ビジネスシーンでは、取り引き先はもちろん、取り引きのない会社に問い合わせの電話をかけるケースがあります。
スムーズに質問をし、知りたかったことを聞くためには、どのようにしたらよいでしょうか。
初めて電話する会社であれば、あなたの話し方で会社の印象が決まってしまうことも。この記事では、問い合わせ電話のかけ方、そのための準備について、マナーのポイントについても紹介します。
問い合わせ電話をするときは事前準備が大切
知りたいことがあって電話をしたいと思ったとき、勢いのまま電話をかけてしまってはいけません。
電話をかける前に、相手に聞かないと分からないことかどうか、確認する必要があります。
また電話をかけるとしても、スムーズに電話で話を進められるように、事前の準備も大切です。
問い合せる前に自分で調べる
問い合わせをしたいと思ったとき、すぐに電話をするのではなく、まずは自分で調べましょう。
自分で調べれば分かるようなことを、わざわざ相手に尋ねるのは失礼です。相手に余計な手間をかけさせない、貴重な時間を無駄にさせないための配慮が求められます。
関連資料を用意する
問い合わせをする内容の関連資料は、手元に用意しておきましょう。
話の流れで、確認したい場合などに、すぐ見ることができるようにしておくと、電話口で相手を待たせずに済みます。パソコンも立ち上げておくとよいです。
また、すぐにメモがとれるよう、メモ用紙と筆記用具も準備しておきます。
事前に資料を共有する
問い合わせ内容がシンプルではない場合や、関連する資料などがある場合は、電話をかける前にファックスやメールで送っておくとよいでしょう。
事前に相手も資料を確認でできると、話がスムーズに早く進みます。
問い合わせる内容を整理する
問い合わせの電話をしたものの、話しているうちに聞きたいことの要点が分からなくなってしまうこともあります。
電話をかける前に、問い合せたい内容や目的を整理しておきましょう。質問の順番で、箇条書きに書いておくとスムーズに問い合わせできます。
問い合わせ電話のかけ方
事前の確認や準備が済んだら、電話をかけます。その際の注意点をみていきましょう。
最初に名乗る
問い合わせの電話をかけるときも、まずは自分の会社名と名前を名乗ります。誰から電話がかかってきたか分からないと、相手は不信感を抱いてしまいます。
名乗ったあとは、「○○の件でお問い合わせいたしたく、お電話差し上げました。」 と用件を伝えます。
もし、担当者が分からない場合は、「ご担当の方をお願いできますでしょうか」と尋ねます。
電話での挨拶は簡潔に
先方の状況もわからないので、電話での挨拶は、できるだけ簡単にすませて本題に入ることを心がけましょう。
「おはようございます」や「お世話になっております」などの一言でも、十分和やかな気持ちになります。
ただ、取引先に久しぶりに電話するような場合は、「ご無沙汰しておりますが、お変わりありませんか」といった心配りは欲しいですね。
問い合わせの用件を伝えるフレーズ
「○○の件について、少々お伺いしたいのですが、よろしいでしょうか」
「○○の件についてお聞きしたいことがあり、お電話いたしました」
「○○について3点ほどご質問したいと思いまして、お電話をさしあげました」
問い合わせに対する回答を復唱確認する
問い合わせをして、相手が回答をしてくれたら、必ずメモをとりましょう。聞いたときは分かっていても、後で記憶があいまいになってしまうものです。
また、お互いの認識がずれないように、回答を復唱して確認するとよいでしょう。
感謝の気持ちを表す
問い合わせに対応してくれたことに感謝の気持ちを表しましょう。
用件を話す前であれば、「お忙しいところ、恐れ入ります」 「ご面倒をおかけします」 などのクッション言葉を使うとよいです。
最後は、問い合わせに対応してくれたことに感謝し、「お手数おかけしました。ありがとうございます」などのひと言を忘れないようにしましょう。
問い合わせ電話の会話例
それでは、取り引きのない会社に、商品に関する問い合わせの電話をかけたときの会話例をみていきましょう。
「○○社の田中と申します。新商品の件でお伺いしたいことがあり、お電話いたしました。お忙しいところ恐れ入りますが、ご担当の方はいらっしゃいますでしょうか」
「新商品の件ですね。どのような内容でしょうか」(詳しい問い合わせの内容を話し、回答をもらう)
「ご親切にありがとうございました。私、○○社の田中と申します。失礼ですが、お名前を伺ってもよろしいでしょうか」
取引先への失礼のない電話マナー
取引先へ電話をかける場合、自分の名前や会社名を先に名乗りましょう。
取引先の担当者と付き合いが長くなると、接待などで仕事がしやすい関係になるはずです。すると、担当者にラフな口調になったりマナー違反になったりすることも。
どんなに相手と仲よくなったとしても、自分から名乗ることがマナーです。あくまでも会社同士のつながりであることを考え、礼を欠いてはいけません。
マナーを怠ると自分が恥ずかしいだけでなく、会社の看板にもキズをつけることになります。
まとめ
電話をかける前の準備が、いかに大切かお分かりいただけましたでしょうか。
相手の時間を無駄にとらせることなく、聞きたいことを要領よく聞くためには、事前に調べる、関連資料を準備する、質問する内容を整理しておくことが重要です。
問い合わせの電話をきっかけに、取り引きが始まる可能性もあります。
会社の顔として電話をかけていることを、常に念頭におき、良い印象を持ってもらえるように、そして良い関係がつくれるような電話のかけ方をマスターしましょう。