仕事をしていると、順調に自分の都合の良いことばかりが起こるわけではありません。逆に、トラブルやお断りなどできればやりたくない仕事の方が多いのが真実でしょう。
取引先やお客様の間違いを教示したり、仕事の依頼を断ることなどは日常茶飯事だと思われます。嫌われるかもしれない、あとが怖い、と考えがえてしまいますよね。
でも、それが相手にとって感じが良くないことであっても、伝えなければ後々重大なトラブルに発展しかねません。
ここでは、言いにくいことを伝えなければならないシチュエーションにはどんな場面があるのか?
その時に具体的にはどんな言い方をすれば良いのかをお伝えしますので、参考にしてください。
言いにくいことを伝えなければいけない場面
言いにくいことを伝えなければならない場面は、仕事をしていれば頻繁に起こりえます。
依頼された仕事を断らなければいけなかったり、トラブルが生じたとき、また間違いを指摘したり聞き直すときなどです。
取引先からの仕事の依頼を断らなければいけない場面
取引先に依頼されたことを断らなければいけない場面も出てきます。
断らざるをえない理由はさまざまでしょうが、それは別の問題として、断り方には注意が必要です。即座に断るような感じですと次の仕事に結びつきません。
まずは相手の話をすべて受け止め、そうしてから当方の現状を伝え、条件の変更を交渉するなどしましょう。
小さな案件ならば、「現状ではすぐにできませんが、○○日でよろしければやらせていただきます」と、前向きな表現で、現在は出来ないというニュアンスを話しましょう。
トラブルが発生した場合
トラブルが発生してしまったら、それを取り戻すことはできませんから、なるべく早急に対応することです。
まずは上司に報告するパターンです。起こしてしまったトラブルを上司に報告するのは躊躇しますよね。多分怒られるでしょう。
しかし、報告が遅れれば遅れるほど事態は悪化するものです。言いにくいでしょうが、早急に報告して指示を仰ぎましょう。
次に、取引先にトラブルを報告するパターンです。これもなかなか言い出しにくいでしょうが、やはり遅れるほど事態は悪くなる一方なので早急に連絡します。
言い訳をしたり感情的になったりせずに、とにかく謝罪することです。その後に詳細を報告しましょう。まずは相手の了承をもらい、解決手段を話し合うのが先決です。
また、トラブルに見舞われて相手に苦情を言う場面もあるでしょう。
こちらが発注者なのか受注者なのかによっても若干違うでしょうが、基本的には相手に気を使いながら苦情を言った方が良いでしょう。
特に、相手の面子をつぶさないようにするのは大切です。誰もいないところで話したり、クッション言葉を使用してやわらかく話した方が、後々の人間関係を良好にすると思います。
間違いを指摘する
「確認させていただいてもよろしいですか?」とか「先日は○○と聞いた覚えがありますが、聞き間違いだったでしょうか?」などと、確認をとる感じで質問してみるのが良いでしょう。
いきなり間違いを指摘して、相手に恥をかかせてしまうと、後々しこりが残ったりします。
また、1度聞いたことを再度聞かなければならないときも、気が引けるでしょうが、「何度も申し訳ありません」「理解が不十分ですいません」などと、へりくだって再確認するのが良いでしょう。
言いにくいことを話す時のクッション言葉
ビジネス会話の章では、伝えたいことは簡潔明瞭に結論から、とお伝えしました。
しかし、言いにくいことを話すときには、さすがに結論をズバッとというわけにはいきません。
シチュエーション別に、適切なクッション言葉を学んでいきましょう。
間違いの指摘やクレーム時のクッション言葉
「たいへん申しあげにくいのですが」・・・相手の間違いや勘違いなどを指摘せざるをえないときやクレームを伝える際に最適なクッション言葉です。
問題が生じてからでは遅いので今お伝えしています、という雰囲気を醸し出す効果があります。
このクッション言葉を言えば、相手は本気で聞くスタンスになりますから、本題の解釈も間違えることはないでしょう。
さりげないフォロー時のクッション言葉
「失礼かとは思いますが」・・・これは、わざとらしくなく相手をフォローアップするクッション言葉です。
同じ意味のクッション言葉で「出過ぎた言動とは思いますが」というのもあります。
こういったフォロー系のクッション言葉は、絶対に上から目線的に聞こえる言葉は発してはいけません。相手の立場を常に考慮して話しましょう。
どう考えても間違った言動を指摘する時のクッション言葉
「私の勘違いかもしれませんが」・・・どう見てもこの言動は間違っている問い場合でも、強く指摘すれば相手の気分は良くないでしょう。その後の人間関係にも影響します。
このクッション言葉は、一歩引いた感じですので、気分を害することはないと思います。
このクッション言葉の後に、「○○とは違うように、聞かされていますが?」という言い方をすれば、さほど波風は立たないのではないでしょうか。
断る時のクッション言葉
いただいた話の内容を断るのも気が引けますし、断りにくいものです。そんな場面でも、クッション言葉は役に立ちます。
例文
よく検討させていただいたのですが
断る時には、返事を先延ばしにせずになるべく早めにと言うのがビジネスの基本です。
しかし、その場で速攻で断るのはあまりにも失礼ですし、自分だけの考えで断るものではなく上司に相談しなければならないこともあるでしょう。
そういったシチュエーションでは、いったん持ち帰りなるべく早めに返答したいものです。
その時のクッション言葉として「よく検討させていただいたのですが」は柔らかい表現となります。その後に、断る理由を伝えましょう。
例文
他のことでしたら、お役に立てるのですが
このフレーズは、あなたの負担が大き過ぎる場合や期待にそえる確信が持てないなどの理由で依頼を断る際に使えるクッション言葉です。
断るので、相手への配慮もある言葉になります。
しかし、この言葉を話した後に、「でしたら何が可能ですか?」と返されることが多いので、それに対する返答を準備しておくことも必要です。
例文
お役に立てず残念です
相手の望みを大事に考えていながら断る言い回しですから、その意思が面持ちからも伝わらないのでは、それこそ上辺だけの表現になってしまいます。
真剣に残念であるという表情で話すようにしましょう。
まとめ
ビジネスの現場では言いにくいことを言わなければならない場面が多発します。そこをうまく乗り切らないとできるビジネスマンにはなれません。
ぜひ、言いにくいことを伝える力を身につけてください。