「ニーズ」の意味とは?用法は?ウォンツ、ベネフィットもセットで説明します!

元々経済用語だった語句が、ニュースなどで使われていくうちに一般用語になる場合がありますよね。代表格というべき言葉が「ニーズ」です。

経済用語といっても決して意味は複雑ではなく、むしろシンプルといえるでしょう。

だからこそ、基本はしっかり押さえておきたいですよね。

ニーズの意味や用法を理解し、適切に運用できるようにしていきましょう。

この記事の内容

ニーズの意味とは?2つの種類を詳しく解説

カタカナ語は複数の意味を持つ場合がありますよね。

ニーズにも2つの意味があります。

それぞれ解説しますので、チェックしてみましょう。

ニーズの意味は「需要」や「必要性」

ニーズの意味は大別して、需要と必要性の2つです。主に需要という意味で知られているかもしれません。

由来である英語を紐解けばわかる通り、ニーズは元々必要性という意味です。

需要のニュアンスは、後から派生したものだと理解しておくとよいでしょう。

ニーズの英語表記は「needs」

ニーズは英単語“needs”に由来するカタカナ語。ラブソングなどでは“I need you”という表現がおなじみですよね。あなたが必要だ、と歌っているわけです。

需要と訳しても一応通じますが、やはり「必要」という訳の方が相応しいでしょう。

ちなみに“needs”は“need”の名詞形、かつ複数形です。経済用語で概念やものを表す際には、複数形になることも。

欲求が“wants”、物資が“goods”と表現されるのと同じ理屈ですね。

潜在ニーズとは?

潜在ニーズとは、漠然とした願望のニュアンスを含むニーズのことです。

欲求の形が明確に定まっていないので、強いこだわりや到達点がありません。

「なんとなく、こんな風になったらいいなぁ」といった具合で、姿勢としてはやや消極的です。

顕在ニーズとは?

顕在ニーズとは明らかな形で表出したニーズのことです。

欲しいものや必要なものがある程度定まり、自分自身でニーズを認識しているのが特徴です。

後述するウォンツの前段階に当たる状態といえるでしょう。

様々な分野によるニーズの意味や使い方をチェック

ニーズの意味や使い方は、分野によって様々。3つの分野を例にとって紹介します。

ビジネスやマーケティングによるニーズの意味「顧客ニーズ」

ビジネスやマーケティングにおけるニーズとしては、顧客ニーズが代表的です。ビジネスやマーケティングの基本は、需要と供給ですよね。

顧客の需要に対して商品やサービスを供給するサイというサイクルを繰り返すのです。

顧客ニーズとは、「顧客の需要」を簡潔にまとめたフレーズと理解すればよいでしょう。

医療や看護によるニーズの意味「長期的(短期的)ニーズ」「生活ニーズ」

医療や看護の分野にもニーズを使ったフレーズがあります。

代表的なフレーズは長期的(短期的)ニーズと、生活ニーズの2つ。長期的(短期的)ニーズとは、継続利用を前提とした医療や看護に関するニーズです。

期間は長期・短期と区別されるものの、1度の利用では終わらないのが特徴です。

生活ニーズとは、日常生活を快適に送るためのニーズです。

医療や看護を受ける時、そもそもの日常生活がままならない場合がありますよね。例えば、重傷で入院する場合などは深刻です。

満足に体を動かせないとなると、食事や入浴ができないのではと心配になりませんか。食事や入浴といった、平常であれば当たり前の欲求こそが生活ニーズなのです。

福祉や介護によるニーズの意味「依存的ニーズ」

福祉や介護の分野におけるニーズとして、依存的ニーズが挙げられます。

依存的ニーズとは、福祉・介護の供給者により提供されるサービスに「依存したい」という欲求・志向のこと。

主として施設福祉サービスを最大限利用しようとするニーズであり、自立的ニーズとは相反する概念といえます。

ニーズを用いたフレーズを例文でチェック

ニーズを単語として運用するのは比較的簡単ですよね。

今度はフレーズとして、文章の中に組み込みつつ運用してみましょう。

ニーズがある

ニーズがある、というのは需要や要望が存在している様を指します。

需要に対して供給がなされていない状態ともいえるでしょう。

例文

介護業界は人手が不足している。需要はあるものの、供給が追いついていないということだ。ニーズがあるのは確かなので、国や行政からの支援も期待したい。

ニーズに対応する

ニーズに対応するとは要望や要求に対応する、という意味合いです。

先に需要がある状況を把握し、後追いで供給することともいえます。

例文

かねてからのニーズに対応し、新しい会計方法として自動レジシステムを導入した。従業員からは人手が少ない、お客さんからはレジ打ちが遅いと言われ続けてきた。自動レジによって一挙に問題を解決できるはずだ。

ニーズを把握する

ニーズを把握するとは、マーケットの需要を把握することです。

主に商品やサービスを供給するに当たっては、事前にマーケティングを実施するのがセオリーですよね。

ニーズを把握するとは、マーケティングを経て商圏の需要を把握することといえるでしょう。

例文

麻婆豆腐の専門店を始めようと目論んでいる。マーケティングを行いたいところだが、近隣に競合する店や業態がほとんどないのでニーズを把握するのが困難だ。

ニーズに応える

ニーズに応えるとは、要望や要求にできる限り近い形で応えることです。「ニーズに対応する」の場合、要望を受けて少しでも動きを起こせば対応した格好になります。

結果がユーザー層からの要望にそぐわなくとも、供給者側としては対応をはかったといえるのです。

一方「ニーズに応える」という場合、ユーザー層の意見に沿った形で反応する必要があります。呼応と言い換えてもよいでしょう。

ユーザー層の声に対し、できる限り要望を汲んだ結果を供給する必要があるのです。よく似ていますが、対応と応対の性質は異なります。

「応える」という場合は、応対の性質に近いと考えるべきでしょう。

例文

ウチの店は身近なお客さんのニーズにできるだけ応えるのがモットーだ。大企業の場合は細かいニーズに全て応えることはできない。しかしウチの場合は規模が小さい分、小回りが利くのがウリだ。

ニーズの類語や対義語をチェック

ニーズには類語や対義語があります。

違いがわかりづらかったり、あまり認知されていなかったりする言葉です。

解説をつけるので是非マスターしましょう。

類語「ウォンツ」の意味と違い

ニーズの類語として、ウォンツが挙げられます。ウォンツとはニーズの内容が絞り込まれ、具体性を伴ったものです。

顕在ニーズの発展形と考えればよいでしょう。手に入れたいものの形状や性質などが明確になっていたり、あるいは具体的な商品名まで定まっていたりという場合が該当します。

単純な欲求や要望ではなく、用途や目的が定まっているのが特徴です。

対義語「シーズ」の意味

ニーズとは反対に企業が主体となって、新たな技術・材質・サービスを生み出す場合があります。

「ビジネスの種」という意味で、シーズと呼ばれています。企業が起点となって新しい価値やノウハウを発信していくのが特徴です。

シーズによって新たなビジネスモデルが誕生する場合もあります。アップル社のiPhoneシリーズは典型例といえるでしょう。

消費者のニーズをウォンツに変える!ベネフィットでウォンツを刺激がカギ

ウォンツとはニーズが発展し、具体性を帯びたものだとお伝えしました。企業心理とすれば、消費者のウォンツを自社商品に向けてほしいと考えます。

消費者が持つ潜在ニーズを刺激して顕在ニーズに、さらにウォンツに変えられればしめたものですよね。

カギとなるのがベネフィットです。ベネフィットとは便益のことで、利益・利便性・快適さといった幅広い恩恵を指します。

ベネフィットを生み出す方法は無限で、シーズを育てる方法もあれば、CMやキャンペーン活動といった地道な方法もあります。

近年では市場の独占が難しくなっていますよね。独占できないと判断するならば、次はどのように策を講じますか。ベネフィットをアピールする作戦を立てるべきでしょう。

キャッチコピー、CMの映像効果でも構いません。結果としてウォンツにつながることが重要なのです。

競合他社との差別化を図り、抜きん出るためにはベネフィットが欠かせないということですね。

商品の魅力に加えて、優れたベネフィットを上乗せできる企業が勝ち残っていくといえるでしょう。

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