概況説明、事前打ち合わせといった意味を引っくるめられるのがブリーフィングです。
事前情報の有無によって、仕事の成果は全く変わってきますよね。ブリーフィングは手軽に行える一方、使い方次第で大きな効果を発揮します。
分野ごとの事例も紹介しますので是非ご一読ください。
ブリーフィングとはどんな意味?
初見でもある程度ニュアンスの想像がつく言葉はありますが、おそらくブリーフィングは例外でしょう。
まずは基本的な意味から紹介。
簡潔な状況説明や事前説明のこと
ブリーフィングとは、簡潔な状況説明や事前説明のことです。ミーティングというと前もって開始時間を決め、全員一堂に会して話し合い、というニュアンスが出てきますよね。
一方ブリーフィングの場合、例えば「今いるメンバーで簡単な打ち合わせ」といったように、もうちょっと軽い感覚で使えるわけです。
元々は軍事用語として使われていた
ブリーフィングは元々軍事用語でした。ゲーム好きの方であればピンときたはずです。
近年ではゲームの中でも、銃火器を扱ったミリタリーアクション作品が沢山見られるようになりましたよね。
特にミッション受注形式のゲームでは、作戦開始前にブリーフィングを行うシーンがしばしば挿入されています。
戦況を聞いたり、作戦の目的を告げられたりという内容が定番でしょう。
もちろん戦闘行為はないにせよ、ビジネスシーンにおいても意味や用法、性質の面では軍事用語と同じなのです。
英語「briefing」が語源
ブリーフィングの語源は英単語“briefing”です。ルーツを辿ると、ラテン語の「短い説明」を表すイディオムから造成された言葉といわれています。
やはりミーティングというよりも、簡潔で短い性質が含まれているのです。
どんなシーンでブリーフィングは行われているの?
次に、ブリーフィングが行われる場面を考えてみましょう。
分野別にブリーフィングの意味を紹介します。
飛行機・航空によるブリーフィングの意味
飛行機・航空の分野におけるブリーフィングは、飛行前に行う打ち合わせを指します。
飛行計画の確認、緊急時における手順や対応などを確認するのが目的です。
医療や看護によるブリーフィングの意味
医療や看護の分野でも、ブリーフィングといえば事前の打ち合わせを意味します。
主として手術前、もしくは災害現場に向かう前などに医者や看護師などの混成チームで事前確認を行うのです。
注意点として、医療・看護は人命に関わる仕事のため、ブリーフィングといっても「簡単な」というニュアンスが排除されます。
人為ミスをなくすためにも、入念かつ綿密な打ち合わせを行うというわけですね。
ビジネスにおけるブリーフィングの意味
ビジネスにおけるブリーフィングは、簡潔な事前説明を指します。朝礼などのタイミングで各自に必要な情報を受け渡すのが一般的です。
また時間ぎめで担当が代わる職務の場合、交代に伴って状況の引き継ぎを行うのがセオリー。
例えば会社受付の場合、交代時に「午後15時にA様がお見えになります」といったシンプルな情報でも、あるとないとでは全く対応が変わってきますよね。
アポイントメントの有無に関する情報を引き継ぐだけでも、立派なブリーフィングというわけです。
ブリーフィングとミーティング、意味の違いとは?
ブリーフィングとの違いがわかりにくい、と言われがちなのがカタカナ語の「ミーティング」です。
ミーティングとは、日本語の会合・会議に相当します。会合や会議といえば出席者にアポを取り、開始と終了の時間を決めて一堂に会するのが一般的ですよね。
場合によっては予め議題を設定し、当日までに意見をまとめておくといった宿題を出されることさえあるでしょう。
一方、ブリーフィングは簡潔かつ手短に都度実施するのが基本。またブリーフィングは説明や打ち合わせを行うのが目的であり、ミーティングのように討論や決議をする機会ではありません。
ブリーフィングとミーティングは似て非なるものであるということですね。
ブリーフィングの類語や反対語をまとめてみた
ブリーフィングにも類語や反対語があります。
それぞれ2語ずつ紹介しましょう。
類語
事前レクチャー
一般的な用法として、ブリーフィングに一番近い言葉が事前レクチャーです。
「ブリーフィング=事前レクチャー」という考え方は、分野を問わず当てはまるでしょう。
仕事や作業に取りかかる前に、関係するレクチャーを受けておくのは大事なことですよね。
近状報告
ブリーフィングには近状報告という意味もあります。
近況、状況、概況などでも構いませんが、必ず報告と組み合わせるのがポイントです。
ちなみに打ち合わせという和訳も、やはり近状報告から転じたものです。
報告から転じたという経緯を踏まえると、話し合いというよりも情報共有や根回しのニュアンスが強いと考えるべきでしょう。
反対語
デブリーフィング
デブリーフィングとは医療の分野で使われる用語で、心理的デブリーフィングのことです。
元々は軍隊用語で帰還報告・事実報告でした。
軍隊用語から転じて、患者が見舞われた苦難をヒアリングし、心理的な苦痛の克服を手助けするという手法をデブリーフィングと呼ぶようになったのです。
フィードバック
フィードバックとは業務内でとった行動や結果について、第三者が評価した内容を当人に伝えることです。
行動や結果によって生じた影響の全容は、当人では把握しきれないものですよね。
第三者が介入し、影響の良し悪しに関する評価を当人に伝え返す必要があるというわけです。
ブリーフィングの関連語をカンタン解説
ブリーフィングの基本用法については、もう完璧ですね。
今度は別のカタカナ語を組み合わせたフレーズを見てみましょう。
エレベーターブリーフィング
エレベーターブリーフィングとは上司とのコミュニケーション術の一つです。
多忙な上司がフリーになるエレベーターでの移動時間を狙い、わずか数分の間で承認を得たり判断を仰いだりするテクニックを指します。
短時間での勝負なので、話の要点を極限まで絞り込むのがポイントです。二つ返事でOKをもらうというのが理想的ですね。
ブリーフィングシート
ブリーフィングシートとは概要説明用の書類を指します。
概要説明の補助資料という位置づけで、サマリーと同類と考えてよいでしょう。
規模の大きい会議など、個別の出席者に対するケアが難しい場合に用いるのが効果的です。
ブリーフィングルーム
ブリーフィングルームは政府専用の部屋です。政府高官や報道官などが報道陣と会見する際に用いる会場を指します。
一般企業が取材などに応じる際、会場として選定した部屋はブリーフィングルームに当たりません。
「morning briefing」の意味!外資では当たり前?
外資など、英語を公用化している企業では“morning briefing”を実施するのが珍しくありません。
“morning briefing”とは朝一番に行う状況説明であり、内資企業における「朝礼」とほぼ同じです。
企業によっては“morning assembly”や“morning meeting”という場合もありますが、内容は同義と考えてよいでしょう。
内資・外資を問わず、ビジネスにおいてブリーフィングは必須と考えられています。