元々はIT用語だった、「リンクを貼る」というフレーズ。スマホやSNSが普及した今では、日常使いの言葉になっていますよね。
スマホは直感的に操作できるのがウリのデバイス。「リンクを貼る」についても感覚的に理解している人が多いでしょう。
改めて質問です。果たして「リンク」とは何でしょうか。「リンクを張る」という言い方もありますが、「リンクを貼る」との違いは。答えに窮してしまいがちですよね。
当記事では「リンクを貼る」を基軸に、関連する用語や情報をまとめます。IT用語の基礎固めに是非ご活用ください。
そもそも「リンク」とは?
今でこそIT用語として浸透していますが、ITが発達する以前から「リンク」という語句は存在します。
「リンク」の語源を辿れば、意味についてもスムーズに理解できるはず。まずは基礎知識から押さえましょう。
「リンク」の語源
「リンク」の語源は英単語の“link”です。“link”とは連結・接続・絆・関連を表します。
IT用語のリンクも、根底にある性質は“link”と何ら変わりません。接続・関連はもちろん、連結や絆でも意味は通じるでしょう。
語源を辿ることによって、現代語の本質を掴めることはしばしばあるもの。リンクも例外ではないのです。
「リンク」の意味
現代語のリンクは、特定の情報が他の情報と結びついていたり、関連付けられたりしていることを指します。
インターネット上ではURL(Uniform Resource Locator)を指すのが一般的ですが、IT用語としてのリンクは必ずしもURLを指すわけではありません。
例えばPCとプリンタといった機器同士の接続もリンクに当てはまりますし、ネットワークから切り離されたローカルのファイルに対するショートカットなども、立派なリンクです。
SNSの分野でリンクといえば、確かにURLとイコールですよね。上記のように、SNS以外の分野におけるリンクについても関心を持つと、いっそう見識が広がるはずです。
HTMLソースとは
「HTMLソース」とは、HTML形式のページを形成するソースコードのこと。スタイリッシュにデザインされた様々なWebページも、元を辿れば記号とテキストで構成されたソースコードの集合体です。
HTMLソースはといった具合に、半角タグで区切りながら定義していくのが一般的。
文章で表現するよりも直に見る方が理解しやすいので、WebブラウザでHTMLソースのサンプルを探してみるとよいでしょう。
「リンクを貼る」の意味は?
リンクの意味を踏まえ、「リンクを貼る」について考えてみましょう。果たしてなぜ、「貼る」という言い回しが選ばれるのでしょうか。
「貼る」とはどういう行為?
IT用語としての「貼る」は、主にファイルやテキストを貼り付ける行為を指します。テキストとは文字列のことで、URLもテキストに分類されます。
SNSが普及したおかげで、投稿欄にURLのテキストを記載するだけで簡単にリンクを生成できるようになりました。
話を簡略化すると、特定のURLをコピーしSNSの投稿欄に貼り付けるだけで、「リンクを貼る」というアクションが完結できるようになったわけです。
WebページのURLだけがリンクではない
リンクは目に見える形で存在するとは限りません。WebページのURLは比較的視認しやすいものですが、例えばサイト内にアップロードされた、特定の画像を取り上げましょう。
実はWeb上のあらゆる画像にも、URLの情報が付与されています。ところがサイトのURLのように、必ずしもブラウザのアドレスバーに表示されるわけではありません。
対象画像のプロパティを調べれば、URLの取得が可能。すなわち普段表に出ていないURLを可視化できるというわけです。
あとはコピーによって取得したURLを貼り付ければ、「当該Web画像へのリンクを貼る」というアクションを完了したことになります。
「リンクを貼る」と「リンクを張る」どちらか正しい?
「リンクを貼る」と「リンクを張る」の表記については、現在も意見が分かれています。結論としてはそれぞれの主張に妥当性があり、どちらかが一方的に間違っているということはありません。
従って文脈や前後関係に応じて適切な表記を選ぶべき、ということです。先に結論から入ったので、改めてそれぞれの表記に関する理由を押さえておきましょう。
「リンクを貼る」
「リンクを貼る」とは、主として「コピーしたリンク情報をペーストする」という意味。
SNSをメインに使用する方にとって、投稿の中にURL情報を掲載することは「リンクを貼る」という行為に他なりません。
ちなみにURLなどの文字列を都度手入力するのは現実的ではありませんので、リンク情報の取得はコピーによって行われるものと言い切ってよいでしょう。
「リンクを張る」
「リンクを生成する・形成する」というニュアンスであれば、「リンクを張る」という表現の方がより適切です。
仮に、自分がWebサイトの運営者になった状況を想定しましょう。交流のあるサイト運営者と「相互リンクを張る」という言い方はしても、「相互リンクを貼る」という表現は避けるはず。
別の視点を紹介すると、インターネットにおける“www(world wide web)”は蜘蛛の巣に例えられます。インターネットの世界において、リンクは「蜘蛛の巣」と同義です。
蜘蛛が巣を形成する際には「巣を張る」という表現をしますよね。リンクについても扱いは同じで、「リンクを張る」という表記にするべきだと考えられています。
「リンクを貼る」が一般的
「リンクを貼る」と「リンクを張る」、いずれも一定の妥当性があることはおわかりいただけたでしょう。
どちらかが絶対的に正しいということはありませんが、ユーザーの動向としては「リンクを貼る」という表記をするのが一般的といえます。
SNSを中心としたWebサービスの利用者は、運営者よりもユーザーの方が多いことからも想像がつきますね。
「リンクを貼る」には許可が要る?
インターネットを利用する際には目に見えないエチケット、いわゆるネットエチケットが不可欠です。
リンクの取り扱いも例外ではありません。「リンクを貼る」行為について、必要なネットエチケットを把握しておきましょう。
基本的には相手の許可が必要
実のところ「リンクを貼る」という行為については、様々な意見が交わされている最中。国や文化によっても評価が分かれているようです。
日本においても「リンクを貼る」行為に対する扱いは複雑で、「原則として法的な規制の対象ではないものの、一部に例外もある」というわかりづらい位置づけになっています。
ユーザーの立場で注意すべき点は、「リンクを貼る際に、許可が必要か否か」。リンクに対する考え方、取り扱い方はWebサイトおよび運営者によって異なります。
対象サイトがリンクを禁じているのであれば、やはり当該サイトへのリンクを貼ってはいけません。一方リンクフリーをうたっているサイトに対しては、特に通告なくリンクを貼り付けてOK。
ややこしいのが、リンクに対する姿勢をオープンにしていないサイトです。法的に問題はないとしても、サイト運営者によっては自身の価値観に基づき、リンク無断リンクを認めない場合もあります。
トラブルを避けるためにも、リンクを貼る行為については予めサイト運営者に確認・相談し、許可を得るのがスマートといえるでしょう。
リンクフリーってなに?
「リンクフリー」とは、自由にリンクを貼ってよいという意味。すなわちリンクを貼る行為について運営者の許可を取ったり、事後連絡したりといったコミュニケーションが不要であることを指します。
「引用」と「リンクを貼る」の違い
「リンクを貼る」行為と「引用」は、よく似ていますよね。違いはどこにあるのでしょうか。
そもそも「引用」とは、何かを主張したり発表したりする際、自分の意見を補助・補足するために第三者の文章や事例を引き合いに出すことです。
すなわち引用とは、主に著作・創作活動において使われるものと考えてよいでしょう。著作権法上、理由も目的もなく第三者の文章や事例を引用することは禁じられています。
一方「リンクを貼る」行為については、リンク元とトラブルになる原因がない限り、特段の定めはありません。
主に学術的な用途に使われる「引用」に対し、「リンクを貼る」には特段の制限が課されていないといえるでしょう。
リンクの送り方
第三者に対してリンクの情報を提供することは、「リンクを送る」という行為に当たります。
リンクの送り方にはいくつかの方法があります。代表的な要領を2つ紹介しましょう。
メールにおけるリンクの送り方
主にビジネスなどで用いられるのが、メールの本文中にリンクを貼って送信する要領です。
例えば業界のニュースに関するWebページのURLを貼り付けたり、決算発表に関する公告のPDFのURLを取得し、リンクとして貼るという要領も「リンクを送る」という行為に該当します。
ちなみにメール作成時の段階ではURLの部分はあくまで文字列であり、カーソルを合わせてもリンクとして機能しないはず。
上記の理由としてメール本文の作成中、すなわち下書きの段階ではローカルでの作業と同じ扱いであり、URL部分の文字列がネットワーク上でハイパーテキスト化されていないからです。
リンクが機能していることを確認するには、メール送信後、メール送受信BOXから当該メールを探して開いてみるとよいでしょう。URLがハイパーテキスト化されているかどうかをチェックするには、文字列にカーソルを合わせてみればOK。
ハイパーテキスト化に成功し、リンクとして問題なく機能していればURL情報が青字で強調されているはず。すなわちURLをクリックすることによって、リンク先に転送されるようになるというわけです。
LINEにおけるリンクの送り方
LINEの利用中にリンクを送る要領は、基本的にメールでリンクを送る方法と同じ理屈です。
細かな違いとして、多くのユーザーはLINEの「シェア」という機能をお使いでしょう。シェアとは実のところ、「リンクを共有する」ということなのです。
LINEなどのSNSにおいては、Web上のあらゆる情報をスピーティーに交換することが求められますよね。
WebページのURLをコピーして、トーク本文に貼り付けて、といった何段階かの手間を省く手立てとして、「シェア」の機能が誕生したというわけです。
Instagramでのリンクの貼り方やマナー
近年急速に普及しているSNS、Instagramにおいてはリンクの扱いが若干特殊です。既存のコミュニケーションツールと区別し、使い方を理解しておきましょう。
相手にリンクの許可を取る
Instagramは著作権の概念が比較的厳しく、画像などの無断掲載はNGとされています。
気に入った画像を見つけ、シェアしたいという場合はアップ主にリンクの許可を取るとよいでしょう。
ちなみにシェアもせず、無断で他人の画像をコピーし自分の所有物として扱うことは、そもそもネットエチケットとしてNGです。本来は当たり前のことですが、Instagramは仕組みの面からマナー強化にアプローチしているというわけですね。
専用のアプリを使う
Instagramではリンクを共有するための専用アプリ“Repost”を利用するのも有効です。
Instagramだとリンクを貼ろうとしてもあくまで文字列として処理され、ハイパーリンクとして機能しません。プログラム上で特殊な処理が行われているためです。
“Repost”を使えば上記の制限をクリアし、リンクを貼ることができます。ただし利用上のマナーとして、“Repost”のマークを入れてシェアするか、タグ「#repost」を付けて投稿するというのが一般的です。
まとめ
SNS普及の理由として、メールに比べてリンク情報のやり取りを手軽に行えるようになったことが挙げられるでしょう。
例えばYoutubeにアップロードされた動画のリンクを友人に教えることなどは、日常的に行われていますよね。特にエンターテイメントに関する情報交換は、やはりメールよりもSNSに適していると考えられます。
以前に比べてリンクを手軽に扱えるようになった分、利用にはいっそうのマナーやモラルが必要です。
リンクを貼るということは、他のユーザーにアクセスの道を作るということ。すなわちリンク先に何らかの影響を与える可能性があるのです。
リンクは決して自分の所有物ではなく、公共性を伴ったもの。リンクを貼る行為には、社会的な責任も付いて回るということを理解しておきましょう。