「好評を博す」の意味を解説!「人気を集める」との違いは?類語・敬語・例文も紹介!

好意的な評価を集める様を「好評を博す」と表現します。基本的な意味については、多くの方がご存じでしょう。

既に浸透している言葉を使う上で大事なのは、類似表現との違いを理解すること。なんとなく意味が通じるだけでは満点とはいえません。表現として最適な言葉を選ぶことが肝心です。

以上を踏まえ、当記事では「好評を博す」の意味や使い方、類語・敬語表現などを解説します。是非ご一読ください。

この記事の内容

「好評を博す」の意味を紹介!


例えば、相手と1対1の関係で「好評を博す」とは言いませんよね。「好感を得る」のような表現に落ち着くはずです。

上記を踏まえ、「好評を博す」とはどんな意味や性質があるのかを確認しましょう。

「好評」「博す」とは?


「好評」とは好意的な評価のことです。「博す」とは「博する」の文語表現で、「獲得する」「広める」といった意味があります。

「博覧会」の例からもわかる通り、「博す」には「広める・広く・広い」のニュアンスが含まれます。

したがって「博す」は、単に「得る」というよりも広い規模での作用・効果を表現すると考えられるでしょう。

広い範囲で良い評価を得る


「好評」と「博す」を組み合わせて「好評を博す」のフレーズにした場合、「広い範囲で好意的な評価を得る」といった意味を表します。

「博す」の性質により、ある程度の母集団・規模における複数の高評価が根拠となるのです。

「好評を得る」との違い


「好評を博す」と「好評を得る」との違いは、適用範囲の違いです。

「好評を得る」の場合、極端にいえば1人から好意的に評価されればクリアですよね。一方「好評を博す」は、世間・集団・組織といった広い範囲からの評価を得なければ成立しません。

大事なポイントなので、しっかり押さえておきましょう。

「好評を博す」の使い方や使われる場面は?


「好評を博す」の意味を踏まえ、どのように使うべきか、またどんな場面で使うのが相応しいのかを考えてみましょう。

対象が公開された事後のリアクション


「好評を博す」の表現が成立するには、そもそも第三者から評価される状況が前提となります。評価を得るには対象を自分の手元から離し、公開しなければなりません。

というのも、評価は公開されたものに対するリアクションの一種だからです。いわゆる「リリース」「解禁」といったプロセスを経て、はじめて第三者からの評価を得られる段階に到達します。

以上より「好評を博す」ためには、まず評価されるべき対象を世間に向けてリリースする必要があるのです。

商品やサービス


第三者に公開して評価を受ける対象は、商品・サービスが代表的。

わかりやすい例としてAmazon.comや価格.com、あるいは食べログなどで評価されているのは商品・品質・接客・料理の質などです。

商品やサービスは、公開した段階で第三者からの評価を受ける対象に切り替わるものと理解する必要があります。

イベント・演技・催し物


商品・サービスとは別に、イベント・演技・催し物なども評価の対象と考えるべきです

イベントや興行は集客・顧客満足の面ではサービスの一種ですが、店舗を構えて日常的に行うことが少ないという点で区別します。

提供した内容が優れており、来場者に満足を与えることができれば「好評を博す」「好評を博した」と表現してよいでしょう。

「好評を博す」の類語・言い換え表現を紹介!


「好評を博す」は文語表現なので、やや堅苦しい印象を与える場合があります。

紹介してきた基礎知識を踏まえ、「好評を博す」の類語・言い換え表現を考えてみましょう。

「高く評価される」


「評価」に注目し、より平易な言い回しをするには「高く評価される」のフレーズも妥当です。

「好評を博す」とはどういう意味かと訊ねられた際、わかりやすい言い換え表現として真っ先に挙がるのが「高く評価される」でしょう。

ちなみに「高い評価を得る」と同義であるものの、「高く評価される」は受動形です。

動詞「博す」を能動とみなすか、それとも受動とみなすかで解釈が分かれるため、受動とみなす場合は「高く評価される」と言い換えましょう。

「支持を集める」


「支持を集める」とは、賛同者を集める・サポーターを獲得するといった意味合いです。

「高い評価を得る」と似通っていますが、「支持を集める」の場合はより直接的な支援・サポートのニュアンスが強まります。

ちょうどスポーツ観戦におけるファン・サポーターを獲得する、といったニュアンスだと理解すればよいでしょう。

「良い評判を得る」


「良い評判を得る」は「高い評価を得る」と概ね同義です。注意点として「評判」は「評価」よりも「人気」の色合いが強いため、全く同じ感覚で使うのは避ける方がよいでしょう。

「人気を集める」


「人気を集める」は人を引き付ける・好意的に注目されるといった意味合いです。

「好評を博す」との違いとして「人気を集める」は商品やサービスだけでなく、人物・発言・パフォーマンスなども対象になる場合があります。

例えば、タレントやユーチューバーなどがわかりやすいですね。いわゆる「バズる」「バズった」対象についての形容表現も、「好評を博す」よりは「人気を集める」の方が適切です。

「好評を博す」を敬語で表すと?


「好評を博す」は文語なのでやや固い表現であるものの、敬語ではありません。敬語を使った言い方を紹介します。

高評価をいただく


「好評を博す」を平易な敬語で表現するなら、「高評価をいただく」が妥当です。

話し言葉としても書き言葉としても問題なく、平易ではあるものの失礼に当たることはありません。

「好評を博す」を敬語で言い換えるなら、多くの場合は「高評価をいただく」でOKです。

支持を賜る


「好評を博す」と同様、堅苦しいトーンで敬語にする場合は「支持を賜る」と表現するとよいでしょう。

「支持を賜る」における動詞の「賜る」とは、目上の人物からもらう・受け取る行為を謙譲語で表現したもの。尊敬語としての「賜る」とは異なります。

したがって「支持を賜る」とは、目上の相手から支持される・支援してもらうといった意味合いです。書き言葉として使うのがよいでしょう。

「好評を博す」を使った例文3選!


応用編として、実際に「好評を博す」を使った文章を作ってみましょう。

例文

ザ・ビートルズの「プリーズ・プリーズ・ミー」は1963年発売の1stアルバム。いわずと知れた出世作で、全英アルバムチャート30週連続1位と大好評を博した。

例文

2000年代初頭に好評を博すも、材料不足により販売終了した名作ローファーが12年ぶりに復活。マニア垂涎の1足です。


「好評を博す」の英語表現を紹介


最後に、「好評を博す」の英語表現を紹介します。

・“gain popularity”(人気を得る・好評を博す)
“We gained popularity by our 1st album.”
(私たちは最初のアルバムで好評を博しました)

・“gain good reputation”(高評価を得る・好評を博す)
“His work gained him a high reputation.”
(彼は研究によって高い評価を得た)

まとめ


「好評を博す」は、意味そのものよりも本質をつかむのが大事なフレーズです。字面のみを追うよりも、具体的な場面や図式をイメージする方がよいでしょう。

類語・例文などを参考に、是非正しい使い方をマスターしてください。

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