爽やかで明るい声、丁寧な言葉遣い、心からのお詫び、一歩踏み込んだ対応・・・その100点満点の電話対応も終わり方で台無しになることがあります。
「終わりよければすべて良し」という言葉もあるように、電話の相手の要望を完全には叶えられなかったとしても、最後を丁寧に締めるなら、電話のやりとりそのものの印象は良い状態で残ります。
最後の対応で、せっかくの努力が無駄にならないようにするために、気をつけるポイントは2つです。
締めの言葉こそ丁寧に
もちろん、家族や友達との会話のように「は?い」とか「どうも」などでは終わってはなりません。相手がよくかけてくる取引先であってもです。
特に日本人の多くは、親しい間柄でも、最初の挨拶や最後の言葉はしっかりと丁寧に話すべきだと考えます。
これまでの対応が無駄にならないためにも、切り際まで気を抜かず、最後まで心を込めて対応しましょう。
電話の締めの言葉にはいくつかありますが、それは内容によっても変わります。例えば、相手に何かをお願いする場合は、「大変お手数をおかけしますが、どうぞよろしくお願いいたします。」と言って相手を労います。
こちらが何かを承る場合は、「それでは、○○の件は責任を持って対応させていただきます。」と復唱を兼ねるなら、相手を安心させることができます。
苦情の電話であったなら、「この度は、本当に申し訳ございませんでした。」と重ねてお詫びをすることで、さらに良い印象を残すことができます。
その後、「お電話ありがとうございました。失礼いたします。」と言って電話を切ります。
難しい案件で、やっと対応が終了するという安堵から、締めの言葉をおろそかにし、流してしまわないように気をつけましょう。
受話器を置くタイミング
話が全部終わり、最後の挨拶をしたら、黙って静かに待ちましょう。
こちらがかけた場合も、相手がお客様や目上の人の場合は、相手が切るのを待ってから切ります。そうすれば、相手が伝え忘れていたことを言おうとした時に切れてしまうと言う残念な状況を避けることができます。
相手が大切なお客様であったり、かなり大きなクレームの電話であった場合、最後に沈黙が続くようなら、「○○様、どうぞ先にお切りください。」と声をかけることもできます。
もちろん、自分が先に切るべき場面もあるでしょう。その場合、受話器を置く時には注意が必要です。ガチャンと音を立てることが無いように静かにおきましょう。相手は受話器に耳をつけて聞いているので、こちらが思う以上に大きな音を聞かせてしまうことになります。
受話器を置いて切るのではなく、先に指で静かに切ってから受話器を置くという方法もあります。いつもそうしていれば、うっかり早く手を離してしまい受話器が電話に落ちて、結果大きな音を立ててしまうという失敗も避けられます。
何れにしても、それまでの友好的な会話が、最後の受話器の置き方で無駄にならないようにしましょう。
相手が切った後、自分が受話器を置くときも静かに置きます。窓口等を有していて、オフィスがオープンになっている場合、お客様は意外とそういうシーンを何気なく見ているものです。
また、お客様に見られていないスペースであっても、隣の席の同僚が、毎日何十件とかかってくる電話を、毎回大きな音を立てて切るのは、気持ちの良いものではありません。一緒に働く仲間のことも考えましょう。
いつでも受話器を静かに置く癖を付けておけば、うっかりということもなくなります。
まとめ
電話応対は、最後が肝心です。同じ相手からかかる次の電話の印象にも大きく影響を与えます。
日々の業務を円滑にするためにも、最後まで気を抜かず、細かいところまで行き届いた電話応対を心がけましょう。