社交文書は、会社同士のコミュニケーションを深めるツールとして重要です。
事務的なビジネス文章は社外文書として扱い、社交文書は相手に喜んでもらいたいという気持ちを込めて、気遣いや心配りで信頼関係を築きましょう。
本来であれば、社交文書は自筆に勝てるものはありません。ただしなかなか難しい面もありますので、一筆添える程度でもOKです。
この章では、そんな社交文書の基本をマスターしていきましょう。
社交文書とはどんなものか?
社交文書といってもよく理解できない方もいらっしゃるかもしれません。
先に学んだ「社内文書」や「社外文書」と同じくビジネス文書ですが、こちらは節目の挨拶やお見舞い、また案内状など、お互いのコミュニケーションを円滑にするための文書です。
あなたの「思い」を盛り込めれば最高!
ビジネスに関連する文書の中でも、特別に礼節的な意味合いが強い文書が社交文書です。
仕事上だけの付き合いという割り切った関係ということも多いでしょうが、そういった関係であっても節目の挨拶状や年賀状などの社交文書を贈ることで、人間関係も滑らかになります。
社交文書は、一般的な業務に関係する社外文書と違い、礼節や敬愛の気持ちを表すことが大変肝心だと言えます。
ある程度形式や格式に準じた言い回しや敬語の言葉になることが多いです。礼儀という面で他の文書とは全く違っています。
しかし、社交文書はコミュニケーションツールとも言えるので、基本的には丁寧で形式的書くことと同時に、あまりに形式ばっていては逆に失礼なケースもあります。
そんな場合には、文書の中に自分の思いを上手に散りばめることも必要です。できれば自筆で書いたり、そこまでは無理でも一筆添えたりすれば、評価は断然上がります。
社交文書は縦書きが基本
ビジネス文書はほとんどが横書きが基本です。しかし、社交文書は縦書きが基本です。
伝統的に日本語は縦書きが特に美しいと言われているのが理由ということです。
社交文書は、礼節や格式に重点を置くきますから、縦書きにするのがレベルの高い心遣いということなるのでしょう。
また、葉書よりも封書の方が格上です。しかし、近年では案内状や招待状など相手が確認したり持ち運んだりすることが多い文書は葉書が一般的になりました。
社交文書は文頭に季節の挨拶を
社交文書を書く時には、概ねフォーマットを用いることが多いと思います。そのフォーマットには、たいてい定型の季節の挨拶文があります。
社交文書は、相手を尊重し礼節を示すのが基本ですから、社内文書のようにいきなり用件を書くのはNGです。
相手を軽視していると認識されてしまいます。季節の挨拶は、その季節によって違いますので、時期を誤らないよう気をつけてチョイスしてくださいね。
社交文書にはどんなものがある?
社交文書にも、挨拶から招待、またお見舞いや贈り物などいろいろな種類があります。
社交文書の種類
内容 | 文書の種類 |
時候の挨拶 | 年賀状、暑中見舞い、残暑見舞い、寒中見舞いなど |
仕事上の挨拶 | 転勤・退職、移転や開設などの挨拶 |
案内・招待 | 展示会などの案内状、招待状など |
お見舞い | 病気見舞い、お悔やみなど |
お祝い | 開店・開業祝い、栄転祝い、受賞祝いなど |
贈り物 | お中元、お歳暮、お祝い品の添え状など |
挨拶状
ビジネス関連の社交文書その中では、挨拶状が基礎中の基礎になります。ビジネスのひと区切りの時には、関係者の人達に挨拶を行うことで、交流関係がスムーズになります。
挨拶状を作成する際には、縦書きで礼節を重視した言い回しを意識するのがベターです。
相手が挨拶状を見ただけで内容がすぐに分かるように書きましょう。挨拶状を送るタイミングも大切ですから気をつけてくださいね。
お悔やみ
お悔やみの言葉を思いを込めて書いてください。封筒には、色や柄の入っていないものを選びましょう。
また、不幸なことが続かないようにという意味で、「いよいよ」「たびたび」などの重ね言葉は使用しないように注意してください。
社交文書のフォーマット
社交文書には、大抵の場合定型のひな形が用意されています。
ただし、封書と葉書の使い分けや基本的な書き方などもありますので、ここできちんと学んでくださいね。
社交文書の使い分け
種類 | 内容 |
封書 | お礼状や詫び状などの内容量の多い文書、また目上の人に出す場合 |
葉書 | 時候の挨拶、見舞い状、招待状、案内状など |
社交文書の書き方
事例 | 使い方 |
頭語と結語 | 合わせて使う |
前文 | 時候のご挨拶、謝辞の順番で書く |
本文 | 「さて」などのフレーズで始める |
末文 | 挨拶文、乱筆の陳謝、健康を祈る文言などで締める |
後付け | 日付は真ん中より上へ、署名は本文の一番下へ揃える |
宛名 | 本文の1文字目と同じ高さかから書き始める |
追伸 | なければ書かなくても良い。書き漏らした際に書く |
主文と末文
主文を書く際の覚えておきたい点ですが、何よりも敬意のこもった思いを表現することです。
しかし、思いが強いあまり、敬語の使い方を間違えたり、二重敬語になったりする例が時折見受けられます。その点には気を付けなければいけません。
末文とは、本文を締め括るお礼の言葉のことです。まずは結びのあいさつを書き、「敬具」などの結語で終わりにしましょう。
まとめ
社交文書はコミュニケーションを深める重要なツールです。
定型の文書も多いですが、その中に自分の思いを込めれば評価もアップします。
気遣いや心配りが現れるのも社交文書と言えますから、基本をマスターしましょう。