相手の間違いに気づいてもらったり、やんわり訂正することは、自分の間違いを訂正したり謝罪するよりも技術が求められます。
言葉のチョイス一つで相手をイライラさせてしまうことがあるからです。
相手が担当者の名前を間違えている、もしくは漢字の読み方を間違えている場合、同じ名前の社員が複数いる場合など、どうすれば相手に恥をかかせず勘違いに気づいてもらえるでしょうか。
それぞれの場面ごとに考えましょう。
担当者の名前を間違えている場合
相手が、明らかに社内に在籍していない人の名前を言った場合は、「恐れ入ります、○○という者は社内には在籍していないのですが・・・。」と言って、相手に間違っていないか考えてもらいます。
見当がつく間違いはさりげなく訂正する
もし、「高山」と「片山」や「高山」と「高本」のような間違え方をしている場合は、取り次ぐ際にさりげなく訂正します。
「高山さんはいらっしゃいますか?」とかかってきて、高本は在籍しているが、高山という社員は在籍していない場合、「恐れ入ります、高本でよろしいでしょうか?」と伝えます。
「いや、高山さんです。」と言われた場合は、別の会社にかけたつもりの場合もあるので、「申し訳ございません。高山という者は在籍していないのですが・・・。」と柔らかい口調で伝えます。
その時点で、相手は、別の会社にかけてしまった、もしくは名前を間違えて伝えてしまったと気づくでしょう。
自分の名前が間違われている場合
ちなみに、名前を間違われているのが自分だった場合はどうしますか?この場合も、訂正するタイミングが重要です。無難なのは、最後に訂正する方法です。
用件を話し終えたタイミングで、「○○様、最後になりますが、私○○と申します。」と言えます。
「それは申し訳なかった!」という相手の謝罪と和やかな雰囲気で電話を終えることができるかもしれません。
話の途中でタイミングが無かった場合は、「私○○が承ります。」と最後に述べましょう。
漢字の読み方を間違えている場合
例えば、「木下」という苗字ですが、「きした」と読む人と「きのした」と読む人がいます。
在籍している担当者は“きした”ですが、「“きのした”さんはいらっしゃいますか?」と明らかに読み間違えている場合、また、あくまで“きのした”という社員が在籍していない場合、「“きした”でございますね。少々お待ちください。」とさりげなく訂正します。
「わざわざ、“きのした”という者はおりませんが、“きした”でよろしいでしょうか?」と最初から訂正する必要はありません。
相手がさらに「“きのした”さんではないのですか?」と言うなら、「きのしたという者は弊社に在籍がございません。」と親切に伝えましょう。
「○○担当の“きした”でしょうか?」とか、「恐れ入ります、御社を担当させていただいておりますのは、“きした”と申します。おつなぎいたしますね。」という伝え方もできます。
別の担当者に引き継ぎたい時
たまたま電話を受けた人が、担当部署ではなかった場合はどうでしょうか?その名前の社員が在籍していて、間違いなくその人宛てにかかっている電話であれば、取り次がなければなりません。
営業部が受けるべき内容の電話が、人事部にかかっている場合もそうします。その後、電話を取り次がれた本人が、実際に担当している部署が別にあるということを説明します。
そのほうが、今後のお客様のためでもあるので、この対応を嫌がる人はいないでしょう。相手がかけてきた相手を間違えていないのであれば、本人へ取り次ぐのがマナーです。
同じ名前の社員がいる場合
佐藤さんや鈴木さん、田中さんや山田さんなど、日本人に多い苗字はいくつかあります。
「佐藤さんいらっしゃいますか?」と言われ、佐藤と言う名の社員が3人も4人もいたら、混乱してしまうのも無理はありません。
では、まず2人だったらどうでしょうか?その2人が男性と女性であれば、「恐れ入ります、男性の佐藤でしょうか?女性でしょうか?」と言って絞り込むことができます。
もし、3人以上いたなら「恐れ入ります。営業部の佐藤でしょうか?」と部署で絞り込むのも良い方法です。電話がその部署の直通番号にかかっているのであれば、その部署内の佐藤さん宛であると判断して良いでしょう。