。

例文

・It doesn’t matter to me.
(私には関係ない)

・The problems don’t matter to me.
(その問題は私に関係ない)

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