「佩いて」はどんな時に使う言葉?「刀」と組み合わせる?意味・使い方・類語も解説!

やや古い言い回しの1つに「佩いて」というものがあります。「帯びて」「身につけて」といった意味合いであり、帯刀の風習がなくなった現代ではほとんど使われることがありません。

一方で、近年の見逃せないトレンドとして刀に関するブームが起こっています。ご存じの通り、漫画の世界では「鬼滅の刃」が世界的な大ヒットを記録しました。

演劇の分野では「刀剣乱舞」「るろうに剣心」の実写化が大きな話題に。ゲームにおいては、和風剣戟RPGが1つのジャンルとして確立しています。

以上を踏まえ、刀を帯びた様を「刀を佩いている」「刀を佩く」「佩刀」と表現することは、教養・雑学として有用と考えられるでしょう。

当記事では「佩いて」について、刀を引き合いに出しながら解説します。豆知識としても役立ちますので、ぜひご一読ください。

この記事の内容

「佩いて」の基礎知識を解説!


「佩いて」を単語として使う機会は少なくイメージしづらいものの、刀と組み合わせることでわかりやすくなります。

刀を佩く場面をイメージしつつ、意味・用法を考えてみましょう。

「佩いて」の読み方


「佩いて」は「はいて」と発音します。「佩いて」の読みをそのまま使うフレーズとしては、「刀を佩いている」「刀を佩いて歩く」といったものが主です。

「佩いて」の語源


「佩いて」「佩く」の語源・由来は明らかになっていないものの、上代から近世にかけて、天皇・大臣といった身分の高い人物がまとった礼服の付属具として「玉佩」に関する記録が残っています。「玉佩」は、腰に帯びる玉状の装身具です。

また平家物語にまつわる書物『長門本平家(13C前)』七の中には、「駑馬一疋秋霜一佩まいらせ候とて」の記述も残されています。

「佩いて」の意味


「佩いて」は動詞「佩く」の活用形で、刀や装身具類を帯びた・身につけた様を表します。主に腰に帯びた状態を指すもので、「穿いて」や「履いて」とは同音異義語です。

「刀を佩いて」の類語を紹介!


「佩いて」と組み合わされる割合が多いキーワードの1つに、「刀」があります。「刀を佩いて」のフレーズと類語を理解することで、「佩いて」の意味・用法を的確にマスターしましょう。

刀を佩用する


「佩用」とは、身に帯びて用いること。「刀を佩用する」の場合は刀を携行し、使用することを表します。

帯刀・帯刀する


「帯刀」は刀を帯びることで、単語そのもので「刀を佩いて」と同じ意味を表します。

1876年の明治維新に伴って廃刀令が施行され、日常生活の上では帯刀の風習はなくなりました。今日では、剣道の所作に帯刀の名残が見られます。

「佩いて」の意味の違いを紹介!


「佩いて」には同音異義語がいくつか存在します。代表的な3語について、それぞれの違いをご確認ください。

穿いて


「穿いて」とは、足を通して下半身に衣類を身に着けた状態を表します。

「穿」には穿つ・貫くの意味合いが含まれるため、単に上から被せた・覆ったといった状態は該当しません。

足を通す、すなわち衣類に空けられた穴を穿って身に着ける行為が前提となるのです。

履いて


「履いて」は下半身用の衣類・履物を身に着けた状態を表します。

「穿いて」とよく似ているものの、靴・下駄といった履物も対象となるため、必ずしも足を通しての着用とは限りません。

帯いて


「帯いて」とは、腰に帯びた状態を指します。「帯」は腰に巻くことが前提であるため、「腰に帯いて」と重複表現する必要はありません。

ちなみに今では「帯いて」も古めかしい表現とみなされており、現代語としては「帯びて」「帯びた」の方が妥当です。

「佩いて」を使った例文3選!


基礎知識を踏まえ、「佩いて」を実際の文章に組み込んで運用してみましょう。

例文

刀を佩いて門の警護に当たっている。

例文

脇差を腰に差し、なおかつ太刀を佩いて備えるのが武士の在り方だ。

「佩いて」の英語表現は?


最後に「佩いて」に近い英語表現を2つ紹介します。

・“Wear on the waist”(腰に付けている)
“He is Wearing a sword on the waist”
(彼は刀剣を帯びている)

・“wearing”(身に着けている)
She is wearing a kimono.
(彼女は着物を身に着けている)

まとめ


「佩いて」を使う場面は多くありません。代わりに使える言葉も多く、優先順位は高くないでしょう。

しかし現在、刀を軸としたエンターテイメントは1つの文化になっています。武士に限らず様々なキャラクターが刀を佩いて歩く様は、むしろ身近な映像として提供されているのです。

付帯状況の描写として「刀を佩いている」と一言述べることで、文化的な造詣の深さも表せるもの.。ぜひ当記事を参考に、正しい使い方をマスターしてください。

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