fyi(エフワイアイ)という言葉を見聞きしたことはありませんか。
接する機会としては、聞くよりもメールなどの文面で見ることの方が多いかもしれません。fyiとは造語や流行語ではなく、既存のフレーズを略したものです。
ただし略語として使われるようになってきたのが比較的新しいため、世間的にはまだ完全に定着していないというわけです。
そんなfyiに注目し解説していきます。
何の略語!?fyiの意味を解説
fyiは略語であると述べました。ではそもそもfyiとは何を略したもので、どういう意味なのでしょうか。
早速追っていきましょう。
fyiの意味はメールやチャットの書き出し言葉「参考までに」
fyiの意味は「参考までに」というものです。つまりfyiとは補足情報を伝えるための、いわゆる書き出しフレーズのような扱いと考えればよいでしょう。
より具体的にいうと、fyiは主にメールやチャットといった文章ツールにおける書き言葉の1つとして使われています。
fyiは英語「For Your Information」の略
fyiとは英語のイディオム“For Your Information”の頭文字をとったものです。fyiの略し方は、カタカナ語を端折ったオンスケやリスケなどとはアプローチが異なるということです。
fyiは英語のフレーズを直接略した言葉なので、英語圏でも問題なく通用します。
ユニバーサルに使えるという点でも、fyiは覚えておいて損のない表現方法といえるでしょう。
fyiの正しい読み方
fyiの読み方は一文字ずつ発音するのが正しく、「エフワイアイ」です。
無理に音をつなげて「フワィー」などと読む必要はありません。
会話での使用はfyiスラングでOK
先に述べた通り、日本においてfyiは書き言葉として定着しています。よって会話でfyiを使うことは一般的ではありません。
ところが英語圏では、いわゆるスラングとしてfyiを使う場合がしばしばあります。英語圏におけるfyiにも「参考までに」という、日本語表現と同様の意味があります。
しかし話し言葉としてのfyiはスラングの用法なので、より軽快な言い回しだと考えられます。
日本語の「ちなみに」くらいのニュアンスが当てはまるでしょう。
fyiの正しい使い方とは?注意点もチェック
fyiの概要がわかったところで、運用を想定してみましょう。
具体的な使い方と注意点についても網羅します。
一般的にはメールの件名や末尾で使用
fyiはメールの件名や末尾に使われることが多いといえます。ただし件名と末尾とで、表すニュアンスが少しずつ違います。
fyiを件名に付ける場合は、主に情報提供の意味合いが強いでしょう。つまりメール本文全体が情報である場合です。返信不要だけど一読はして欲しい、という内容のメールに使う場合が多いと考えられます。
fyiを本文の末尾につける場合は、「参考までに」とか「ちなみに」といった補足のニュアンスです。fyiに続いて補足情報を追記するのが主な用法です。
ビジネスシーンでは転送メールの件名に使用
ビジネスシーンでfyiを使う機会といえば、転送メールの件名に付ける場面が代表的でしょう。
転送メールの件名にfyiを付けることによって、件名を見ただけで参考情報のメールだとわかります。つまり受信者とすれば、事後の対応が容易になるというわけです。
fyiに返信不要!?情報共有の意味合い
先の節でも簡単に触れた通り、件名にfyiが付記されたメールは情報共有の目的で送られています。
返信は不要というのが暗黙の了解です。上司や先輩からのメールであっても件名にfyiが入っていれば返信不要であり、失礼には当たりません。
英文ならOK!?上司宛のメールにfyiは避けるべき
上司宛にメールを送る際、fyiは使ってもよいのでしょうか。答えはNoです。会社のような組織において、情報共有の目的でfyiのメールを送るケースは上位から下位、もしくは同等の相手関係が主といえます。
また一般的に、下位から上位への情報提供は報告と位置づけられます。
特に重要性の高い情報であれば、正式な手順を踏んで上位者に報告するのがセオリーです。目上の人物に対して用件や趣旨も述べずに単発でfyiのメールを送るという行動は失礼に当たります。
ちなみに、上司宛のメールにfyiを使うべきでない理由はもう1つあります。fyiには“your”という単語が含まれているからです。
日本のビジネスシーンにおいて、上司に対して“you”や“your”という言い方をすることは不適切です。仮に英語圏、あるいは英文でやり取りする環境であれば全く問題ありません。
しかし上下関係を重視する日本においては、敬意の表し方ひとつでマナー違反につながるおそれがあります。
不要なトラブルを避けるためにも、fyiの使いどころには気をつけましょう。
fyiとfyrの違い!丁寧さや重要度が違ってくる?
fyiの類語に、fyrという略語があります。fyrとは“for your reference”の略です。fyrの意味は「参考までに」というもので、fyiと一部重複します。ただし“reference”とは、あくまで参考という意味に留まります。
一方、fyiには情報という意味の“information”が含まれます。つまり参考情報に限らず、場合によっては重要な情報もあるということです。
よってfyrはfyiと比べるとカバーする範囲が狭く、また重要度も低いことがわかります。
なおfyrとfyiについて、表現の丁寧さに違いはありません。どちらかがより丁寧というわけでもないので、場面や内容に応じて適切な方を選ぶようにすればよいでしょう。
fyiの類語や同じ意味合いをリサーチ
fyiの類語はfyrだけではありません。
また類語だけでなく、同じ意味合いの言葉も存在します。併せて一挙に紹介します。
「just fyi」や「fyi only」
「just fyi」および「fyi only」は、どちらもfyiの同義語です。また意味も同じです。
ただし“just”や“only”が付くことによって、情報の内容が参考程度のものであることが強調される形になります。
日本語の表現としては、「単なる参考情報」や「あくまで参考ですが~」といった言い回しが当てはまるでしょう。
「CC:」や「BCC:」
「CC:」や「BCC:」もfyiとよく似た類語です。「CC:」は“Carbon Copy”の略で、「BCC:」は“Blind Carbon Copy”の略です。
「CC:」や「BCC:」は言葉というよりも、キーワードやネット用語に当たります。というのも「CC:」と「BCC:」は、メールを送信する際に使う宛先指定の機能だからです。
電子メールの基本ルールとして「To:」がメインの送信先を示すのに対し、「CC:」や「BCC:」を送信先に選ぶ場合は参考や情報共有の趣旨であることを示します。
つまり「CC:」や「BCC:」には、読み手の対象を指定する意味があるということです。
なお「CC:」の場合は、上司や関係者に状況報告や参考情報として共有する狙いがあります。「BCC:」の場合はやや特殊で、宛先が伏せられるため送信した対象を知られることはありません。
「BCC:」を利用するケースは主として、「To:」の相手にメール送信した事実を秘密裏に情報共有する用例が多いといえるでしょう。
まとめ
普段何気なく使うfyiにも、多くの要素が詰まっていることにお気づきいただけたのではないでしょうか。
fyiはメールのやり取りを前提とした言葉です。つまりマナーやネットエチケットとも関係があります。
上司や先輩とのやり取りなども含め、適切な運用を心がけましょう。