ビジネスにおける言葉遣いは、思っている以上にとても重要です。正しい言葉遣いができているかどうかで、相手に与える印象が違ってしまいます。
間違った言葉遣いで、できない人と思われてしまうのはとても残念ですね。相手を不快にさせないような正しい言葉遣いや表現をしっかり覚えましょう。
あいまいな表現は禁物!正しい言葉遣いとは?
店頭での会話を例にみてみましょう。
例文
「こちらの商品ですと、一応、木曜日には入荷するので来週には商品をお渡しできる感じですが、よろしかったでしょうか?配送希望であれば、うけたまわりますが・・・」
お客様にお伝えする内容自体は間違っていませんが、ビジネスにはふさわしくない表現になっています。
1)一応
「一応」「多分」など、あいまいに表現すると、聞いている相手は、本当に木曜日に入荷するのか不安になります。
また、なぜ正確な入荷日を調べてくれないのかと、店員の対応に不信感を抱きます。
2)~感じ
若い人たちの会話でよく使われる表現ですが、ビジネスではふさわしくありません。
明確に答えられないのであれば、「現時点では、木曜日に入荷する予定です」 などの表現がよいでしょう。
3)よろしかったでしょうか
「よろしかったでしょうか」も最近よく聞くフレーズですが、過去形で聞くことではないので、「よろしいでしょうか」と言うのが適切です。
4)ますが・・・
言葉の最後を「ますが・・・」 「ですが・・・」 など、中途半端に終わってしまうと、あいまいに伝えている印象になりますので、相手も不信感を抱きます。
最後の語尾までしっかり言うことで、明確な態度を示せますので、相手も安心して答えることができます。
さきほどの応対を、ビジネスでの適切な表現でみてみましょう。
「こちらの商品ですが、木曜日に入荷する予定です。金曜日以降でしたら確実に商品をお渡しすることが可能ですが、よろしいでしょうか?配送のご希望がございましたらうけたまわりますが、いかがなさいますか?」
このように応対すると、今日は商品を持って帰れないとしても、いつなら入手できるかが明確ですので、安心して商品を検討していただけます。
また、丁寧に正確に応対されていると感じられるため、良い印象を与えることができるでしょう。
覚えておきたいよく使うフレーズ
よく使う言葉は、目上の人に対してのふさわしい表現を覚えておくとよいでしょう。
正しい言葉遣いは、相手に対して敬意を示すことになります。
はい、分かりました。了解しました。
目上の人には 「承知いたしました」 「はい、かしこまりました」などが適切です。
ご苦労様です
目下の人に使う表現です。
目上の人には「お疲れさまです」が適切です。
知りません
「知りません」ですと、言い放つような印象があります。
「分かりかねます」 「存じておりません」 が適切です。
「申し訳ございませんが、私には分かりかねます」とクッション言葉を入れると、さらに丁寧です。
すみません
「すみません」は日常よく使われる言葉ですが、あいまいな表現です。
感謝を伝える場合は「ありがとうございます」 、謝罪をする場合は「申し訳ございません」と、きちんと伝えましょう。
「すみませんが、教えてもらえますか」と言う場合は、「申し訳ございませんが、教えていただけますか」と言うのが好ましいです。
なるほどですね
「なるほど」と言うのは、目上の人に対しては失礼になります。
「おっしゃるとおりですね」 「確かに、そのとおりですね」 などがよいでしょう。
~の方は
「~の方」も若い人たちの間でよく聞く言葉ですが、日本語として間違った表現になります。
「田中の方は外出しております」 → 「田中は外出しております」
「お手洗いの方はこちらです」 → 「お手洗いはこちらでございます」
~になります
「~になります」も最近よく聞く言葉ですが、日本語としてはおかしな表現です。
「こちらが本日の資料になります」 → 「こちらが本日の資料でございます」
「100円のお返しになります」 → 「100円お返しいたします」
まとめ
敬語や美しい言葉遣い、適切な表現は、相手に敬意を示し、コミュニケーションをスムーズにします。また、相手に与える印象も良くなります。
使い慣れるようになるまで時間はかかるかもしれませんが、日々意識して、身につけていきましょう。