誰かに料理を教わる時、ただメモを取りながらじっと見ているよりも、適度にメモを取りながら一緒に作業する方が身につきます。
メモすることの主な目的は、記録する・記憶する・伝達するということですが、注意しなければメモをするだけで料理を覚えようとするように、メモすることそのものが目的になってしまう可能性があります。
ここでは、少し掘り下げて、メモを取ることの大きくて重要な目的や役割について考えます。
メモを取る最終的な目的は成長すること
大人になったら、あとは社会人として、人間として、ずっと成長し続けていくのが理想と言えるでしょう。
未経験のものに挑戦したり、苦手なことを克服することで、進化し続けていくのです。
これはメモを取る最終的な目的であると言っても、決して大げさではありません。
メモをする際には次のことを意識して取り組みましょう。
メモを取ることは明確なビジョンを描く訓練になる
記録・記憶・伝達が目的のメモを取る際にも、明確なビジョンを描く訓練をしましょう。
何かを記録する場合は、誰かのコメントをだらだらと書き続けるのではなく、その要点は何か、自分は何をすれば良いのか、最高の結果・成果は何かを考えながら書きます。
伝達する場合も、メモを読んだ人が、どんな用件なのか、何をすれば良いのかがはっきりと分かるようにメモを作ります。
メモは、自分や他の人をより良い行動に促すものでなければなりません。いつもそれを意識すれば習慣化し、メモとは関係ない場面でも、まるで頭の中のメモに書くように筋道立てた考え方ができるようになります。
メモを取ることで目標達成のために努力する習慣ができる
仕事を行う上で身近なメモはToDoリストかもしれません。今日何をやるか、今月、またプロジェクトが終わるまでにどんなタスクがあるかを羅列する作業です。
手書きであれば、達成した項目は線を引き、進行状況を把握しながら業務を行うことができます。
これには業務を正確に効率的に行えるということだけでなく、目標達成のために努力するという経験を積み重ねることができるという利点があります。
その経験を積み重ねることで、目標のない行動を最小限に抑え、あきらめず努力することを習慣にすることができるのです。
聞き上手話し上手になれる
メモ上手な人は、聞きながら話しながら頭の中を整理することができます。
話を聞く際それを文章として受け止めることができるので、途中で疑問や質問が浮かんでも話の腰を折ったりはしません。
理解力やセンスも磨かれているので、簡潔で喜ばれる感想をサラリと述べることができます。
なりたい人になれる
誰にでも憧れの人がいるでしょう。それは身近な人の場合もありますが、有名人の場合もあるかもしれません。
自分もあの人のように優しくなりたい、賢くなりたい、きれいになりたい、憧れる理由は様々ですが、なりたい人になるための近道は憧れの人をモデルにすることです。
その人がどんな考えを持っていて、どんなライフスタイルを送っているか、言葉の端々から伝わる情報を、タブレットやスマートフォンのメモ機能に残します。
後から見直し真似できることは真似したり、自分流にアレンジして憧れの人に近づく努力をすることで、なりたい人になる一歩を踏み出すことができるかもしれません。
大切な場面でのメモ
臓器提供意思表示カードというものがあります。自分の心臓が停止、または脳死と判断された場合、意識が無い自分の代わりにそのカードが意思表示をしてくれるのです。
また、どんな医療を受けたいかの意思を表すための書類もあるようです。
つまり、メモには自分に意識がない時でも大切な意思を伝えるという、大きな役割を持つものもあるのです。
人生の最後にもメモがある
エンディングノートという言葉を耳にします。昔は死ぬこと、死後のことを考えるのは不吉、悲しい気持ちになるといったマイナスのイメージがありました。
しかし最近は、健康で生活を楽しんでいる間に、自分の人生のエンディングを考えノートに書くということが多くの人に受け入れられています。
それには、親族が遺産で揉めないようにという遺言書の役割とはかけ離れた目的があります。
これまでの人生を振り返り整理する、残された人生をどう過ごすべきかを考える、自分の死後の希望・要望を伝えるといった目的は、マイナスではなくプラスの思考に寄与します。
人生の最後を思いながらメモを残せることは、ある意味幸せなことと言えるでしょう。
まとめ
メモの中には、仕事だけでなくあらゆる場所であらゆる人の人生に関わる大きな目的を持ったものがあります。
メモは私たちが働き生活する中で、とても重要な位置にあるのです。意思表示カードもエンディングノートも日記もラブレターもメモの一つです。
様々なメモがそれぞれの目的を果たせば、私たちの生活は彩豊かで、安心感に溢れた、意味あるものになります。
メモにはたくさんの顔があり、メモを取る習慣にはいくつものメリットがあることが分かっていただけたでしょうか。
これらのことを踏まえて、生きたメモの使い方ができるように心がけましょう。